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【Eagle FC】ハリトーノフがスポーンにTKO勝ち! ラシャド・エヴァンス復帰戦勝利で「愛がないと出来ない」、10勝無敗クラマゴメドフ、マゴメダリエフが勝利

2022/01/29 11:01
 2022年1月28日、米国マイアミのFLXcast Arenaにて、29勝無敗のレコードで引退した元UFC世界ライト級王者ハビブ・ヌルマゴメドフのMMA団体「Eagle FC 44: Kharitonov vs. Spong」が開催された。  米国初進出となる同団体のメインイベントでは、オランダのキックボクシングで活躍、MMA、ボクシングにもチャレンジしてきた36歳のタイロン・スポーンが2013年8月のWSOF以来、8年5カ月ぶりのMMA(2勝)で、ロシアのセルゲイ・ハリトーノフと対戦し、ハリトーノフが2R TKO勝ち。  コ・メインでは元UFC世界ライトヘビー級王者ラシャド・エヴァンスが3年7カ月ぶりに復帰。Submission Undergroundなどグラップリングでも活躍するガブリエル・チェコに判定勝利し、8年3カ月ぶりの白星をつかんでいる。  また、レイ・ボーグとコディ・ギブソンの元UFCファイター対決のほか、元UFC、PFLのジョン・ハワードと9勝無敗のラマザン・クラマゴメドフが対戦。メインカード第1試合では「ONE on TNT 1」でタイラー・マクガイアに判定勝ちするなどONE3勝1敗、MMA8勝1敗のライモンド・マゴメダリエフが、アンソニー・ンジョクアニを1R、パウンドアウトしている。 Eagle FC 44: Kharitonov vs. Spong 2022年1月28日 米国マイアミFLXcast Arena ▼ヘビー級 5分3R×タイロン・スポーン(オランダ/スリナム)[2R 2分55秒 TKO] ※パウンド〇セルゲイ・ハリトーノフ(ロシア)  メインイベントでは、オランダのキックボクシングで活躍、MMA、ボクシングにもチャレンジしてきた36歳のタイロン・スポーンが2013年8月のWSOF以来、8年5カ月ぶりのMMA(2勝)で、ロシアのセルゲイ・ハリトーノフと対戦。2014年4月のグーカン・サキ戦で右脛骨折したスポーンは2015年3月からボクシングに転向。WBCラテンヘビー級王座についている。対するハリトーノフはMMA33勝9敗。ボクシングでも2020年から2勝を挙げ、41歳ながらMMAでもこの2年で4勝1敗と好戦績を挙げている。  1R、ともにオーソドックス構えから。左ジャブを突くハリトーノフ。スポーンは強い左奥足ロー、ミドル。しかし、詰めるハリトーノフはボディロックテイクダウン! 袈裟固めからネックロック! 腰を逃がして防ぐスポーンにハリトーノフはマウントへ移行。  右で差して立ち上がろうとするスポーン。しかし、潰すハリトーノフが再び上に。ブリッジする103キロのスポーンだが、120キロと重いハリトーノフは動かず。マウントから鉄槌を落とすハリトーノフ。下のスポーンはガードを固めながらパウンドを耐える。  2R、ハリトーノフのダブルレッグを切ったスポーン。左ジャブを突くハリトーノフに左ローさらに左ジャブの刺し合い。ハリトーノフのアゴを上げると、肥立ちボディ! ハリトーノフの組みを剥がす。しかしハリトーノフもジャブで圧力をかけると、スポーンは下がりながら左の蹴り。ここを逃さず蹴り足を掴んだハリトーノフがテイクダウン、パスガード。金網に頭が詰まったスポーンにマウントからパウンドを落とし続け、レフェリーが試合を止めた。  試合後、ハリトーノフは「スポーンはハイレベルな選手でとても敬意を持っている。Eagle FCで試合を続けてベルトを狙いたい」とロシア語で勝利のコメント。  一方のスポーンは「思っていたような試合にはならなくて、失望は大きいけど彼はレジェンドだし、試合をするってことはそれだけの覚悟みたいなものが必要だけど、今日の自分よりいい選手であることをファンにみんなには見せたい」と語った。 [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3R〇ラシャド・エヴァンス(米国)[判定3-0] ※30-27×3×ガブリエル・チェコ(ブラジル)  コ・メインでは元UFC世界ライトヘビー級王者ラシャド・エヴァンスが2018年6月のUFCでのアンソニー・スミス戦以来、3年7カ月ぶりにMMA復帰。Submission Undergroundなどグラップリングでも活躍するガブリエル・チェコと対戦する。  1R、ともにオーソドックス構えから。右ローを当て、先に圧力をかけるエヴァンスだが、チェコが左の蹴りで押し戻す。チェコの右ミドルを掴んで持ち上げ軸足を払いテイクダウンを奪うエヴァンス。パスからクルスフィックでパウンドを打つが腕を戻して腰を切りフルガードにするチェコ。ハイガードからオモプラッタを狙うチェコを潰すエヴァンス。  2R、サウスポー構えから入るチェコ。右の後ろ廻し蹴りも当てるが浅い。蹴りの打ち終わりにボディロックテイクダウンを奪うエヴァンスはすぐにマウントを奪うが、ここで足関節を狙うチェコ。  すぐにヒザを抜くエヴァンが回転して上に。そこにシングルレッグからボディロックテイクダウンを奪うチェコ。