キックボクシング
レポート

【RISE】直樹がKO勝ちで締めくくる、秀樹がKO勝ちで白鳥大珠に宣戦布告「逃げるな」、RYOTAROが緑川創に大番狂わせの勝利、erikaがAKARIを延長戦で振り切る

2021/12/12 20:12
RISE1532021年12月12日(日)東京・後楽園ホール ▼メインイベント Super Fight! スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1R〇直樹(BRING IT ONパラエストラAKK/第7代RISEライト級王者)KO 3R 0分46秒 ※パンチ連打×ジャルンチャイ・ライオンジム(タイ/LION GYM/元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者、元WBCムエタイ世界ライト級王者)  直樹は伝統派空手出身で、2015年RISING ROOKIES CUPスーパーフェザー級で優勝後、独特の間合い操作と当て感の良さでRISEライト級の上位選手として長く活躍。2019年11月にはムエタイ大会『スックワンキントーン』でスーパーライト級王座決定戦に勝利し、プロ初戴冠を果たした。2020年10月の「RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」では準決勝で優勝候補の白鳥大珠を1R1分30秒、ヒザ蹴りによるTKOで破る番狂わせを演じ、決勝では原口にKOで敗れるもインパクトを残した。今年1月には秀樹を破り悲願であった第7代ライト級王座に就き、9月には白鳥と再戦して延長戦の末に白鳥を返り討ちにしている。戦績は18勝(9KO)5敗。  ジャルンチャイはラジャダムナンスタジアム認定ライト級王座、WBCムエタイ世界ライト級王座を始め、5冠王に輝いたムエタイの名選手。日本でも石井宏樹(2005年8月)、小林聡(2006年11月)らと対戦してその名がムエタイ・キックボクシングファンに広く知られている。また、石井宏樹とT-98がラジャダムナン王座を奪取した際にはトレーナーを務めており、指導者としても手腕を発揮した。  現在は大阪・梅田にあるLION GYMでトレーナーを務めており、大阪の大会でエキシビションマッチを行っているようだが、11月20日(土)沖縄アリーナ『Yogibo presents RIZIN.32』での皇治の対戦相手が公募されるとジムを通じて立候補。スパーリング動画をアップしてアピールしたが落選した。  1R、ステップを踏む直樹はジャブ、前蹴り、左三日月蹴り、さらに左ボディ。ジャルンチャイは左フックを強打する。直樹は右カーフキックも狙い撃ちし、ジャルンチャイは左ミドルを蹴り返すがバランスを崩す。  2R、かなり表情が険しくなったジャルンチャイ。直樹はジャブを打ち、左三日月、右カーフを蹴る。ジャルンチャイは左フックを空振り、身体が泳いだところへ直樹が右フック。ジャルンチャイも左右ローを蹴り、左フックを打つが、パンチは空振りさせられリターンで直樹の右をもらう。ジャブから右アッパーを直撃させる直樹だが、ジャルンチャイは前へ出てくる。  3Rも前へ出てくるジャルンチャイ。右ローを蹴って左フックを繰り出す。これに下がった直樹だが、ジャルンチャイの左フックへのカウンターの左フックで鮮やかにダウンを奪う。最後は左アッパーと右フックの連打でめった打ち、ジャルンチャイはコーナーで防戦一方となり、レフェリーがストップした。  マイクを持った直樹は「今年1年RISEを応援してくれた皆さん、ありがとうございました。今年最初の大会でメインをさせていただいて、ラストもメインでやらせてもらってありがとうございます。来年はコロナの状況次第でどうなるか分かりませんが、外国人がちょっとずつ入ってくるみたいなので、来年はvs世界で戦っていきたいと思います」と、直樹で始まり直樹で終わった今年のRISEを締めくくるコメント。  そして「RISEもですが、僕のジム、森本“狂犬”義久も復帰するし、若手の選手もどんどんアマチュアの女子も男子もプロに上がって活躍すると思うので、BRING IT ONパラエストラAKKの応援・注目をぜひよろしくお願いします。最後にKOできてよかったです。来年もよろしくお願いします」と、チームをアピールした。 [nextpage] ▼セミファイナル -63.3kg契約 3分3R延長1R〇秀樹(新宿レフティージム/ライト級1位、K-1 REVOLUTION FINAL -65㎏級世界王者)KO 2R 1分33秒 ※右バックハンドブロー×ウザ強ヨシヤ(FIGHT CLUB 428/2017年度J-NETWORKライト級新人王)  秀樹はフィジカルの強さを活かしたパワフルな打撃でRISEライト級のトップクラスに君臨。2019年2月には白鳥大珠と第5代ライト級王座決定戦を争っている(白鳥がTKO勝ち)。また、『KNOCK OUT』のスーパーライト級トーナメントでも準優勝を果たした。2020年1月、原口健飛とRISEライト級王座決定戦を争ったが、1R2分23秒、KO負けを喫して悲願だった王座獲得ならず。2021年1月にも直樹とRISEライト級王座決定戦を争ったが判定3-0で敗れた。5月にはNJKFスーパーライト級王者・畠山隼人に判定勝ち。今回はそれ以来、7カ月ぶりの試合となる。戦績は20勝(10KO)5敗。  ヨシヤはJ-NETWORK新人王トーナメントで優勝し、2018年7月の『RIZIN』で計量前日のオファーにも関わらず海人と対戦して話題に。さらに同年の大晦日には白鳥大珠とダウンを奪い合う熱戦を見せてTKO負けした。その後、フジテレビに就職して引退かと思われたが、今回3年ぶりに復帰。自身のSNSでは「ADしながら3年ぶりの試合で世界王者と戦えるやつ他に誰がいる? みんなが絶対負けると思いながらも心のどこかで期待してるのわかってるよ。もう今から始まってるよウザ強劇場。絶対勝つからお楽しみに」と、自信満々のコメントを投稿している。  1R、サウスポーの秀樹は左ミドル、右ローで快音を響かせ、ウザ強はバックハンドブローを繰り出して何度も回転する。秀樹の圧力に下がるウザ強に秀樹は追っていくがウザ強もよく動く。  2R、飛びヒザ蹴りを放ち、ステップで動き回るウザ強。秀樹がコーナーへ追い詰めてのヒザ蹴りでウザ強が倒れ、ダウンを奪われる。立ち上がると右ストレートを繰り出すウザ強に秀樹は左ハイを空振りしてからそのまま回転してのバックハンドブロー。これが見事にヒットし、ウザ強はバッタリと倒れた。  鮮やかなKO劇で場内が拍手に包まれ、ウザ強は自力で立ち上がれないほどのダメージを負った。  秀樹はマイクを持つと「7カ月ぶりの試合でその間にたくさんの選手が活躍していて、自分もその中に入りたいと思い、ジムの少ないメンバーで工夫して練習してきました。今年1月に直樹選手に負けて、4度目のタイトルへ向けて決意を決めて挑戦しようと思っています。これで2連勝しているんですけれど先に進めず、いつになったら進めるのかなと思っています。白鳥君、逃げないで俺とやろうぜ。解説席にいるんだろ? RISEがここで決めてくれると思うので、来年は僕の年にしたいと思います」と、白鳥大珠へ宣戦布告。スクリーンに映し出された白鳥はカメラへ向かってサムズアップで応えた。 [nextpage] ▼第7試合 ミドル級(-70kg)3分3R延長1R×緑川 創(RIKIX/元WKBA世界スーパーウェルター王者)判定0-3 ※28-30×2、27-30〇RYOTARO(大原道場/ACCELミドル級王者)  緑川は2005年デビューのベテランで、新日本キックボクシング協会でミドル級王座とWKBA世界スーパーウェルター級王座を獲得。K-1 MAX世界王者アンディ・サワーにも勝利した実績を持ち、国内ミドル級最強の一角として長く君臨している。昨年7月よりRISEに参戦し、ウェルター級王者の“ブラックパンサー”ベイノアから2度ダウンを奪い強さを見せつけるも、その後は海人、憂也に連敗。今年2月に『NO KICK NO LIFE』で高木覚清に判定勝ちすると、6月の『RISE』で宮城寛克に判定勝ち、7月の『NO KICK NO LIFE』では憂也と引き分け、8月はモトヤスックに判定勝ち、9月の『BOM』では柿沼慶にKO勝ちと34歳にして4カ月連続試合に臨み、3勝1分の戦績を収めた。  RYOTAROは高校まで野球一筋で来たが、甲子園出場の夢破れてキックボクシングに転向。昨年の『ホーストカップ』大阪大会にて、DEEP☆KICKトップコンテンダーの慎太郎にKO勝利、年末の『ACCEL』でもJAPAN KICK INNOVATIONランカーの高木覚清にKO勝利してACCELミドル級王者となった。3月の『ホーストカップ』京都大会では剛王をカーフキックで1RにTKOで仕留めている。8月には『ACCEL』で西田浩樹に判定勝ち。戦績は10勝(7KO)1敗。今回は国内ミドル級トップの一角である緑川超えを狙う。  1R、左右フックの強打を繰り出し、右ミドルも蹴るRYOTARO。