GLORY世界王者に敗れて連勝がストップした原口が再起戦で在日タイ人の強豪ロンペットと対戦
2022年4月2日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館で開催されるRISE年間最大のビッグマッチ『Cygames presents RISE ELDORADO 2022 ~Tenshin Nasukawa Finalmatch~』の対戦カード発表記者会見が、2月18日(金)都内にて行われた。
RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント優勝・原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)が、ロンペット・Y'ZD GYM(タイ/Y'ZD GYM)とSuperFight!ライト級(-63kg)3分3R延長1Rで対戦する。
原口は空手出身で、高校からはボクシングを始めて17歳でプロデビューし、2016年西日本新人王決定トーナメントで準決勝進出。2017年にキックボクシングでプロデビューすると、わずか2戦目でACCELフェザー級王者となり、翌年(2018年)のRoad to RIZINキックトーナメントで優勝。チャンヒョン・リー、森井洋介からも勝利を収め、2020年1月大会で秀樹を降してRISEライト級王座に就いた。2020年10月11日には「DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」で優勝。2021年2月には白鳥大珠に圧勝、9月はタップロンにKO勝ちしたが、11月にGLORY世界フェザー級王者ペットパノムルンに敗れて連勝がストップ。戦績は20勝(12KO)2敗1分。
ロンペットは2020年2月の新日本キックに参戦し、WKBA世界スーパーライト級王者・勝次と対戦。サウスポーから繰り出す重い左ミドル&左ストレートでブロックした勝次のバランスを崩し、5Rには左フックでダウンを奪い大差の判定勝ち(50-45×3)。大きなインパクトを残した。勝次と対戦した時は35勝(10KO)19敗という戦績しか分からなかったが、あのロッタンともタイで対戦していたという。2021年9月には梅野源治とドロー、12月には北野克樹を判定で破りISKAムエタイ世界スーパーライト級王座を獲得した。
当初、原口はGLORY世界ランカーとの対戦を予定していたが、「外国選手の入国が難しく関係各所に相談しました。緩和のタイミングを待つことも考えましたが、練習や調整が遅れるので今回は国内の選手に決めさせてもらいました」と伊藤隆RISE代表。
会見には原口のみ出席し、「前回の試合のためにいろいろな人が動いてくれて、期待してくれた試合ができず申し訳ないです。4年ぶりの負けからの復帰戦、今回は期待を裏切らないようにします」との意気込み。
ロンペットからは「サワディーカップ(こんにちは)。私の名前はロンペットY’ZD GYMです。まずはじめに、RISEという素晴らしい大舞台のリングにお招きいただき、RISE関係者の皆様へ心から感謝申し上げます。そして、今回対戦するRISEを代表する原口選手へも心から感謝申し上げます。
私は6歳からムエタイをはじめ、これまでに日本でも有名なロッタン選手、梅野源治選手など多くの強豪相手に試合をしてきました。来日して4年になりますが、無敗です。無敗である理由は、相手のスタイル、弱点を見極めて戦うことで負けない試合をしているからです。つまり、タイ人は戦うための学習能力が高いということ。そして、試合で確実に実行できるということです。
原口選手はタイ人への苦手意識があるように感じます。なぜ苦手なのかも全て把握しました。原口選手はパンチ、キック、回転系の技、全てにおいて上手く強いです。紛れもなく世界トップレベルです。しかし、原口選手と私の一番の違い、それは、チャイスー(闘争心)がはるかに私が上だということです。試合中は絶対に心は折れません。その強い気持ちこそ、テクニックを凌駕するとムエタイで学んできました。原口選手、会場にお越しくださるRISEファンの皆様、カメラを通して応援してくれるファンの皆様へ強い気持ち、熱い気持ちが伝わる試合をやりましょう。
そして最後にRISEファンの皆様へロンペットY’ZD GYMの名前を覚えていてください。ムエタイの強さ、タイ人の強さをRISEでも証明します。ありがとうございました」とのコメントが読み上げられた。
これに原口は「苦手意識は全くないですが、言われても仕方がない。でも全然問題ないです。僕が圧倒的に勝ちます」と返答。
ペットパノムルン戦から5カ月、どんな部分を強化したかと聞かれると「メンタルの部分ですね。ペット戦ではメンタルの差が大きく出たので、メンタルを強くすれば練習でしてきたことも出せるだろうし、メンタルを強くしています。気持ちの面が欠けていると感じているので気持ちの面を強く持つようにしています」と、メンタル面を強化しているという。
その方法は「練習量です。めちゃくちゃいつもより練習したら、自然と“俺、今回勝てる”みたいな自信も出てくると思う。もちろん不安要素は持ちつつ、もっと自信を持てるように練習をしっかりして強化していく感じです」と、練習でしっかり自信を作っていくこととした。
原口と言えば以前はビビリキャラで、試合前に「一人でトイレに入って泣いてました」というエピソードを話すほどだったが、「もう弱音は吐かない。その弱音が試合に出たと思うので、今回から全部入れ替えてやります」とキッパリ。
今回のロンペット戦はペットパノムルンとの再戦を見越してのものなのか、との問いには「もちろんそれが一番ですし、それまでにGLORYのランカーやタイ人でなくてもペットにたどり着くように全員に勝っていく。それがたまたま今回はロンペットだったというだけです」と、今後全ての戦いがロード・トゥ・ペットパノムルンになるとした。
そのロンペットについては「相手のいいところを消すテクニシャン。でもテクニシャン同士なら僕の方が上なので僕的にはやりやすい。あとは目が良くてカウンターが上手いので、そこだけは気を付けないと行けない」と評する。
また、梅野戦で文字通り“チャイスー”を見せていたがと問われると「あれはムエタイルールやし、キックルールだとどうなるか分かりませんが、気持ちの面が出る前に僕が倒します」と、気持ちの強さを見せるまでもなく倒すと答えた。そして「前回期待を裏切ってしまったので、やっぱり原口は強いと思ってもらえる試合をします」と名誉挽回の一戦にすると語った。