2021年MVP、名実共に“K-1の顏”となった野杁(左)が幻の1回戦となった加藤と対戦
2022年4月3日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~K'FESTA.5』の第2弾対戦カード発表記者会見が、2月17日(木)都内にて行われた。
スーパーファイトのウェルター級3分3R延長1Rで、K-1 WORLD GP同級王者・野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が第8代Krush同級王者・加藤虎於奈(TEAM TOP ZEROS/LALA TOKYO)と対戦する。
野杁は空手からキックボクシングに転向し、2009年にK-1甲子園初となる高校1年生王者になり、“怪物”と呼ばれるようになった。圧倒的なテクニックと類まれなるセンスでプロ転向後すぐにトップクラス入りし、WBCムエタイ日本スーパー・ライト級王座、第2代Krushウェルター級王座、NDC -66kg王座などを獲得。2017年6月には日本人選手として初めてゲーオ・ウィラサクレックに勝利し、第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者となった。翌年にはウェルター級に転向し、ジョーダン・ピケオーには敗れたもののその後は連勝。2021年9月の「第2代ウェルター級王座決定トーナメント」を全試合KOで制して王者となり、2021年のMVPを獲得した。戦績は46勝(22KO)10敗。
加藤はレオナ・ペタスの弟で、2017年12月にKrushでプロデビュー。左右どちらにも構え、豊富な運動量で動き回る独特な戦い方で戦績は6勝(3KO)3敗。2021年1月に山際和希を判定で破り、第8代Krushウェルター級王者となったが、4月の初防衛戦で松岡力に判定で敗れ王座を失った。
当初、両者は「第2代ウェルター級王座決定トーナメント」の1回戦で対戦することが決まっていたが、加藤が感染症拡大防止のため一定の待機期間を設ける必要のある選手に該当することが判明したため欠場。今回改めてスーパーファイトとして行われることに。
加藤は最初に9月の欠場を詫びた後、「欠如になってトーナメントでめちゃくちゃ強い野杁選手を見させてもらったので、いつか戦いたいと思っていたので決まったのは光栄です。光栄なので勝てるように気合い入れます」と挨拶。
野杁は「5年連続のK'FESTA出場を嬉しく思います。2階級制覇もしたし、K-1を引っ張る顔だと思うので残酷なまでに叩き潰してやろうと思っています」と、名実ともに“K-1の顏”となった自分が圧倒的な差を見せつけると言い放つ。
それぞれの印象を聞かれると加藤は「野杁選手が優勝すると思っていたのでその通りに普通に勝って行ったので、本当に凄いバケモンだなと思いました。正直どこで戦えるかどのタイミングで試合が組まれるか分からないので、決まったらすぐ返事をしようと自分の中で決めていました。9月の時もすぐに答えたので、申し訳ないですが今回もすぐに“はい”と答えました」と、バケモノのような強さは認めながらも迷いなく試合を受けたとする。
当然勝てると思って試合を受けたのだろうが、その自信の根拠は何かと聞かれると「根拠はないです。100回やって1回勝てればいい方だと思いますが、その1回を最初に持ってくるしかないので、そこですね、野杁選手と戦うのに中途半端は失礼なので、9月に欠場してからは生活面であらゆることを見直してトレーニングして、お酒も飲まずにトレーニングばかりして日本人だけれど(野杁が望むような)強豪外国人くらい強くなれたらと思っています」と、全てをこの一戦に懸けて“100分の1”の確率を最初に持ってきたいと話した。
一方、野杁は「Krush王者になっていますし、実力のある若い選手かなという印象です」と評し、「トーナメントで3選手と対戦してみんな勝負してくれたので、倒しに来る姿勢が見えたのでそこですね。僕に挑戦してくるなら倒しに来る姿勢を加藤選手には期待したいと思います」と、トーナメントで対戦した3選手のように本気で自分を倒しに来いと告げた。
どんな試合にしたいかを聞かれると、加藤は「試合が決まったのが凄いのではなく、勝つことが凄いと思うので俺がトップに出ていけたらと思います」と勝って自分がトップになる野望を燃やし、野杁は「トーナメントの時と全く一緒です。日本人とやる意味はないと思っているので、今回の対戦で日本人対決は卒業。トーナメントでもレベルの差は見せつけたけれど、それ以上に差を見せるのが今回のテーマですね」と、トーナメントで3人をKOした時よりも差をつけて勝つとした。
また、MVPとなっての心境の変化を聞かれると「それは特にないですが、試合内容、今年も2年連続受賞もあると思うのでそこをしっかり狙っていきます。K-1の顏になるのは僕だと思うので、そこをしっかり証明したいですね」との自覚を見せる。
今大会では無差別級トーナメントがあり、他の試合が霞んでしまう可能性もあるが、「まずスピードは、誰もが思うだろうけれど僕たちの方がある。重量級は当たれば倒れる印象がありますが、それ以上に僕の攻撃はどの攻撃が当たっても倒れるくらいにしてあります。そこはしっかり対抗できると思っていますね」と、重量級の一発で終わらせられるのと同じ一発で終わらせられる技が自分にはあるので見劣りしない、と答えた。