落ち着いてハキハキと質問に答えた伊澤。自信にも満ち溢れていた(C)RIZIN FF
2021年12月31日(金)さいたまスーパーアリーナ『Yogibo presents RIZIN.33』にて、RIZIN女子スーパーアトム級(-49.0kg)5分3RでRIZIN女子スーパーアトム級王者・浜崎朱加(AACC)と対戦するDEEP JEWELSストロー級王者・伊澤星花(フリー)が26日(土)公開練習を行った。
伊澤は相撲の立ち合いから入り、柔道の投げを連発すると次にタックルの打ち込み。それが終わるとミットでの打撃を見せ、ワンツー・左フック、右の三日月蹴りなどを繰り出した。
これは「最初の動きは自分のバックボーンを表していて、あとは最近頑張っている打撃の練習を見せたいなと思ってさせていただきました」というもの。伊澤は小学生から柔道とレスリングを始め、レスリングでは2012年ジュニアクイーンズカップ52kg級準優勝、2012年沼尻直杯全国中学生選手権女子57㎏級で優勝。柔道は高校2年生の時にインターハイ3位と全国選手権5位に入賞。2019年東京学生柔道体重別選手権女子52kg級では準々決勝まで進出している。さらに女子相撲にも出場し、2019年の全日本選手権で準優勝している。
打撃に関しては「前回ストライカーの相手とやらせていただいてその時に凄く練習したので、そこで打撃のレベルも上がっているかなと思います。打撃はパンチだけ、蹴りだけにこだわらず、全体的に使ってパンチと蹴りを混ぜていくのが自分の中では得意かなと思っています。自分の中では確立できているかなって思います」と言い、K-ClannとKIBAマーシャルアーツクラブで学んでいる。K-ClannではRIZINフェザー級王者・牛久絢太郎、KIBAではDEEPライト級暫定王者・大原樹理と昇侍とも練習しているという。
12月9日に行われた対戦発表記者会見では「初めて記者会見に出たので凄く緊張しました。事前に喋ることを考えて、一生懸命何回も練習して喋りました」とはにかむ伊澤。昨年の大晦日は何をしていたか聞かれると「家で家族といっしょにテレビを見ながら過ごしていました」と答える。
コンディションは「いま凄い絶好調」で、減量は「昨日の夜に49.7kg(女子スーパーアトム級は-49.0kg)くらいだったのでいい感じだと思います。いつも水抜きしないで落としているので今回もそうします」と水抜きに頼らず減量しているとした。
DEEP JEWELSストロー級は-52.2kgだが「むしろ腹筋もちょうどよく割れて。ストロー級だと減量がないのでいつも通りの身体なんですけれど、スーパーアトムにすると腹筋がちょっと割れるので楽しみにしていてください(笑)」と減量のキツさはないとする。
改めて浜崎の印象を聞かれると「ずっとベルトを持っていることもあって穴がない選手だと思います。ジョシカクのエースだなって凄く尊敬しています」と評し、「なかなかこんな5戦目で王者と出来ることなんてないと思うので本当に光栄だと思っています。プレッシャーは全然ないです。自分の中のビジョンとしてRIZINに出ることを最初の目標としてやってきたので、目標通りここで勝ってジョシカクを引っ張って行きたいので自分の中ではプラン通りです」と、プラン通りだと話す。
それは勝算があるとのことかと問われると「勝算はやってみないと全くわかりませんが、半々だなって想いはあります」と答えた。
「私の強みとしてスタミナがあることが一番だと思うので、3R通して自分が常に攻め続ける、そこに勝ち目があるかなと思います。浜崎選手は寝ても立ってもどこでも強いので、その中で体力を削ってそこから穴がないなりにも小さい穴でも突いていける試合展開にしたい」と粘って穴を作りたいと言い、「極める自信はあります。期待してください」とキッパリ。
「浜崎選手は特化型と言っていいのか分かりませんが、腕十字とアームロックが強いなって印象があります。私はそうじゃなくていろいろな技を組み合わせながらやっていくグラップリング力があるなというところに違いがあると思います。試合の中でこれが得意というのはないんですが、どんなポジションからでも仕掛けていけるところに自分の強さがあると思っています」と、浜崎と自分とのグラップリングの違いも解説。「牛久選手に続きたいと思います」と、牛久が斎藤裕を降したように番狂わせを起こしたいと言い放った。
前回のパク・シウ(大晦日でRENAと対戦)戦では、「レベルが上がってくるとストライカーの選手でも寝かせて漬けるのが難しいので、そこから寝技に持っていくのは難しいなと学びました。しっかり漬ける練習とか漬けて自分の寝技に持っていく展開を作る練習をしてきたので、レベルが少し上がったかと思います」ということを学んだ。
浜崎を塩漬けにするつもりか、と聞かれると「いや、そうではなくまず寝技をしたいなら立ってくる選手はまず寝かせておかないと自分の展開を作れないので、そうなると技にもいけないのでしっかり寝かせるところ。そこから自分の展開に持っていくことをしていきたいと思います」と、あくまでも最終的に極めるためにしっかり漬けたいのだという。
公開練習でもはきはきとした語りで明るい伊澤。全く緊張しないのかと思いきや「そんなことないです。ちゃんと緊張しています」と言うが、「入場のイメージトレーニングをしているので、音楽が流れてって考えると楽しみなだって」と大会場での試合でも臆するところはなさそうだ。
17LIVEの視聴者からは、どんな年始を迎えたいか聞かれると「減量中でクリスマスですがケーキを我慢してフルーツ食べているので、年始はケーキをたくさん食べたい」と笑い、何歳まで格闘技を続けるつもりかとの質問には「世界一になりたい目標があるのでそこにたどり着くまではやりたいと思います」とする。
そして「ヌルマゴメドフ選手(元UFC世界ライト級王者)のようなずっと攻め続けるような選手になりたいと思っています。浜崎選手はジョシカクを引っ張て来てカッコいい選手ですが、そこで怖気づかずに自分から攻めていって自分から展開を作る試合にしたいと思います。入場から試合、そして退場まで最後までアグレッシブに元気に、みなさんに勇気や感動を与えらえるような姿勢を見せていきたいので、最後まで楽しんでいってください」と、堂々とコメントした。