2022年4月3日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~K'FESTA.5』の第2弾対戦カード発表記者会見が、2月17日(木)都内にて行われた。
スーパーファイトのK-1スーパー・ライト級3分3R延長1Rで、第3代K-1 WORLD GPライト級王者・林健太(FLYSKY GYM)と第7代Krushスーパー・ライト級王者の鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス)が対戦する。
林はK-1参戦経験のある空手家の父を持ち、2013年にKrushでプロデビュー。強打を武器に2018年12月のK-1ライト級世界最強決定トーナメントで優勝すると、2019年3月にK-1 WORLD GPライト級王者・卜部功也に挑戦。下馬評を覆す勝利で第3代K-1ライト級王座に就いた。その後は順調に白星を重ねて6連勝を飾ったが、2020年3月に朝久泰央に不覚を取り、12月にはゴンナパーに敗れライト級王座を失った。2021年5月大会よりスーパー・ライト級に階級を上げ、ヴィトー・トファネリに2度のダウンを奪われながらも3度倒し返して逆転KO勝ち。9月には元同門のKrushスーパー・ライト級王者の佐々木大蔵に判定で敗れたが、12月には不可思からダウンを奪って勝利。戦績は20勝(14KO)8敗2分。
鈴木は2016年12月にKrushでプロデビューすると、サウスポースタイルから繰り出す左ミドル&左ストレートを武器に頭角を現し、2019年1月にKrushスーパー・ライト級王座を獲得。現王者・佐々木大蔵にタイトルを奪われたが、7月大会でFUMIYAを初回KOに破って再起。しかし、12月のK-1では不可思にKO負け、2021年3月にはヴィトー・トファネリにTKO負け、11月に寺島輝に判定負けと3連敗を喫してしまった。戦績は10勝(6KO)7敗1分。
会見に出席した鈴木は「連敗中にかかわらず大舞台で試合を組んでもらえたこと嬉しく思っています。今の自分には失うものは何もないので思い切りいったろうと思っています」との意気込み。
林は「去年は階級を上げて3試合して2勝1敗。大事なところで落としたので今年はそういった大事な場面でも落とさずに勝っていかなあかん。目指すはK-1世界王者の称号なので、鈴木選手は元Krush王者で実績があるので落とさず頑張ろうと思います。毎回見ている人が興奮する試合をすることを心掛けているけれど、去年盛り上がった試合が3試合と多かった気がしたので、『K-1 AWARDS 2021』(年間表彰式)で敢闘賞をもらえると思っていて、家族や応援してくれる人たちに敢闘賞をとれると言い切ったんですがとれなくて。奥さんに『うぬぼれるなよ、恥ずかしい』と言われてしまいました(苦笑)。スポンサーにも期待させてしまって申し訳ありませんでした」と平謝り。
そこで「UFCのファイト・オブ・ザ・ナイトみたいに、K-1にはKOボーナスしかないので一番いい試合をしたらファイト・オブ・ザ・ナイトというニンジンをぶら下げてもらえれば、二割も三割も頑張るので中村プロデューサーご検討お願いします」と、大会毎のベストファイト賞を作って欲しいと提案した。
『K-1 AWARDS 2021』で毎回賞をとるつもりで戦っているが、「いけるんちゃうかな思ってとれなくて恥ずかしかったので、大会毎に決めてもらえれば全部狙いに行きます。1年は長くなるので熱が冷めないうちに査定して欲しいです」と訴える。
これに中村拓己K-1プロデューサーは「今年からAWARDSに向けて毎大会ベストバウトとMVPを選んでもらう試みもやっています。そういう賞に思いを持ってもらえるのは嬉しいですね。ファイト・オブ・ザ・ナイトについてはこれから考えます」と答えた。
すると林は「KOボーナスというボーナスをやってくれていてみんなやる気になっていると思うけれど、実力差がある試合でKOしてもボーナスはボーナス。でも実力が均衡して判定決着になるアツい試合でも賞がもらえたら、みんなもっとやる気出ると思います。僕は普段の7倍くらい頑張れるのでよろしくお願いします(笑)」とアピールした。
K-1のスーパーファイトではまだ1度も勝利できていない鈴木は「壁があると感じています。K-1に3回出ているんですが全部落としているのでK-1は甘くないと率直に感じています。ただ、この壁を越えないと王者は見えて来ないので、負けてはいますが収穫はあったり得るものもあるので間違いなく前進はしている。その成果をそろそろ見せたい」と前向きだ。
3連敗を喫した心境はどういうものかと聞かれると「自分が弱かっただけです。Krush王者になるまでトントンと来れたので、そこから気が抜けたじゃないけれど、モチベーションが下がったというか。自分では思っていなかったけれど、少なからず迷いがあったと思います。けれどこの3連敗をしていろいろ考えて、昔の気持ちを思い出して。何をやるにも気合いが大事だと思っているので、それで格闘技を始めた頃の感情が蘇ってきました。今はモチベーションがその時よりも高いくらい燃えています」と、自分に火を付けるきっかけになったという。
「最近やっと手応えを感じてきました。強い部分を残しつつ、プラスアルファの技術とかそういうものが上手くかみ合っていなくて両極端だったというのがあったので、バランスをとっていつもやってることが引っ張り出せれば問題ないと思います」と、成長の手応えは感じている。
互いの印象を聞くと、鈴木は「オファーをいただいてから試合をほとんど見たんですけれど、ゾンビみたいな人だなと。倒されても前へ出て来て身体が丈夫で根性が凄いなと思います。でも根性では負ける気がしないのでアツい試合になると思います」と、林の根性が印象的だとする。
林は「僕は格闘家としてのゲージがあったらパワーもスピードもテクニックも秀でたものがないけれど、気合いの部分で戦って勝っていると思うので、そこを褒めてもらえて嬉しいですね。鈴木選手は蹴りが上手なので応援してくれている人たちは、健太は大丈夫か、と思っていると思います。僕はパンチなので蹴りが苦手とみんな知っているので。だからと言ってここで落としていたら王者になれないので、ここはしっかり倒させてもらいます」と、苦手な蹴り主体のタイプだがここで星は落とせないとした。
ここで勝ってタイトル挑戦をアピールしたいかと聞かれると、鈴木は「今の自分がタイトルどうこう語れる立場ではないので、そういう見方はしていなくて、まずはこの試合ですね」と今はこの試合で勝つことに集中しているとし、林は「いい試合をしたらボーナスをくれるのなら、全階級を通じてアツい試合をしないとあかん。僕は秀さん(山崎秀晃)のベルトを目指しているので、みんながアツくなる試合をしてしっかりタイトルを獲りに行くことしか考えてないです」と逆にタイトルマッチを実現させることしか考えないと答える。
どんな試合を見せたいか。鈴木は「見せたいのはどういう展開になるかは考えているけれど、林選手はガンガン来るファイターなので、自分は苦手じゃないのでおのずとKO決着になると思っています」とKO決着を見せたいとし、林は「同じ階級の試合が3試合あって、でもタイトルに絡んで行くのはその勝者。内容は変わらず見ている人たちがアツくなる、興奮する試合を心掛けてしっかり勝つ。それが大事やと思っているので、勝って皆さんをアツくさせてタイトルまで行きたいと思います」と激闘を見せたいとした。