2022年2月11日(金)シンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE: BAD BLOOD」の全対戦カードが発表された。
メインイベントは、ONEバンタム級世界選手権試合(5分5R)。バンタム級世界王者のビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)が、1位コンテンダーのジョン・リネカー(ブラジル)を迎えタイトル防衛に臨む。
▼メインイベント ONEバンタム級世界選手権試合 5分5Rビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)王者ジョン・リネカー(ブラジル)挑戦者/1位
元DREAMバンタム級&フェザー級王者でMMA24勝4敗のビビアーノは、41歳。2013年の戴冠から2018年まで7度の王座防衛に成功し、絶対王者として君臨した。
2018年11月にケビン・ベリンゴンにスプリット判定負けで王座陥落も、2019年3月のベリンゴンとの再戦で反則勝ちで王座奪還。同年10月にベリンゴンと3度目の対戦で2R リアネイキドチョークで一本勝ち。初防衛に成功している。
対する“ハンズ・オブ・ストーン”ジョン・ リネカーは、ジャングル・ファイトバンタム級王者から、UFCで12勝4敗の戦績を引っ提げ、ONEに参戦。
2019年10月にムイン・ガフロフに判定勝ちすると、2020年11月に元王者のケビン・ベリンゴンも右アッパー&パウンドで2RTKO勝ち。2021年4月の「ONE on TNT 3」では、トロイ・ワーゼンも右ストレート&パウンドで1RKO勝ちと、3連勝を飾っている。
左右どちらでも構え、強い右ストレートを軸にテイクダウン、バックそしてチョークまで電光石火の極めの強さを持ち、ドミネートしての判定でも勝てる王者だが、2019年10月以来、2年4カ月ぶりの試合でどんな動きを見せるか。リネカーもUFCでジョン・ドッドソン、イアン・マッコールといった組み技巧者にも競り勝っており、石の拳を炸裂させる場面を作れるか。
▼コ・メインイベント ONEヘビー級暫定世界王者決定戦 5分5Rアナトリー・マリキン(ロシア)キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)
コ・メインイベントでは、ONEヘビー級無敗のアナトリー・マリキン(ロシア)とキリル・グリシェンコ(ベラルーシ)が、ONEヘビー級暫定世界王者決定戦に臨む。
現ONEヘビー級王者はインドのアルジャン・ブラーだが、「防衛戦の複数のオファーを断っている」ため、トップコンテンダー同士の両者による暫定王座戦が組まれたという。
マリキンは2021年に、元ONE世界王座挑戦者のアレッシャンドリ・マチャド(ブラジル)とアミル・アリアックバリ(イラン)に、ともに1R KO勝利を収め、MMA10戦無敗。
対するグリシェンコもMMA5戦無敗で、ONEでは2021年4月にオマール・ケイン(セネガル)を2R TKO。10月にダスティン・ジョインソン(カナダ)に判定勝利するなど同じく無敗だった新星2人を破り、5連勝中だ。無敗対決を制して、暫定王座に就くのは、マリキンかグリシェンコか。
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猿田は澤田を降したバラートと、長谷川は11勝無敗のラマザノフと対戦
▼ONEストロー級 5分3R猿田洋祐(和術慧舟會HEARTS)グスタボ・バラート(キューバ)
また、日本からは、元ONEストロー級世界王者の猿田洋祐(和術慧舟會HEARTS)と、元ミドル級世界王座挑戦者の長谷川賢(THE PAN DEMONIUM)の出場が決定。猿田はグスタボ・バラート(キューバ)と、長谷川はムラド・ラマザノフ(ロシア)と対戦する。
ONEストロー級の猿田は、半年ぶりの再起戦。2017年10月に修斗世界ストロー級王者となった猿田は、2018年12月からONEに参戦。いきなり元ONE世界ストロー級王者アレックス・シウバを判定で破ると、2019年1月に王者パシオと初対戦。猿田がスプリット判定で勝利、ONE世界ストロー級王座を獲得した。
