2022年1月28日(金)東京・後楽園ホールで開催された『Krush.133』の一夜明け会見が、29日(土)都内にて行われた。
「第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」で、準決勝は友尊(TEAM K/BLUE DOG GYM)を1R2分56秒、2ノックダウンによるKO勝ち。決勝は横山朋哉(リーブルロア)からダウンを奪っての判定3-0(30-28×2、29-28)で勝利し、第10代王座に就いた中島千博(POWER OF DREAM)が会見に出席。前夜の試合を振り返った。
「1日経って朝起きた時にベルトがあってホッとしています。みんな強くて誰と当たってもどうなるか分からない試合だったので、その中で勝ち抜けたのは嬉しかったです」
1日2試合戦った感想は「友尊選手は、僕は今までパンチをもらっちゃうことがあってボクシングが得意な選手だったので気を付けて練習もしていました。実際に向き合ってミドルとかもらって、一発目でこれを何回ももらったらヤバいなと思って。そこからもっと動かないとって試合の中で気付けて、KO勝ちできました。でもこれが3ダウン制だったら2Rにいっていたので一瞬も油断できない試合でした。横山選手にはリベンジ戦で勝てましたが(2020年2月に判定負け)パンチで押し込まれた部分もあって、まだ直さないといけない要素はいっぱいあるなと試合でまた新たなことに気付けたので、トーナメントをやって良かったと思っています」と、収穫があったとする。
冷静に戦っているように見えたと言われると、「自分の弱点はアツくなってしまうところなので、倒しに行こうとすると冷静さはなくなるから、相手を見て相手とのやり取りを楽しむじゃないけれど、ああしようこうしようと考えながら戦うようにしていました」と、冷静さを保つことがひとつのテーマだったという。
横山の左右フックに見事なブロッキングで対処していたのは「対策としてやっていたわけではなくて、これ以上鼻が曲がりたくないので(笑)。顏にもらなわいためによけるかブロッキングするかを臨機応変にするようにしていて、あの試合ではブロッキングが出来たという感じです」とやはり冷静でいられたから臨機応変に出来たとした。
横山戦でダウンを奪った後、倒しに行かずその後も冷静に戦っていたことについては「倒しに行こうとすると僕ではなくなっちゃうと思ったんです。流れの中で相手の隙を見つけて攻防していきたいので、最後の最後まで気を抜かずに戦うことを考えてやっただけでした。経験値を上げるという意味もあります」と、3Rフルに使って戦い経験値を上げることを考えていたと説明。
横山との3度目の決着戦は「あると思います。横山選手も絶対にもっともっと強くなってくると思うので、次は上の舞台で当たるのではないかなと思っています」と、いずれK-1で当たるのではないかと予感していた。
空手とK-1スタイルのミックスについては「もちろん古川会長が丁寧に教えてくださるのもありますが、デビュー戦から振り返ってだんだんと毎回課題として言われたことを繰り返して、ちょっとずつ試合を経験して形になって来たと思います」と、手応えを感じている様子。
前日計量で59.95kg。スーパー・フェザー級(60.0kg以下)の王者になった中島だが、実は空手時代には90kg以下級で戦っていた。どうやってそこまで落としたのかと聞かれると、次のように答えた。
「ご飯に気を付けて毎日走ること。空手の時は筋トレをやってひたすら食べて、ベンチプレスで140kg、スクワットで200kg以上上げていました。冷蔵庫のような体型で、そこから練習内容が変わって、前はウエイトばかりやっていたのを走るのを多くしたりして、自然と無駄な脂肪が落ちていきました。ご飯はそこまで減らしていなく、自然と練習で落ちた感じですね」
元々の体重がそれならば、もっと重い階級で複数階級制覇も可能なのではと言われると「身長的にダメですね。ウェルター級に行ったら安保選手に二段蹴りでやられてしまいますし、パンチが顔に届かないです(笑)」と笑った。ただし、「空手の時は190㎝の選手ともやっていたので大きな選手と戦うことに怖さはないです」とも。
現在Krush、K-1に参戦している与座優貴も極真空手出身で、ライト級(62.5kg以下)で戦っているが、空手時代は70kg以下級で中島よりも下の階級で戦っていた。今後、戦うこともありそうだが「空手の時も試合をしたことはないんですが一緒に練習していたり、試合前もメッセージをもらっています。試合はしたくないです(笑)。空手の選手は上手いので、やるとなったら頑張りますが、同じ空手出身の選手とはやりたくないですね」とした。
その与座は2月27日(日)東京体育館で開催される『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』にて、K-1ライト級王者の朝久泰央とノンタイトルで戦う大一番を控えている。この一戦をどう見るかと聞かれると「凄く楽しみです。与座選手は極真のトップ選手だったので、お互い蹴りがメインになると思うけれど、駆け引きが見れると思っていますし、与座選手も本当に上手いので朝久選手がその上手さにどう戦うのか見てみたい」と、注目している。
今後の目標を聞かれると「絶対にみんな王者になりたいとの気持ちを持っている選手なので、その選手たちに負けたら終わりなので、どの選手にも勝てるように練習していくのが大事かなと思っています」とし、「Krushの王者としてK-1の選手と戦いたいですね」との目標を掲げた。
「スーパー・フェザー級には強い選手がいっぱいいて、僕から見れば全員並んでいるので、その一人一人とどう戦おうかなと。一番は武尊選手とやりたいというのはありますが、いきなりそこへは行けないので並んでいる人たちと戦っていきたいです」と、順に武尊の前に並んでいる選手たちと一人一人戦っていきたいとする。
いずれは武尊と戦いたいかとの質問には「まだK-1の舞台にも立っていないので、K-1にKrush王者になった人たちもいるのでその人たちを倒してからでないと武尊選手とやるにはふさわしくないと思っています。まずKrush王者だった人たちを含めて、勝ってから行きたいです」と、段階を踏んで近付いていきたいと話した。
1回戦後の記者会見では少年時代の熊田曜子(今大会のゲスト解説)とのエピソードを明かした中島。試合後には「会場を出る時にお会いして、僕だけの勝手な面識だったんですが豊島園で会ったことがあって。大きくなって試合を見ていただけるのは嬉しくてありがとうございますと言いました」という。
また、趣味は何かとの質問には「一人ですることが多くて、一人でどこかへ行ったり美術館に行ったり。あと料理を。自炊しているので美味しそうなものを真似して作ったり。一人ですること多いですね」と答えた。
最後には「Krush王者になれましたが、これからがスタートなので負けない王者としてどんどん戦っていきます」と、王者としての意気込みを語った。