2021年12月18日(日本時間19日)米国ラスヴェガスのUFC APEXにて、2021年最後の大会となる「UFC Fight Night: Lewis vs. Daukaus」が開催された。
プレリミナリーに出場予定だった現DEEP&LFXバンタム級王者のビクター・ヘンリー(米国)が新型コロナウイルス検査で陽性となり、ハオニ・バルセロス(ブラジル)との試合は中止となっている。
▼ヘビー級 5分5R〇デリック・ルイス(米国)26勝8敗(UFC17勝6敗)[1R 3分36秒 TKO]×クリス・ドーカス(米国)12勝4敗(UFC4勝1敗)
ヘビー級3位のルイス、7位のドーカスはUFC4連続KO勝利中。ルイスは『UFC 265』でシリル・ガーヌに3R TKO負けして以来の試合。ドーカスは『UFC 266』でシャミル・アブドゥラヒモフに2R TKO勝ちしたばかりで現在5連勝でUFC4連勝中だ。
1R、ともにオーソドックス構え。先に圧力をかけるルイス。ドーカスはスイッチしながらサークリング、右ローを蹴る。ドーカスの入りに右のカウンターを狙うルイス。
右ローを蹴るドーカス。しかし左の二段蹴りを打つルイスは一気に詰めて左右ラッシュ! クリンチに持ち込もうとするドーカスに首相撲右ヒザ、右フックを連打し、その強打にドーカスは失神、そのまま崩れ落ち、レフェリーがすぐに間に入った。
1R衝撃勝利を決めたルイスは、試合後「KO数ナンバーワンのファイターになれて嬉しいよ。本当にいい気分だ。これがやりたかったことなんだ。5Rはいらないよ。タイトルマッチをやりたいね。3Rでいいなら呼んでくれ。5Rなら電話してこなくていいさ」と真顔でいつものデリック節を炸裂させた。
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▼ウェルター級 5分3R〇ベラル・ムハマッド(米国)20勝3敗(UFC11勝3敗)[判定3-0] ※30-25, 30-26×2×スティーブン・トンプソン(米国)16勝6敗(UFC11勝6敗)
ウェルター級5位のトンプソン、10位のムハマド。ウッドリーの王座に2度挑戦経験のあるトンプソンだが戴冠ならず。その後、3勝3敗。2021年7月の前戦ではギルバート・バーンズにテイクダウンを奪われ判定負け。
対するムハマドは、2019年1月のジェフ・ニール戦の判定負け以降は5勝1NC。2019年9月に佐藤天にリアネイキドチョークで一本勝ち。2021年3月のレオン・エドワーズ戦では、2Rにエドワーズのアイポークでノーコンテストも、6月にデミアン・マイアのテイクダウン狙いを切って判定勝ちをマークしている。
1R、オーソドックス構えからすぐに詰めるムハマド。サウスポー構えのトンプソンは右前足で高いサイドキック。前足にシングルレッグをハイクロッチで持ち上げ、前方に崩すムハマドだが、手を着いて倒されないトンプソン。しかし、APEXのフルサイズではないオクタゴンで詰めるムハマドはダブルレッグでトンプソンに片ヒザを着かせ、左足を両足で挟み引き出し左手で顔面にパンチ。左で小手に巻くトンプソンも右でパンチを返す。
足を抜き体を入れ替えるトンプソンは金網に詰めて右で差すが、左で強い小手に巻くムハマドは体を入れ替え、ダブルレッグ。尻を着かせると、トンプソンの立ち際にボディロックからリフトしテイクダウン! そのままバックマウントを奪い、背後から鉄槌、パウンドを連打するムハマド! 残り30秒をトンプソンは亀になり頭を抱えて防御。ブザーを待つ。レフェリーを見やるムハマドだが決め切れず。
2R、左で差して腰を抱いて持ち上げ、腰に乗せて前方に崩してテイクダウンはムハマド。ハーフからキムラクラッチでストレートアームバー狙い。そのプレッシャーで足を抜きサイドになるが、再び片足をからめるトンプソだがヒジを浴びる。
3R、またもすぐに詰めて恐るべきレスリング力でテイクダウンを奪い、ニアマウントとなるムハマド。片足立ちのトンプソンは正対して立ちがるとノーアームギロチンチョークからがぶりへ。しかし首を抜き、ダブルレッグでドライブするムハマドがケージ中央でテイクダウン! マウント、サイドとコントロールし、クルスフィックスからのパウンド! ハーフに戻したトンプソンは潜ろうとしたところでブザー。
判定は大差3-0でムハマドが勝利。2年3カ月間、負け無しのムハマドは「今、感じているのは……カマル・ウスマン、彼とのタイトルマッチだ。レオン・エドワーズは、まだやり残したことがある。ブリーBはブギーマンだ。ワンダーボーイをああやって倒したのは誰もいない。今、自分はこの階級で一番調子のいい選手だ」とタイトルショットを希望した。
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▼女子ストロー級 5分3R〇アマンダ・レモス(ブラジル)11勝1敗(UFC5勝1敗)UFC5連勝[判定2-1] ※28-29, 30-27, 29-28×アンジェラ・ヒル(米国)13勝11敗(UFC8勝11敗)
女子ストロー級11位のレモスはUFC4連勝中、12位のヒルは直近4戦では1勝3敗。2021年8月の前戦ではテイシア・トーレスに判定負け。
1R、ともにオーソドックス構え。ヒルの右の打ち終わりに左を狙うレモスは、右前蹴りでダウンを奪う! クローズドガードのヒル。足を解き、下からダブルレッグで上を取り返す。そこにギロチンチョークを合わせるレモスだが、対角に足を逃すヒルは、スタンドで長い右をヒット!
