2022年2月27日(日)東京体育館『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』にて、スーパーファイトのK-1ライト級3分3R延長1Rで朝久泰央(朝久道場)と対戦する与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が、16日(水)神奈川の所属ジムにて公開練習を行った。
与座はパワフルな左ストレート、左右のミドルをミットに蹴り込み、ミットを持っているトレーナーが「重い!」と何度も口にするほど破壊力のある技を披露。
「疲労が溜まってきてピークですが、しっかりいい動きが出来ているので、疲労が抜けた後いい動きが出来るんじゃないかなと思っています」と現在は疲労のピークにある。
K-1には「2月に出たいとアピールしていたんですが、いきなり相手がK-1王者だと思っていなかったのでビックリしました。そこで代表と話して『優貴なら勝てると思う』と言われたのでチャンスだと思ってやろうと受けました。身近な人には勝てると言ってもらえました。そこは信じて練習にも臨めるので。ただ自分の強さを知らない人からすれば9割以上朝久選手が勝つと思っているでしょうから、試合でそれを引っ繰り返してみせたいですね」と、多少の戸惑いもあったようだが周囲の後押しもあってやることを決めた。
「K-1と言うと手っ取り早いというか、キックボクシング=K-1じゃないですか。格闘技を知らない人でもそういう認知だと思うので、K-1王者とやると言うと驚かれます。すぐに伝わるのでK-1ブランドを感じています」と、周りからの反応もいいという。
KRESTに移籍して「これまでは練習でガチスパーがなかったんですが、移籍してから週2回で実戦感覚を磨いています。それが自分に合っていてミットでやったのをスパーで出して、それを反省しての繰り返しで成長スピードが今までと比べものにならないくらい進化している実感があるので楽しみです」と、自信の成長を感じている。
記者会見時よりもスッキリした顏と体型に見えたが「前は80kg弱くらいありました。空手時代はそれくらいでやっていたので。ここへきて週2回、ガチスパーをやることになって動けないとやられちゃうので、日頃から10kg以上はいかないようにしています」と体重は制限しているという。
それは「試合前の練習終盤は、いつも体重を落とすための練習をやっていたのが、今は追い込みや対策にフォーカスしてできています。そこも以前の練習とは違いますね」という効果も。
会場の東京体育館は極真空手時代に何度も試合をしてきた思い出の地。「やっぱり体重別の世界大会で優勝した時が一番の思い出。それから5年くらい経ちますが、5年後に自分が同じ場所でK-1に出ているとは全く思っていなかったので、嬉しい、楽しみ、いろいろな気持ちがあります」とする。
対戦する朝久の印象は「普通のキックボクサーとは違うリズム、技、バリエーション、独特のファイトスタイルなので他の選手はやりづらいと思いますが、空手に近いので僕はやりやすい。経験している範囲内だと思っています」と、対峙して驚くようなことはないだろうと予測。
朝久は「朝久空手は空手じゃない。戦闘術だ」と言っているが、「自分とやっていない時は朝久空手をウリにしてやっているので、空手じゃないって言われてもよく分かりません(笑)。一般の人から見れば極真空手vs朝久空手と見られるので、少なくとも意識するところはあります」と空手対決であることは意識しているとした。
「前蹴り、二段蹴りはキックボクシングにはない動きだから当たる。空手は近距離でも蹴れます。それは経験しているので自信はありますね」と、朝久が得意とする蹴りは自分には通用しないと断言し、「元々そういったタイプの選手に空手時代は苦手で負けることが多く、それでは上に行けないということで足技を克服して苦手だった選手に勝っているので。それはその時の感覚があるので全然対応できるかなと。蹴りは当たらない。極真時代は顔にクリーンヒットしただけでポイントになるルールだったので、ダウンするということは負けじゃないですか。当たったら終わりのところがあったので、当てさせない練習をしたので当たらないんじゃないですかね」と、当てさせないことには自信がある。
「自信はあります。加えてもらわないと思ってもらった場合、自分が焦ると思うので、もらった後の展開も考えているし、勝つパターンもたくさんある。どのパターンになっても焦ることがないようにイメトレしています」と、イメトレも完璧。
では、朝久の手数はどうかと聞くと「ダッシュ系の練習は空手時代にやっていたんですが、キックに転向してからはやっていなかったので今回の試合が決まってからはまたやることにして。ラスト30秒のラッシュ展開になっても朝久選手より上回れるように取り組んでいます」と、これも対策済みだとする。
朝久の耐久力については「打たれ強さを気持ちでカバーしている。耐久的にはそこまで高くないのかなと思っています。でも精神面が強いので、逆に効いたらもっと出てくるイメージがあります。精神的に強い選手ですね」と耐久力は高くないが精神力が強いという。すると削り合いになるのかと思いきや、「僕の場合、削ろうとすると悪いパターンになる、と言われたので(苦笑)。詳しくは言えないんですが何パターンかあるんです」と、削り合いはしたくないと笑った。
そして、不利と予想されていることに対しては「勝てば全部をひっくり返せると思うので、試合をとりあえず見てくれと思います」と試合で証明すると語った。