右足にからみ内ヒールフックを仕掛けるが、ヒザを抜くエヴァンが上でゴング。  3R、右を当てたエヴァンにシングルレッグから足関節に入るチェコだが、すぐにヒザを抜くエヴァンは正対して上に。亀になり腕を巻き込もうとするチェコだが、正対し下に。脇を差すエヴァンスに片足を二重がらみでかけてスイープしたチェコだが、ここでも足関節で下に。エヴァンスが蹴り上げをさばきサイドを奪いパウンドしたところでゴング。判定は3-0でエヴァンスが勝利。  UFCでは5連敗だった“シュガー”は、2013年11月のチェール・ソネン(※今回の解説の一人)戦以来、実に8年3カ月ぶりの白星をつかみ、「42歳で試合をするのはMMAを愛していないと出来ないことで、セレモニーのように試合に臨んだ。(ケージサイドの主宰者ハビブ・ヌルマゴメドフを向いて)もっとグッドシェイプでよりよい試合をやるよ。家族と支えてくれたすべての人に感謝したい」と笑顔で語った。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇レイ・ボーグ(米国)[判定3-0] ※29-27, 29-28×2×コディー・ギブソン(米国)  1R、ともにオーソドックス構えから。右を振りシングルレッグに入るボーグ。金網背に片足立ちで足を抜くギブソン。カーフキック、左ミドルと蹴りを放つギブソンは右を強振するがそこにカウンターで組むボーグ。ここもギブソンはいい形で組ませず剥がす。右のダブルで前に出るボーグ。しかしガードを低くステップでかわすギブソンは詰めて離れ際に右。長いリーチを活かし左ミドル、左右を連打で金網まで追い込む。  2R、先に前に出るギブソン。上下に打ち分け左右を振ってインローも。半身気味に肩でかわすボーグだが、ギブソンの足を止めての打ち合いには声を上げて応戦。ボーグは左ミドルを腹に当てると左ボディも腹に当ててギブソンの動きを一瞬止める。さらに前に出ると右の高い後ろ廻し蹴りも! ダブルレッグに来たギブソンを切って上からパウンド。スクランブルするギブソンをがぶり、アナコンダチョークから上を取り、かつぎパス狙い。最後はハーフから鉄槌。ギブソンは出血。  3R、左ジャブを当ててダブルレッグでテイクダウンを奪うボーグ。金網背に座るギブソンの立ち際にボディロック、脇を潜ろうとするボーグ。正対し両足を束ねてテイクダウンを奪うと、上体を立てるギブソンの腰を引き付け背中を着かせる。  下のギブソンの腕十字狙いもさばき、上から怒涛のアタックを続けるボーグ。パウンドとともにマウントを奪い、肩固め狙いからバック、マウントと完全ドミネート。残り10秒で今度はボーグが腕十字を狙うが、ここはギブソンが上にパウンドで飛び込むもゴング。  元UFC対決を制したボーグはこれで2連勝。ケージサイドのハビブ・ヌルマゴメドフに感謝の言葉を語った。 [nextpage] ▼175ポンド契約 5分3R×ジョン・ハワード(米国)[判定0-3]〇ラマザン・クラマゴメドフ(ロシア)  1R、すぐに詰めて組んでシングルレッグテイクダウンするクラマゴメドフ。ハーフガードから右で腰を抱き、左でパウンド。足を戻し半身でニーシールドにして立ち上がるハワード。右足を4の字ロックでパウンドも。前転してヒザ十字を狙うハワード。すぐにヒザを抜いたクラマゴメドフが再び上に。ヌルマゴメドフ同様に片足をかけて背後から拳を振る。  2R、圧力をかけて右を振るハワードにシングルレッグテイクダウンはクラマゴメドフ。右で脇差し、右ヒザをいったん超えるが、足を戻すハワード。再びニーシールドから亀になり立ち上がると、その際で背中につくクラマゴメドフ。ハワードは左で小手に巻くが、クラマゴメドフはボディロックから後方にテイクダウン! ハーフから細かいパウンドを落とす。  3R、クラマゴメドフのミドルに軸足払いで尻もちをつかせるハワード。パンチを避けながら高い前蹴りでハワードをこかすクラマゴメドフ。クラマゴメドフの低いシングルレッグを切るハワード。詰めて左右フックも、クラマゴメドフはシングルレッグテイクダウン。ここはスクランブルで立つハワード。クラマゴメドフはバックフィストもかわしたハワード。そこに組んでシングルレッグテイクダウンを奪うクラマゴメドフ。ゴング。  判定は3-0でクラマゴメドフが勝利しMMA10勝無敗に。ヘンリー・セフードのインタビューを受けたクラマゴメドフは英語で、「試合ごとよくなっている。常にフィニッシュしたいと思っている。次? ライモンドかな(笑)」と笑顔で語った。 [nextpage] ▼175ポンド契約 5分3R〇ライモンド・マゴメダリエフ(ロシア)[1R 2分49秒 TKO]×アンソニー・ンジョグアニ(ナイジェリア  1R、ともにオーソドックス構えから。左の蹴りで前に出るマゴメダリエフ。左後ろ廻し蹴りを掴んだンジョグアニに大内刈でテイクダウン。立ち際にパウンドし、立つンジョグアニをボディロックテイクダウンするマゴメダリエフ。  ンジョグアニの両足を足で束ね、バックマウントからパウンド。うつ伏せになり身体が伸びたままパウンドを受けるンジョグアニをしばらく見て、レフェリーが試合を止めた。ONEでも活躍したマゴメダリエフはMMA9勝1敗となった。
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