2R、詰めるヒルは右の打ち返しをヒット、左を返すレモスにシングルレッグで詰めるヒル。体を入れ替えるレモスは右で差して押し込み、ヒルはヒザを突く。激しいケージレスリング。右で差して押し込むヒルは首相撲ヒザ! ワンツーの右はヒル。レモスの大きな左を潜り、ボディロックしたところでブザー。
3R、またも右前蹴りを当てるレモス。シモンの蹴りの距離を詰めてテイクダウンを奪うヒル。シモンの立ち上がりにスタンドバックから足をかけて崩しに行くが、捨て身となりシモンが上になりかけるがヒルもすぐに立つ。右を振るシモンにカウンターのダブルレッグから小外でテイクダウンはヒル。すぐに立ち上がるシモンは左ミドル。右ストレート。左ハイを返して前に出るハイは詰めて右のバックヒジ! 尻餅をついたレモスだがすぐに立ち上がるヒルは一気に前へ出てラッシュ!
前戦同様にテイクダウンゲームを仕掛けつつ、3Rにフラッシュダウンを奪ったヒルだが、前蹴りでダウンを奪うなど打撃が評価されたかシモンがスプリット判定勝利した。
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▼バンタム級 5分3R〇リッキー・シモン(米国)19勝3敗(UFC7勝2敗)UFC4連勝[2R 2分14秒 KO] ※グラウンドでの右アッパー×ハファエル・アスンソン(ブラジル)27勝9敗(UFC11勝6敗)
バンタム級12位のアスンサオとノーランカーながらUFC3連勝中、テイクダウン強者のシモン。
1R、オーソドックス構えのシモンと、サウスポー構えのアスンソン。シモンの左の蹴りがローブローとなり中断。再開。オーソドックス構えになるアスンソン。右カーフキックのアスンソン。金網詰めるシモンはダブルレッグで尻下でクラッチしテイクダウン! 足を効かせて立ち上がるアスンソンをなおもシングルレッグで崩すシモンは再びダブルレッグに切り替え持ち上げる。そこにギロチンチョークを合わせるアスンソンをテイクダウンし首を抜くシモン。ハーフガードのアスンソンの立ち際に左足をかけバックをうかがう。右でオーバーフックし、腕十字狙いからスイープを狙うアスンソン。
2R、ともにオーソドックス構え。アスンソンは右ローから左ミドルも。ジャブ、前蹴りのシモン。右ロー、右フックで間合いを詰めてタックルに入るがアスンサオが切る。なおも詰めるシモンは右から左アッパー、右フックを当ててダウンを奪うと、金網に上体を立てたアスンソンにグラウンドで右アッパー! すぐにレフェリーが間に入った。シモンはUFC4連勝。
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▼ライト級 5分3R〇マテウス・ガムロ(ポーランド)20勝1敗(UFC3勝1敗)[2R 3分26秒 TKO]×ディエゴ・フェレイラ(ブラジル)17勝5敗(UFC8勝5敗)
ライト級12位のフェレイラと、ノーランカーのガムロ。ノーギでも実績のある両者。6連勝から、ベニール・ダリウシュ、グレゴー・ギレスピー相手に2連敗中のフェレイラに対し、ガムロはスコット・ホルツマン、ジェレミー・ステフェンズ相手に2連勝中。KSW時代にはクレベル・コイケ相手にも判定勝利し、フェザー級王座を獲得している。
1R、サウスポー構えのフェレイラは右カーフキック。オーソドックス構えのガムロ。低いシングルレッグに入るガムロだが、すぐに足を効かせるフェレイラは立ち上がる。なおもシングルレッグで尻を着かせるガムロ。胴を抱え広報に回すフェレイラ。前転してサイドに回るガムロだが、ここもフェレイラはすぐに足を戻して、蹴り上げから立ち上がる。
ともにオーソドックス構えに、打ち合いのワンツーで勝るのはガムロ、フェレイラはカーフキックを返す。しかしなおも前足にシングルレッグテイクダウンはガムロ! フェレイラはニーシールドでスペースを作り、すぐに立ち上がる。スタンドで前手の右を振るフェレイラ。
2R、フェレイラの入りに右を狙うガムロ。フェレイラの打ち終わりにシングルレッグもスプロールするフェレイラ。ワンツーを当てると、ガムロはシングルレッグ、フェレイラの立ち上がりをすぐにかち上げてテイクダウン! しかしここもフェレイラはニーシールドから腰を逃がして蹴り上げで立ち上がる。