緑川は下がらず前へ出て右フック。ジャブを顔面とボディへ打ち、右ローを蹴る。右ローを蹴られたRYOTAROはサウスポー構えになって左ローを蹴る。  2R、パワーのあるRYOTAROは緑川とフックの打ち合いでも退かない。緑川は右でボディを狙っていく。両者のフックがブロックの上に当たって大きな音が出るたびに場内はどよめく。緑川がコーナーへ詰めての連打。しかし、ロープを背負ったRYOTAROに緑川が右を放ったところへRYOTAROがカウンターの右ストレート。これでダウンを奪う。緑川はガードを固める。RYOTAROが左右フック、右ヒザ蹴りで追い込むがラウンド終了。  3R、RYOTAROが右ストレート、ヒザ蹴り、そして左フックで緑川を追い込む。緑川は左ボディと右アッパーで応戦。前に出る緑川はボディを狙っていくが、RYOTAROも左フックの強打を返す。さらにジャブ、右ストレート。緑川へまたも右のカウンター。逆転を狙って打ち合いに行った緑川だが、逆にRYOTAROの右フックをもらって腰が落ちる。  判定は3-0でRYOTAROの勝利。RISE初参戦にして大番狂わせを起こした。 [nextpage] ▼第6試合 ミニフライ級(-49kg)3分3R延長1R〇erika(SHINE沖縄/NJKFミネルヴァアトム級王者)延長R 判定3-0 ※10-9×3×AKARI(TARGET/同級1位、ミニフライ級NEXT QUEENトーナメント 2021 優勝)※本戦の判定は29-29×3。  erikaは沖縄在住の選手で、ぱんちゃん璃奈とは練習仲間でもある。2020年8月のREBELSに参戦し、平岡琴から番狂わせの勝利をもぎ取ると10月の「RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020」に参戦。1回戦で寺山日葵を相手に猛攻を見せ、延長戦で敗れるも寺山を苦しめた。2021年2月にはNJKFミネルヴァ・アトム級の百花に挑戦し、判定3-0で勝利して王座に就いた。9月のNJKFではミネルヴァ・ピン級王者Ayaka(健心塾)とのミネルヴァ王者対決を行い、判定で勝利している。戦績は8勝1敗。3人の子供を持つシングルマザーであり、キャッチフレーズは“3児のヒロイン”。  AKARIはジュニア時代から第2代RISE QUEENなど5冠王の神村エリカに憧れ、教えを乞い神村の遺伝子を継ぐ女子高生ファイターで、2019年9月大会にてプロデビューを飾り判定勝ち、その後も宮崎若菜、RANとの女子高生対決、ベテランの後藤まきに勝利して7戦全勝。3月大会の「ミニフライ級NEXT QUEENトーナメント 2021」で宮崎若菜、大倉萌を破って優勝。RISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵への挑戦権を獲得し、5月の『RISEonABEMA』メインイベントで挑戦したが、判定3-0(49-48×3)で敗れた。9月にはJ-GIRLSスーパーフライ級王者YAYAウィラサクレックを2RにKOして再起を果たしている。戦績は8勝(1KO)1敗。キャッチフレーズは“美脚炸裂シンデレラ”。  1R、サウスポーのerikaは左ローからワンツー、AKARIは右ローを蹴って前蹴り。正面に立つAKARは左ストレートを被弾するが、下がらず右ローとジャブを返す。  2R、ワンツーを伸ばすAKARIは距離を長く取り始め、erikaのパンチに右ミドルを合わせる。さらに左ローと右インローも蹴る、前蹴りで下がらせる。erikaのワンツーをもらっても下がらないAKARIに対して、AKARIの右ストレートに下がるerika。攻撃の重さでAKARIが上回ったか。  3R、erikaが左ストレートを叩きつける。打ちながら前へ出るerikaにAKARIは前蹴りで対抗。バッティングでAKARIがドクターチェックを受けるが再開。erikaが入って来るところへ右フックを合わせるAKARI。左ミドルを蹴るerikaにAKARIも右ミドルで対抗。erikaの左ストレートを受けた直後に放ったAKARIの右ストレートでerikaがグラついたように見え、すかさずワンツーで追撃する。ワンツーで打ち合いに行くerikaにAKARIの右ストレートがヒット、erikaはパンチの手数で対抗する。  本戦の判定はドロー。延長戦へ突入する。erikaの左ストレート、AKARIの右ストレートが交互にヒット。ジャブを出し、右ローを蹴るAKARIは前へ出るが、erikaの連打を被弾する。