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【RIZIN】浜崎朱加が悔しい判定勝利。山本美憂を警戒、ソヒと3度目対決は「勝ち上がったら」。フレイは「試合を見直したい」=6.2「RIZIN.16」試合後コメント

2019/06/03 11:06
6月2日(日)神戸ワールド記念ホールで「RIZIN.16」が開催された。 セミファイナルでは、RIZIN女子スーパーアトム級王者の浜崎朱加(AACC)が、現INVICTA FC世界アトム級王者のジン・ユ・フレイ(米国)を相手に防衛戦に臨み、3R判定3-0で勝利。初防衛に成功した。 試合は王者にとって厳しい展開で進んだ。 「打撃勝負がしたくて打ち合ったけど、いいのをもらった」と浜崎が振り返る通り、肩回りの筋肉の隆起が目立つフレイは、序盤から左フックをヒットさせ、ローキックを前足に蹴っていく。2Rにはフレイの左で浜崎が後退。さらにローキックを受けた足が流れるようになる。 「3R目はテイクダウンで行こう」とプランを変えた浜崎は、3R最初のフレイのローキックに合わせて右で脇を差し払い腰で早々にテイクダウン。フレイに立ち上がりを許さず抑え込んで、ヒジ・ヒザでダメージを与え続けた。 RIZINの判定はユニファイドルールのラウンドマストとは異なり、3Rの試合全体にわたっての評価。そして評価の基準はダメージが最優先となる。ダメージで差がない場合はアグレッシブネス、アグレッシブネスでも差がなければマスト判定として、リングジェネラルシップで差を見い出すスタンスだ。浜崎とフレイ、よりフィニッシュに近づいたのは……。 かくして判定は3者ともに浜崎を支持。3Rにテイクダウンからフレイの右腕をクルスフィックに固めて磔にし、ヒジ、ヒザを当てた浜崎の攻勢が評価される形となった。 試合後にリング上で涙を流した浜崎。会見では「ユニファイドルールだったら、1、2Rは取られていた。Invictaだったら判定で負けてた」と、その悔しさを語ると同時に、「最初からあの(3R目の)戦い方だったら、ユニファイドルールでも全然勝てました」と、組み技に置いてはInvicta王者が相手でも危なげのない自信ものぞかせた。 対するフレイは試合後、「ここ(RIZIN)での判定基準に慣れていないところもあった。米国での判定基準と照らしあわせて、向こうに戻って試合を見直したい」と、判定結果については留保をつけながらも、「極められないように用心深くなりすぎていた。もっとスクランブルの展開を作るべきだった」と反省点を挙げた。 また、試合前には、2017年12月にRoad FCでフレイを1R TKOに下している同女子アトム級王者のハム・ソヒの7月28日RIZINさいたまスーパーアリーナ大会出場も発表された。2010年12月と2011年12月にJEWELSライト級(-52kg)王座を巡り、ソヒと2度対戦し、2度勝利している浜崎は、「過去2回やってるので、ハムちゃんにしっかり勝ってもらって挑戦してもらいたい」と、ソヒがRIZINで勝ち上がって挑戦権を得た上での3度目の対戦を希望。 同日に浅倉カンナに判定勝利した山本美憂についても「数年前に比べたらかなり強くなっている印象もあるし、何と言ってもフィジカルが強いので油断していられないというか、脅威じゃないですけど、侮れない相手だと思います」と警戒。挑戦者候補の一人とした。 なお、大会総括で榊原信行CEOは、4連勝の山本美憂とRoad FC王者のハム・ソヒについて、「7月(28日・さいたまスーパーアリーナ)にマッチアップしてもいい」と、両者による王者・浜崎への次期挑戦者決定戦の可能性を語っている。▼第13試合 RIZIN女子スーパーアトム級(49kg)タイトルマッチ 5分3R ※ヒジあり○浜崎朱加(王者/AACC/元INVICTA世界アトム級(47.6kg)王者)[判定3-0]×ジン・ユ・フレイ(挑戦者/米国/MOHLER MMA/INVICTA FC世界アトム級王者)※浜崎が王座防衛 現RIZIN女子スーパーアトム級王者の浜崎は、2016年9月の「Invicta FC 19」でInvicta FC世界アトム級王座の2度目の防衛戦としてフレイと対戦。2Rに浜崎の右のパンチにフレイが左目尻をカットし、ドクターストップとなり、浜崎が王座防衛に成功している。 その後、浜崎が返上した同王座を、2018年7月にフレイが王座決定戦でミナ・グルサンデルに判定で勝利し獲得。