2022年2月12日(土)東京・後楽園ホール『NJKF2022 1st』のダブルメインイベント第2試合NJKFスーパーファイト58kg契約3分5Rで対戦する、WBCムエタイ日本統一フェザー級王者・大田拓真 (新興ムエタイジム)とWKA世界フェザー級王者・国崇 (拳之会)のインタビューが主催者を通じて届いた。
大田は2019年は5戦全勝、S1ジャパントーナメントも制すなど飛躍の年となったが、2020年は2月大会でバンラングーンに判定負けして黒星スタート。しかし、9月にWBCムエタイ王座の防衛に成功した。2021年1月にはRISEに初参戦し、RISEフェザー級王者・工藤政英に判定で敗れたが、9月にはIBFムエタイ世界ジュニアフェザー級王者・波賀宙也に判定勝ち。
国崇は小学生で少林寺拳法を学び、グローブ空手に転向。2000年7月にNJKFでプロデビューした。2003年7月にNKBバンタム級王座を獲得すると、NJKFバンタム&フェザー級王座、WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王座、WBCムエタイ・インターナショナル同級王座、ISKAムエタイ世界フェザー級王者、WKAムエタイ世界フェザー級王座など数々のタイトルを獲得。また、ムエタイの二大殿堂であるラジャダムナンスタジアムとルンピニースタジアムでそれぞれランキング入りを果たし、両スタジアムのタイトルに挑戦したこともある。2021年4月に地元・岡山にて記念すべき100戦目を勝利で飾った。11月にも岡山でNo-Ri-にTKO勝ち。今回が103戦目となる。
大田拓真「ムエタイスタイルに戻した。以前のように綺麗に戦う」
――今年第1戦が迫ってきましたが、どんな心境でしょうか。
「いろいろスタイルを工夫して変えたりしていたんですけど、やっぱりなんか馴染まないというか。馴染んでいないのが周りから見ても分かってる感じだったと思うんですけど、自分でもそう思って、ムエタイスタイルでしっかり蹴って蹴って、首相撲ができたりっていうのが自分の強みだなっていうのが分かったので、あまりイジるのはよくないと思って、直す練習をメインでやってきました」
――昨年は違うスタイルを模索した感じだったのでしょうか。
「そうですね、打ち合いじゃないですけど、パンチ・パンチで結構多めに行こうかなって思ったんですけど、なかなか試合になるとやり辛くて。“なんか違うな”ってなっていました」
――では、昨年の戦いを経て、やはり自分のやるべきはムエタイスタイルだと。
「そうですね。戦いやすいですし、そっちの方がしっかり攻撃を当てれたかなっていうイメージです。パンチも増やそうとすると前みたいになっちゃうので、ワンツーでもいいので、しっかり倒せるスピードとか形を今回は修正しました。蹴って、蹴って、そのままパンチでパパーンと打てるように。パンチ、パンチで行くとまた失敗しちゃうと思ったので、ボクシングトレーナーについてジャブだけとかストレートとかを教えてもらってしっかり修正しました」
――うまく蹴りとの融合はできましたか?
「結局それで、やっぱり蹴りが大事なことに気づいたので、また前みたいに蹴りの練習をしてっていう感じです」
――今回は当初WBCムエタイ インターナショナル王座戦が予定されていましたが、コロナ禍で対戦相手の入国が適わず、国崇選手との対戦となりました。国崇選手をどのように見ていますか?
「やっぱりベテランの選手なので、全然油断はしていないです。ベテランの選手は怖いところがいっぱいあるし試合の慣れもあると思うので、むしろいろいろ警戒しています」
――大田選手が思うベテランの怖さというのはどういうところになりますか。
「やっぱり冷静さですかね。ベテランの人ってこっちが効かせたり、展開が上手くいっていなくても冷静に判断して立て直していくのが上手いので。そういうのは映像では分からなくて、試合してからじゃないと分からないので警戒しています」
――たしかにそういったところは試合で立ち合ってみないと分からない部分です。
「たぶん攻撃のスピードに関しては自分の方があると思っていて、攻撃力も同じぐらいだろうと思っています。でもそういった部分は怖いところなので、自分も冷静に行かないと、ヒジをもらっちゃったりするかなと思っています」
――そんな相手ですが、今回はどんな一戦を見せたいですか?
