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【修斗】悲願のベルト獲得へ、小野島恒太「誰かの為になんて一切考えていません。この試合は自分を肯定するだけの為に戦います」=1月16日(日)藤井伸樹と王座戦

2022/01/15 11:01
【修斗】悲願のベルト獲得へ、小野島恒太「誰かの為になんて一切考えていません。この試合は自分を肯定するだけの為に戦います」=1月16日(日)藤井伸樹と王座戦

(C)サステイン/ゴング格闘技

 2022年1月16日(日)東京・後楽園ホールにて、プロ修斗開幕戦が開催される。メインイベントは小野島恒太(同級1位/CWD)vs.藤井伸樹(同級3位/ALLIANCE)による「環太平洋バンタム級チャンピオン決定戦(5分3R)」。

 前王者・安藤達也が初防衛を果たし、今後の目標を世界タイトルに絞ることを理由に王座返上。第10代環太平洋バンタム級チャンピオン決定戦として、両者がベルトを争う。

 小野島はこの2年、よしずみと一條貴洋に判定勝ち、石井逸人と野尻定由にドローと負けなしで抜群の安定感を誇り、インフィニティリーグでも2勝2分。ポイント差で優勝とはならなかったが、長らくバンタム級のトップに君臨する実力者。デビュー13年目を迎え初のタイトルショットに挑む。

 対するは毎回泥試合となり、バンタム級で“最も戦いたくない相手”と言わしめる“ゾンビ”藤井伸樹。この2年では田丸匠に判定負けも後藤丈治、加藤ケンジに判定勝ちで2連勝中だ。超攻撃型+無尽蔵なスタミナを誇り、試合開始から終了まで常に動き止めない“アンストッパブル”が、顎骨折の大怪我から約1年ぶりの復帰戦でベルトに王手をかける。

 修斗最激戦区のバンタムで一つ抜きん出るのは小野島か? 藤井か?

 最終ラウンドまで終わることのないエンドレスファイトが予想されるメインイベントに向け、小野島は「藤井選手と僕は似ているタイプ。気持ちの勝負、意地の張り合いだったら絶対に負けません」と語った。

帰ってきたのは、この環太平洋のベルトを巻くため

──小野島選手は2009年のデビュー以来、環太平洋タイトルへは2度目のチャレンジとなります

「そうですね。最初が2014年の根津優太選手との決定戦でした。それも根津選手とは3度目の対戦という非常に厳しい状況での初挑戦でした。今回約7年ぶりのチャンピオンシップです」

──初めてのチャンピオンシップの後、小野島選手は2014年に膝に大怪我を負ってから長期欠場することになります。

「VTJ6thでの佐藤将光戦の前に前十字靱帯を断裂し、試合には出たもののそれから手術して、自分のジムのオープンも重なり3年のブランクを作りました。2017年に一度復帰するんですが、もう一店舗のジムオープンの為、また2年近くのブランクを作り、2019年から本格復帰となりました」

──ただ復帰してからの勝率が凄いです。19年からは7戦して負けは1試合のみ。

「僕を取り巻く色々な状況が好転したことも大きいと思います。今はCWDというジムを吉祥寺と東中野で2店舗を経営をしています。このジムオープンと怪我の欠場時期が合わさった事が好転して事業の準備も、身体の準備も整った感じです」

──現在の状況も踏まえて、好調の要因なんでしょうね。

「はい、有難いことです。スタイルも見直して、打撃重視のスタイルからオールラウンドに動けるようにもなりました。怪我も完治してようやく動けるようになったのもここ3年のことですからね。38歳、今が一番いい状態です」

──それもあってインフィニティリーグは2勝2分の負けなし。優勝は石井逸人選手となりましたが、その石井選手とも引き分けました。

「今回も出させて頂き本当に良かったです。結果的には引き分けてますが、自分の中では全ての試合、勝っていると思っています。ただあの試合を引き分けと判断された事、どこをポイントとして見られたのか、判定の流れなど勉強させていただくいい機会になりました。この経験があったからこそ、昨年10月のROAD TO ONE(山本聖悟戦)で勝つことができましたし。様々な面で一段上がれる事ができたと感じられました」

──そしていよいよ環太平洋王座に手が届くところまできました。藤井伸樹選手とのタイトルショットです。藤井選手は“ゾンビ”や“最も戦いたくない男”などと言われています。

「面白い選手ですよね、試合は全て見てます。というか何度も何度も見てチェックしています。皆さんが思い描いてる通りのイメージを僕も抱いていますよ。疲れるだろうな、しつこいんだろうなって(笑)。でも対戦相手としてオファーが来た瞬間にそれが無くなるんです“大丈夫、勝てる”って。バチっとスイッチが入りますね。今はむしろやりたい感じが出てきます。ただしつこいだけの選手とは思っていないです。しっかりした基礎もあってのものですから、上手い選手という印象です」

──なかなか予想がつかないです。

「藤井選手と僕は似ているタイプだと考えています。今までの対戦相手はストライカーが多かったように思います。僕みたいなタイプとやるのは久々なんじゃないでしょうか。似た者同士がぶつかり合うので、自分としてもどうなるのか予想がつかないです」

──藤井選手は誰もが嫌がるタフネスです。決して“参った”とは言わないでしょうね。

「そうですね、お互いに意地の張り合いになると思います。気持ちの勝負を皆さんには見て頂きたいです。気持ちの勝負、意地の張り合いだったら絶対に負けませんので。絶対に負けません! 僕はこのベルトが欲しくて欲しくてたまらない。その想いは誰にも負けないし、歴代王者、今のランカーの中でも一番だと自負しています。5年ものブランクを作ってでも、帰ってきた理由はこの環太平洋のベルトを巻く為でした。1度目のチャンスを掴めなかった僕が、7年間かけて目指したものにようやく手が届くところまできました。アマチュアから修斗一筋で、この中で1番になる事だけを目指してきました。僕がこのベルトを獲らなければならないと思っています」

──強い決意を感じます。オファーから返答までも早かったと。

「当たり前です、即答です。覚悟はできてましたので悩むことなんてありませんでした。死に物狂いで、何がなんでも獲りにいきます」

──キッチリ勝負つけて、ジムのメンバーにもベルトを見せたい。

「正直、今回ばかりはベルトを獲って誰かに見せるとか、誰かの為になんて一切考えていません。自分を肯定するだけの為に戦います。僕が登りたかったのはこの山で、修斗のベルトです。このベルトを巻かなければ区切りがつかないし、次に何も始められない。“俺はこれまでのことをやってきたんだ!”とベルトを巻いて噛み締めたいと思います」

──ファンにもその想いは伝わると思います。

「今回、いいカードが並んでる中で、初めて後楽園ホールのメインに立たせてもらいます。面白い試合になるかどうかは自分でも分かりません。ただ、ベルトへの強い想いをぶつけ合う僕と、藤井選手との意地の張り合いを楽しんでください。格好つけるようなことも言わないし、見せられないですが、このベルトへの想いが皆さんにも伝わればと思います」

◆小野島 恒太/KOTA ONOJIMA
環太平洋バンタム級1位
[所属]CWD[出身]東京都[身長]165cm
[生年月日]1983年9月17日(38歳)
[戦績]21戦14勝(1S・2KO)4敗3分
[SNSアカウント]@kotigerman

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