疲れが見えるAKARIは右ミドル、右ローで必死の反撃。erikaはパンチのヒット数で上回る。  判定は3-0でerikaが勝利。要所で首相撲も使い、AKARIの体力を削っていったことが延長戦で活きたか。 [nextpage] ▼第5試合 フライ級(-51.5kg)契約 3分3R〇竜哉・エイワスポーツジム(エイワスポーツジム/ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王者、WPMFムエタイ世界ミニフライ級王者)判定3-0 29-28×2、30-29×酒井柚樹(TEAM TEPPEN)  竜哉は小学4年生でムエタイを始め、アマチュア時代は約100戦を経験して9本のベルトを巻いた。中1の時にタイでプロデビューを飾り、タイで試合(約20戦)・練習経験を積んで2018年4月に満を持して国内プロデビュー。いきなりWMC世界ピン級王座を獲得して世界王者となった。2019年7月にはタイでIBFムエタイ世界ミニフライ級王座決定戦を制して日本人3人目のIBFムエタイ世界王者となり、9月には同じくタイ・ラジャダムナンスタジアムにて日本人として8人目のラジャダムナンスタジアム王者に。凱旋試合となった12月のWPMF世界ライトフライ級王座決定戦では判定2-0で惜敗したが、2020年2月にKO勝ちでWPMF世界ミニフライ級王座を獲得。今年2月からRISEに参戦しているが、7月大会では5戦目の数島大陸にまさかのダウンを奪われてドロー。その後はRIZINでの老沼隆斗戦を含めて3連勝で、三度RISEに乗り込む。  酒井はムエタイをベースに持ち、ジュニア時代には那須川天心、武居由樹、西京春馬・佑馬と対戦。RISEを主戦場として2020年9月にはWPMF世界スーパーフライ級王者・片島聡志と引き分け、12月には5冠王の鳩とも引き分けている。5月にはKNOCK OUTのリングに乗り込んだが、濱田巧に延長戦の末に敗れた。9月にはKING TSUBASAと引き分けで、戦績を6勝(1KO)11敗4分とした。  この両者は、なんと元同門。お互いに違うジムへ移籍して拳を交えることとなった。  1R、最初はロープを背負って左ミドルを蹴っていた竜哉に酒井は右ボディストレート。徐々に距離感をつかんだか、竜哉は左ミドル、右ローを蹴り、酒井が打ちに来ると左フック。酒井も三連打でパンチを当てるが、竜哉にかわされて空振りも。  2R、竜哉はテンカオを突き刺すとジャブ、左フック。酒井は右のボディ。左ミドルと右ローを蹴り、距離を取る竜哉に酒井はパンチで入っていくが竜哉はワンツーで迎え撃つ。竜哉が距離を支配して酒井の攻撃を外し、自分の攻撃を当てた印象。  3Rになると酒井は一気に距離を詰めてフックの連打。竜哉はかわしての左ミドルを蹴る。終盤は両者足を止めての打ち合いを展開し、拍手が沸き起こる中、竜哉の判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第4試合 ライト級(-63kg)3分3R延長1R〇KENTA(HAYATO GYM/同級5位)判定3-0 ※29-28×2、30-29×大石健作(TEAM TEPPEN)  KENTAは長身を活かした豪快な攻撃が武器で、3KOを含む6連勝と絶好調を維持していたが、5月に行われた『RISE on ABEMA』で麻原将平に延長戦の末に判定負けを喫し連勝がストップ。9月は『DEEP☆KICK』に乗り込み、DEEP☆KICK-63kg王者・山畑雄摩に判定勝ちして再起を飾った。  対する大石はモヒカンヘッドで計量時にはふんどしで現れるなど、TEAM TEPPENで異彩を放つ選手。日本拳法がベースで、プロキックボクサーの他に株トレーダーの顔も持つ28歳。3連続KO勝利で勢いに乗るも、2020年12月にNKB王者の高橋聖人に判定負けを喫し連勝がストップ。2月のRISEでDEEP☆KICK-63kg王者・山畑雄摩と引き分けている。10月大会では瑠夏を3RでKOに仕留め、戦績を4勝(4KO)4敗1分とした。  1R、サウスポーの大石は序盤から左ストレート、左ボディで勝負を懸ける。KENTAも負けじと力強い右ストレートを放ち、両者フルのパンチ、蹴り。KENTAの右ローがローブローとなって一時中断、再開後もすぐに右ローのローブローでKENTAにはイエローカードが提示される。KENTAはなおも右ローと右ミドルを蹴るが、大石の左ストレート、左ボディを次々被弾。  2R、大石が右アッパーから左ストレート。