現Invicta FCアトム級王者となった。フレイは2018年12月の前戦では同じグルサンデルをスプリット判定で退けて初防衛に成功している。 新旧Invicta王者対決にして、現RIZINとInvicta王者の対決にもなる今回の再戦に向け、浜崎は「前回はカットで勝ちましたが、1Rは危ない場面もあって拮抗していました。次は“もう戦いたくない”と思われるくらい差を見せて圧倒して、一本かKOで勝ちたい」と意気込みを語っている。 対するフレイは母親がアメリカ人で、父親は韓国からの移民。父からテコンドーを習った。RIZINでの初めての試合に、「ケージとリングでの戦いは違うとは思いますが、私にはボクシングの試合経験もあるので、リングでもどのような状態であっても自分を適応させていきます」と、ルールの異なるRIZINでの試合に自信。今回は、夫で元Bellatorファイターでもあるダグラス・フレイを帯同して、王座戦に臨む。 PRIDEのテーマ曲で入場したフレイ。浜崎はAACC勢と入場。練習仲間で6.14 Bellator参戦が決定しているRENAがセコンドにつく。 1R、ともにサウスポー構えから。フレイは浜崎に比べ、肩回りが隆起している。 サウスポー構えからスイッチしてローは浜崎。サウスポーに戻す浜崎は右ジャブを突く。フレイも刺し合い。右フックを放つ浜崎はオーソドックス構えに。左ローはフレイ。浜崎も右フックもフレイはガード。オーソに構え右ハイで牽制する浜崎。フレイの入りに右を合わせる。右ミドルを放つ浜崎。腕で払うフレイ。浜崎はワンツーも遠い。フレイは詰めて左フック! さらに右ジャブもヒット。離れる浜崎は右で飛び込む。さらに左インローはフレイ。浜崎は右ハイもフレイはブロック。フレイが浜崎の口元を腫らせた1R。 2R、サウスポーから右を突く浜崎。さばくフレイは右ロー。出入りは浜崎。バックステップするフレイ。フレイの前足へのローで赤く腫らせる浜崎は前足を変える。浜崎のジャブに右を返すフレイだが浜崎もスイッチ。コーナーに詰めて右アッパーは浜崎もかわすフレイ。前手のジャブは上下に突くフレイ。浜崎も当てさせず。左で飛び込む浜崎に左を返して当てるフレイ! 身体が流れる浜崎。続くフレイの強い右は空をきる。右前足にインローはフレイ! 浜崎の足が流れるように。オーソドックス構えにする浜崎。 3R、フレイの最初の右ローを逃さず右で差して払い腰で投げた浜崎! 右で脇を差しハーフになる浜崎は、右足も抜いてサイドポジションに! 左は枕に巻き、ヒザを頭に突く浜崎。左ヒザをフレイの頭に狙うが枕に巻いた左手もあり、角度的にクリーンヒットは難しい。ならばと、頭を中央に向ける浜崎はしっかり右での脇差しは外さず、フレイの右腕をクルスフィックに4の字で組んで固定! ついに両足で挟むと細かいパウンドへ。背中をマットに着けるフレイにヒジを連打した。 ユニファイドでは1、2Rを取られた可能性のある浜崎だが、3Rはダメージをしっかり与える動きを見せた浜崎。RIZINの3Rトータルでのジャッジは……浜崎が3-0で逆転勝利。中盤まで打撃戦で苦しんだ浜崎だが、3Rにフレイのローキックに合わせて組んでの投げを最初のトライで決めたのは見事といえる。 浜崎朱加「打撃を試してみたかった。Invictaだったら判定で負けていた」 ──ジン・ユ・フレイ選手を実際にリング上で見て、身体が大きいと感じませんでしたか。 「思いました。だいぶ戻ってるなと思いました」 ──実際のパワーは? 「一発一発パンチも強くて何発かいいのをもらったので、ちょっと危なかったですね」 ──判定について、ご自身ではどのように捉えていますか。 「ユニファイドルールだったら、1、2ラウンドは取られていたと思います」 ──そこからどのように挽回を? 「打撃勝負がしたくて打ち合いましたけど、いいのをもらったので、3R目はテイクダウンで行こうかなとは、その時に思いました」 ──フレイ選手のローキックは効いていた感じはありましたか。 「最初は全然効いてなくて、普通に蹴らせてて平気かなと思ったのですが……途中から痛くなっちゃって、今もまだだいぶ痛いです」 ──3Rに決めた投げは、最初から足技を狙っていた? 「柔道の? 全然。(3Rまで)組む展開がなかったんで。そういう状況にならなかったんで、全然狙ってはなかったです」 ──再戦してみて、前回と比べていかがでしたか。 