シュートボクシング
インタビュー

【シュートボクシング】7年ぶりの戴冠を狙う伏見和之「今回必ずベルトを獲って日本最強を決める戦いに仲間入りしたい」

2021/12/24 21:12
 2021年12月26日(日)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2021 Champion Carnival』にて、SB日本バンタム級王座決定戦で同級2位・伏見和之(RIKI GYM)と王座を争う同級3位・佐藤執斗(グラップリングシュートボクサーズ)のインタビューが主催者を通じて届いた。  両者は昨年2月に対戦し、接戦の末に伏見が判定勝利を収めている。返り討ちを狙う伏見に対し、佐藤がリベンジに成功しベルト奪取するのか。 相手は僕が一番倒されるパターンの攻撃を出してくる ――タイトルマッチが近づいてますが、調整はどうですか? 「めちゃくちゃいいです。今回10カ月ぶりの試合ですが、最近、試合間隔が1年に1試合になっていて、リングに上がって相手と向きあえばさすがに試合経験は豊富だけに特に気になることはありません」 ――試合感覚を失わないために普段の練習から激しいスパーをやっているんですか? 「そうですね。バチバチやっています。50戦以上やっているだけに僕はダメージの蓄積があり、試合解説をしている大江(慎)さんとRENAちゃんがいつ倒れるのかを楽しみにしているんです(苦笑)。会えば『伏見は打たれるとすぐに倒れる』といつもいじられてしまいます(笑)。実際、それぐらいダメージは溜まっていて、前回の試合前はスパーも週にやるかやらないかの頻度でやっていて、対人はマススパーでバテない程度で軽くやるぐらいでした。今は週3で3分5Rのスパーを必ずやるようにしています。スパーはダメージを心配してやっていませんでしたが、やはりスパーは大事ですね。やっていた方がモチベーションもテンションも上がります。これからもダメージを気にしないでやっていこうと思います」 ――今回対戦する佐藤執斗選手の独特な動きを真似してもらってのスパーもあるんですか? 「みんな真似してくれています。一回彼とはやっていて(2020年2月15日)、めちゃくちゃトリッキーな動きすぎてやりにくく、攻撃が読めませんでした。凄く言い方は悪いのですが、リスペクトを込めて彼の動きは“プロ素人”ですよね。戦っているリングはプロで、結果はしっかり残していますが、あの動きがプロ選手のお手本になるのかと言われたら絶対になりません。実際にやって強い、巧いというのを感じることはなく、『えっ、何で今の攻撃をもらった?』という、見えないところからわけのわからない攻撃を受けてしまい、僕が一番倒されるパターンの攻撃を出してくるんですよね(苦笑)。でも僕は顎にデコピンされただけで倒れるのに、彼は僕を倒し切れてないので技の威力はないです。2Rに僕は効かされた攻撃があったのに僕は立っていたんです。そのパンチは全く見えていないもので、それでも僕は倒れなかったので、パンチ力はないと思います。決して彼のことをバカにしているわけじゃないですよ」 ――再戦でタイトルを懸けて争うことに関してはどうですか? 「佐藤選手は誰とやってもいい勝負をするじゃないですか。そして後半になると失速して絶対に負けているんです。何でみんな苦戦しているんだろうと疑問に思って実際にやってみたら僕も苦戦してしまいました。今回、再戦でタイトルマッチだったのが良かったです。もしこれが初対決でタイトルマッチだったら、あんまり練習しなかったぐらい、なめていた相手だったと思います。一回やっているだけに今めちゃくちゃ練習しています」 ――2014年2月にSB日本スーパーバンタム級タイトルを獲得して以降、その後も何度かSBのタイトルに絡んだ試合をしていますが、SBへのタイトルに対する想いは強いですか? 「想いは強いですが、勝ったら付いてくるといった感覚ぐらいです。今、色んな団体がありすぎて日本チャンピオンって各階級に20人ぐらいいるじゃないですか。『強いやつとやりたい』と言うのは簡単ですけど、チャンピオンと戦っていくにはまずは自分がチャンピオンにならないといけないので、そのためにベルトが必要だと思います。やっているからには本当の日本一になりたい。先日、RISEの53kgトーナメントがあって、あれだけチャンピオンクラスの選手が集まって風音君が優勝したのを見て凄いなと、奮い立つものがありましたね。ああいう戦いの中に自分は入りたいので、そのためにはベルトを持っていないと出られないと思っています」 ――海人選手、植山征紀選手が他団体に出ている状況も嫉妬はありますか? 「そうですね、刺激をかなり受けています。『俺が出た方が絶対に面白い試合はできる』という想いもかなりあります。RIZINに出ているぺーぺーの選手を見ると、なんでそういう選手を出すんだ? と思うのですが、今僕もぺーぺーです。過去の栄光にいつまでもすがっているわけにはいかないので、今に見とけよと。最初から俺を出しとけば良かったと思わせたいですね」 ――いまだ強くなっている自信はあります? 「ありますね。練習だと強くなっている実感はありますけど、今は結果を残せていないので、練習番長の状態です。今、疲労が凄く溜まっている状況でこの疲労が抜けたらどうなんだろう? と楽しみですし、自信はあります。30歳になってもまだ強くなってますし、周りはみんな若いので若いやつには負けたくないですね。僕は17歳でプロデビューしたのですが、当時は異例だったんです。その時に僕は上の年齢の選手とばかりやっていて『おっさん、早く下がってよ』という心境でしたが、今は逆の立場になりました。ポスターに載っている選手の平均年齢をめちゃくちゃ上げているのでごめんなさいという感じなんですが、次でもう一回ベルトを獲って、また下から上がってくる選手を蹴落として“まだまだどかないぞ”という意地を見せます」 ――来年、ベルトを獲ってからの展開が楽しみですね。 「そうですね。SBでも他団体でも日本一を決める戦いの場があるならば、そこに俺も入れてくれとアピールしたいですね。俺は今一番下の位置にいて、ベルトを獲ったとしても俺から『日本一を決める戦いをしようよ』とはまだ言えないので、頭を下げてでも加わりたいです(笑)。今回、53kg級で評価の高い川上(叶)君のタイトルに挑戦できると思ってめちゃくちゃ気合いが入っていて、ここで川上君に勝てば凄く自信になれる、一気にトップ戦線に食い込めると思っていたのですが、彼は階級を上げてしまいました。でもベルトを獲れるチャンスであることに変わりはないので、今回必ずベルトを獲って日本最強を決める戦いに仲間入りしたいと思います」 ――最後にファンにメッセージを。 「30歳になって新しいスタイルも身に付けました。今回殴り合いはせず、僕の一方的な戦いになります。昔の暴れん坊な伏見ではなく、スマートな戦いをする伏見に注目して下さい」
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