なおもシングルレッグで2度尻を着かせるガムロ。その都度立ち上がるフェレイラ、立ち際にバックについたガムロは片ヒザを着いたフェレイラの背後からヒザを脇腹にヒット! フェレイラは右手を挙げて続行不可能の意志表示。気づかないガムロは足をかけずにパームトゥパームでリアネイキドチョークへ。その途中でレフェリーが間に入った。
UFC3連勝し「娘の誕生日なんだ」と喜びを表したガムロは、「あのヒザはジムの仲間から授かったもの。この階級のすべての選手と戦える。コナーがノートリアスと言われてたのは5年前だ。チャンドラーはコナーとやりたいと言っていたけど来年、俺とどうだい? 自分はいつでも大丈夫なように練習しているからいつでも試合をしたい」と勝利のコメント。
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▼フェザー級 5分3R〇カブ・スワンソン(米国)28勝12敗(UFC13勝8敗)[1R 2分12秒 TKO]×ダレン・エルキンス(米国)26勝10敗(UFC16勝9敗)
スワンソンはノーモーションの右ストレートで最初のダウンを奪うと、左フック、右フック、左フックの連打に2度目のダウン奪取。なおも立ち上がるエルキンスを金網に詰めて右後ろ廻し蹴り! エルキンスの足が泳ぎ前方に崩れたところでレフェリーが間に入った。
フェザー級最年長38歳のスワンソンが、37歳のエルキンスをTKO。5月のギガ・チカゼ戦のKO負けから再び再起し、双子と娘たちをケージの中に招き入れた。
スワンソンは「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」を受賞。
【プレリム】
▼ミドル級 5分3R〇ジェラルド・マーシャート(米国)34勝14敗(UFC9勝6敗)[3R 2分58秒 リアネイキドチョーク]×ダスティン・シュトルツフス(米国)13勝4敗(UFC0勝3敗)
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▼ヘビー級 5分3R〇ジャスティン・タファ(豪州)5勝3敗(UFC2勝3敗)[1R 1分53秒 TKO] ※左ハイ×ハリー・ハンサッカー(米国)7勝5敗(UFC0勝2敗)
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▼女子フライ級 5分3R〇メリッサ・ガット(ブラジル)8勝0敗(UFC2勝0敗)[3R 0分45秒 TKO] ※前蹴り→パウンド×シジャラ・ユーバンクス(米国)7勝7敗(UFC5勝5敗)
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▼フェザー級 5分3R〇シャルル・ジョーデイン(カナダ)12勝4敗(UFC3勝3敗)[判定3-0] ※30-26, 30-27, 29-27×アンドレ・イーウェル(米国)17勝9敗(UFC4勝5敗)
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▼女子フェザー級 5分3R〇ラケル・ペニントン(米国)13勝8敗(UFC10勝5敗)[2R 3分07秒 ギロチンチョーク]×メイシー・チアソン(米国)7勝2敗(UFC5勝2敗)
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▼ヘビー級 5分3R〇ドンテイル・メイエス(米国)9勝4敗(UFC2勝2敗)[3R 3分26秒 TKO] ※クルスフィックスからヒジ×ジョシュ・パリジアン(米国)14勝5敗(UFC1勝2敗)
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▼ライト級 5分3R〇ジョーダン・レビット(米国)9勝1敗(UFC2勝1敗)[2R 2分05秒 横三角絞め]×マット・セイルズ(米国)8勝4敗(UFC1勝3敗)
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【中止】バンタム級 5分3Rハオーニ・バルセロス(ブラジル)16勝2敗(UFC5勝1敗)ビクター・ヘンリー(米国)21勝5敗(UFC0勝0敗)
※ヘンリーに新型コロナウイルスの陽性反応が出たことから直前で中止(※ヘンリーは3回テストし、2回パスしていた)