「打撃はやっぱり強くなっていたと思います」 ──試合後に涙を浮かべていたのは? 「勝っても負けてもいつも泣いちゃうんですけど、悔しい気持ちも……。極めれなかった悔しさと、判定基準がRIZINの場合ラウンドマストじゃないんですけど、もしInvictaだったら判定で負けてたなという思いもあります」 ──ユニファイドルールだったら1、2ラウンドを取られていた実感があるということは、RIZINルールを頭に入れて1、2ラウンドは打撃で行こうとも考えていたのですか。 「それもありますし、打撃を試してみたい気持ちもあって。あまり作戦を練るタイプじゃないんですけど、ふと思いつきました。3R目は寝技で、というのは2Rが終わったインターバル中には思っていました」 ──2Rから寝技でと思えば、2R目から3Rにやった戦いをやれていた? 「最初からあの戦い方だったら、ユニファイドルールでも全然勝てました」 ──危ないと思った場面はありましたか? 「一発いいのもらってたんですけど、それ以外はなかったですね」 ──勝者に贈られるというダイヤモンドは今までは? 「ないです」 ──初めてのダイヤモンド? 「はい」 ──王座を防衛して、次の目標ややりたいことは? 「今回もInvictaのチャンピオンを連れてきてくれて、結構強い選手を呼ぶなと思ったんですけど、まだまだ他にも強い選手を連れてきてくれると思うので、しっかり勝って防衛したいです」 ──また海外に挑戦したい気持ちは? 「特にあまり考えていないのですが、そういう機会があればチャレンジしたい気持ちも少しあります」 ──ハム・ソヒ選手がリング上で挨拶しましたが、将来的にやりたい? 「そうですね、流れですかね。過去2回やってるので、その中でハムちゃんも参戦すると思うので、しっかり勝ってもらって、挑戦してもらいたいと思います」 ──大晦日などどこかでできればと? 「そうですね、はい」 ──大晦日に浜崎選手が勝っている浅倉選手と、今日、山本美憂選手が対戦して、美憂選手が勝ちました。美憂選手への興味は? 「やっぱり、数年前に比べたらかなり強くなっている印象もあるし、何と言ってもフィジカルが強いので油断していられないというか、脅威じゃないですけど、侮れない相手だと思います」 ──タイトルマッチも意識しながら? 「はい、そこはもちろん頭に入れています」 フレイ「判定基準に慣れていないところがあった」 ──試合の感想からお願いします 「非常に動揺しているといいますか、勝って帰りたいと思っていましたので。ハードな試合でした」 ──判定についてはどう思いましたか? 「私はまだ判定については不確かな面があったと思っていて、ここでの判定基準に慣れていないところもありますので、米国での判定の基準と照らして、向こうに戻って試合を見直したいと思っています」 ──以前、浜崎選手と戦った時と比べてどの部分が強かったでしょうか。 「お互いに前よりも良くなったとは思います。ちょっと新しく、トリッキーになって。私としてはもう少し経験を積んでいくことが大切だと思いました」 ──3Rにグラウンドに持ち込まれた時の心境は? 「思い返してみると、私は用心深くなりすぎていたように思います。アームバーがアヤカの得意技だから、極められないように腕を取られないように警戒していたけど、もっと勝ちに行く、もっとスクランブルの展開を作ろうとすべきでした」 ──初めて日本で試合をした気持ちは? 「RIZINで試合をしたことは、とても大きな経験になりました。すごく参考にもなりました。もちろんベルトを持って家に帰りたかったけど、それ以外のことは、すごい経験だったと思っています」 ──ユニファイドと異なるRIZINルールで、全体でジャッジすることに慣れない点があったとのこと。3R目でついた判定に満足していますか? 「勉強になりました。ルールに違う部分があっても、経験ができたので学ぶことがありました」 ──RIZINには浜崎選手以外にも女子選手がいます。3戦目を戦いたいと思うのか 誰かほかに次に戦いたい選手はいますか? 「RIZINではとてもいい経験ができて、プロダクションをはじめとして全てがトップグレードでした。また次に具体的にどういう選手と、というのはいまは頭にないですが、RIZINでまた戦いたいという気持ちは、もちろんあります」
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