しかし、3カ月後の2019年4月のダイレクトリマッチで、パシオに4R KO負けで王座陥落。その後、2019年10月にPANCRASE王者・北方大地に2R TKO勝ち。2020年9月に内藤のび太に判定勝ちで2連勝。2021年9月にパシオとの3度目の対戦も、1Rに右ストレートを浴び、左右ラッシュからパウンド連打でTKO負け。戴冠はならなかった。MMA21勝10敗3分。
対するバラートは、MMA9勝4敗。グレコローマンレスリングのオリンピアで、2012年のロンドン五輪グレコローマンレスリング55kg級準々決勝進出、パンアメリカン・グレコローマン・レスリング3度王者の戦績を持つ。ONE参戦後、和田竜光、チャン・ロタナ、ロビン・カタランと強豪相手に3連敗を喫したが、ATTに所属し、2021年7月に澤田龍人に判定勝利。ONE初白星を掴んでいる。
自身より10cm低い相手と戦う猿田は、グレコのみならずダブルレッグテイクダウンや、サウスポー構えからの左の強打も持つバラートを相手に、持ち味を出せるか。進境著しいバラートは難敵となりそうだ。
▼ONEウェルター級 5分3R長谷川 賢(THE PAN DEMONIUM)ムラド・ラマザノフ(ロシア)
ONEウェルター級のラマザノフは、UFC世界ライト級王者ハビブ・ヌルマゴメドフと同じダゲスタン出身ファイター。2014年のプロデビューから、現在まで11戦全勝。2020年2月のONEデビュー戦でベ・ミョンホを1R TKO。2020年11月には手塚裕之に判定勝ち。2021年12月の前戦では、ゼバスチャン・ カデスタムを終始コントロールし、判定勝ちで無敗記録を更新している。
ザ・ワンTV、グラップリングのPROGRESSも率いるなどプロデューサー的な仕事もこなす長谷川は、2019年3月のアウンラ・ンサンとの再戦以来、約3年ぶりのファイターとしての復帰戦。ONEウェルター級(※83.9kg)で、“怪物”ラマザノフを相手に、2018年2月のDEEPでの林源平戦以来の白星を掴むことが出来るか。
さらに同大会では、ONEフライ級ムエタイ注目のジョナサン・ハガティー(英国)とモンコルペット・ペッティンディーアカデミー(タイ)の対戦や、MMA女子アトム級のジェネリン・オルシム(フィリピン) vs. ジヒン・ラズワン(マレーシア)、リン・ホーチン(中国) vs. ビー・ニューイェン(米国)なども組まれている。
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ONE Championship「ONE: Bad Blood」全カード
2022年2月11日(金)シンガポール・インドアスタジアム
【メインカード】(6試合)
▼メインイベント ONEバンタム級世界選手権試合 5分5Rビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)王者ジョン・リネカー(ブラジル)挑戦者/1位
▼コ・メインイベント ONEヘビー級暫定世界王者決定戦 5分5Rアナトリー・マリキン(ロシア)キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)
▼ムエタイ フライ級 3分3Rジョナサン・ハガティー(英国)モンコルペット・ペッティンディーアカデミー(タイ)
▼ONEストロー級 5分3R猿田洋祐(和術慧舟會HEARTS)グスタボ・バラート(キューバ)
▼ONE女子アトム級 5分3Rジェネリン・オルシム(フィリピン)ジヒン・ラズワン(マレーシア)
▼ストロー級 5分3Rデェダムロン・ソー・アミュアイシルチョーク(タイ)ダニエル・ウィリアムス(豪州)
【リードカード】(6試合)
▼バンタム級 5分3Rチェン・ルイ(中国) マーク・アベラルド(ニュージーランド)
▼ONEウェルター級 5分3R長谷川 賢(THE PAN DEMONIUM)ムラド・ラマザノフ(ロシア)
▼ヘビー級 5分3Rダスティン・ジョインソン(カナダ)ウーゴ・クンヤ(ブラジル)
▼アトム級 5分3Rリン・ホーチン(中国)ビー・ニューイェン(米国)
▼フライ級 5分3Rヨッカイカー・フェアテックス(タイ)ウ・ソンフン(韓国)
▼ヘビー級 5分3Rトーマス・ナーモ(ノルウェイ)オーディ・デラニー(米国)
▼バンタム級 5分3Rスノト(インドネシア)ティアル・サン(米国)