「最近ゴチャゴチャになっちゃってるというか、自分の型がハマってない気持ちがありました。倒そう、倒そうっていう意識ばかりでゴチャゴチャになっていたので、久々に綺麗に戦っている姿を見せたいと思う気持ちはあります。前は防御して、バックステップを使いながら、いなして打ってと綺麗に戦っていたのに最近はKO、KOの頭になっていたので、そういうところをちょっと戻して、綺麗に当てていって、あわよくば倒したいなっていう感じを見せたいです」
――やはりそうやって綺麗に戦うのが大田選手のスタイルなのでしょうか。
「そうですね、綺麗にしっかりパンチのガードも蹴りのカットも、距離感もそうですし、最近は詰めよう、詰めようっていうので、蹴りのカットやガードが疎かになっちゃっていて、パンチも力み過ぎてデカくなっちゃっていたので、蹴り数も減っちゃってみたいな感じだったので、意識が悪いな、戻した方がいいなと思いました」
――改めての意気込みや、ご覧になる人たちへのメッセージをお願いします。
「またコロナが流行ってきていてこんな状況ですけど、しっかり綺麗に戦って、“やっぱりムエタイ凄いな”っていうのを見せたいと思ってます」
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国崇「今の連盟のエースを喰って、自分がまた中央に戻る」
――2022年の第1戦が間近となりました。仕上がり具合はいかがでしょう?
」もう本当にいつも通りです。正月は試合が決まってなかったのでゆっくりしていて、ちょっと練習の掛かりは遅かったんですけど、その分濃密に練習はできたので」
――たしかに今回は大田選手の対戦相手が新型コロナの影響で来日できなくなり、急遽国崇選手が出場となりました。
「まぁ、そういう試合もたくさんありましたし、試合が決まったら決まったでモチベーションはグッと上がるので、日々楽しく過ごせました。辛いですけど(苦笑)」
――試合さえ決まれば、モチベーションは常にグッと上がるというのはいつも言われていることですね。
「そうですね、一気に気持ちが引き締まります。常に練習はしているんですけど、試合が決まったら、もう相手もそう思って練習をしているはずなので」
――なるほど、そうやってモチベーションを上げて試合に臨み、これまで100戦以上をこなしてきたのですね。
「いつも気合いは入るんですけど、今回は今年の“初仕事”っていう感じで気合いが入ります。それと今回連盟のエースというか、いま一番頑張ってる子と試合ができてラッキーだなと。最近ちょっと変な試合ばっかりして後楽園で負け続けているので、相手の力なんですけど、まさかメインに登場させてもらえるなんて思っていませんでした」
――そんな大田選手ですがどんな風に見ていますか?
「ジム自体がムエタイなので、ムエタイスタイルなんだろうなって思います。ただ試合をやるとは思っていなかったので、試合はそんなに見たことがなくて」
――では、先ほどありましたが現在の連盟エースである若い選手と対戦することに関してはどうでしょう?
「喰ってやろうというか、年寄りでも強いところを見せてやりたいなとは思います。本当に連盟のエースだと思っているので、そこに勝てたら自分がまた中央に戻れるかなとも思っています」
――これも先ほどあったように、たしかにこのところ国崇選手は後楽園でよい結果を残せていません。
「そうなんです、何なのか分からないですけどちょっと後楽園と相性が悪くて(苦笑)。でも、後楽園で強かった時期もあるし、“まぁそんな時もあるかな”ぐらいの感じで思ってます(苦笑)」
――今回は現在のNJKFを代表する大田選手が相手ですし、ここで勝てばまた勢いに乗れそうです。
「いやぁ、後楽園で勝ちたいです。5月の拳之会興行でも大きな話が来ているので、いつもよりモチベーションがある感じです」
――常にそうやってモチベーションを高く維持してきたのが100戦を超える現役生活の秘訣かと思いますが、逆にモチベーションが無くなったり下がったりする時はあるのでしょうか?
「基本的にないですね。もしやる気が出ないとか言ってたら会長にシバかれますから(笑)。だからいつもやる気満々でいないといけないし、言わば会長がモチベーションです(笑)」
――分かりました(笑)。では改めての意気込みや、ファンの方たちへのメッセージをお願いします。
「今の連盟のエースを喰って、また後楽園に帰ってきたいと思います」