KENTAは右ミドルをヒットさせるも、右ストレートをことごとくかわされる。大石はかわしての左フック。残り数秒でようやくKENTAが右ストレートをヒットさせた。  3R、KENTAの右ミドルが連続ヒット、続く右ストレートも大石を捉える。大石も左ストレートを返すと、KENTAは“効いてないよ”と首を横に振る。どんどん前に出るKENTAが右フック、左フック、右ミドルを当て、大石はフラフラに。大石も左フックを打ち返すがKENTAは顔を横に振って“効いてない”とアピールして前へ出ての右ストレート。最後は打ち合いなるが、明らかにKENTAのパンチがダメージを与える。KENTAの激しい攻めに大歓声が沸き起こった。  気迫の攻めを見せたKENTAが、判定3-0で勝利を収めた。 [nextpage] ▼第3試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R〇小野幹晃(IGGY HAND GYM)判定3-0 ※29-28×3×奥平将太(FIGHT CLUB 428/Team Bull/同級9位)  小野は8月の『Stand up』で基山幹太から延長の末に判定勝利を収め、MVPを獲得した。  奥平はBigbangアマチュア6階級王者の肩書きを引っ提げ、2020年10月にプロデビュー。ルックスもよく、大会前日に計量を終えたその足で『TGC teen 2021』にSUPER teenの一人として出演したこともある。7月大会ではベテランの瑠夏を破ったが、フェザー級に階級を下げて臨んだ9月大会で宮崎就斗に判定で敗れプロ初黒星。戦績は3勝(2KO)1敗。  1R、奥平はジャブから右ストレート、右ローを蹴る。小野は強い左ロー、左ミドルを蹴っていき、右のオーバーハンドも思い切り振る。  2R、右フックを打ってきた小野に奥平が鋭いテンカオ。その後もテンカオを命中させていき、左フックから右ロー。奥平はさらに左ボディも見舞う。ジャブ、右ストレートの奥平に左ミドルと右オーバーハンドで対抗する小野だが、このラウンドは奥平が優勢。  3R、小野の連打で下がった奥平へ小野の右ストレートがヒット、バランスを崩して奥平が片膝を着いたところへ小野の左ミドルが喉元へ。ここでレフェリーはダウンを宣告。残り1分、左ボディを打ちに行った奥平に小野は左フックを合わせる。逆転を狙った奥平だったが、判定3-0で小野の勝利。奥平は「ダウンじゃない、倒れたところを蹴られた。全然効いてない」と抗議した。 [nextpage] ▼第2試合 -57.5kg契約 3分3R〇浅井春香(Kick Box/J-GIRLSフェザー級王者、NJKFミネルヴァ スーパーバンタム級王者)判定2-0 ※29-28、29-29、29-28×村上悠佳(TEAM TEPPEN)  村上は極真空手をバックボーンに持ち、破壊力抜群の蹴りを武器にアマチュアキックでは1年弱で11戦全勝6KOの戦績をあげてプロに転向。デビュー戦ではダウンを奪って勝利したが、2戦目でいきなりJ-GIRLSフェザー級王者・空手こまちと対戦して判定負け。その後はQueenマオ、カン・イェジン、ウー・ユティン、MAYAに4連勝したが、2020年9月に浅井春香に判定3-0で敗れた。今年4月には『HEAT』に初参戦し、鈴木万李弥と女子の年間ベストバウト候補と言われる熱戦を展開し、判定2-1で勝利を収めている。10月にはシュートボクシングの愛知県大会にも出場、神谷優良に判定勝ちした。戦績は7勝(1KO)2敗。  浅井は2020年2月、空手こまちにカウンターを決めてダウンを奪いJ-GIRLS王者になると、韓国と中国で連敗を喫したが同年8月のJ-NETWORKでISKA四冠王エルナ・オブ・スウェーデンに判定勝ち。11月には☆SAHO☆に敗れたが、2020年1月に鈴木万李弥に判定勝ち、9月のRISEに初参戦すると村上悠佳に判定勝ち、2021年1月にはライカに判定勝ちと連勝。5月にはプロ無敗だったKAEDEを破り、ミネルヴァ王座も獲得した。戦績は13勝(1KO)9敗2分。  当初、両者は9月の『RISE GIRLS POWER.5』で再戦が決まっていたが、浅井が欠場。村上はKINGレイナとのエキシビションマッチを行った。今回が仕切り直しの再戦となる。  1R、パンチで距離を詰める浅井は連打をまとめ、村上が蹴ってくると蹴り足をキャッチして右ストレートを叩き込む。浅井の右ストレートが派手な音を発して決まり、場内はとよめく。距離を詰められる村上はヒザで応戦もこのラウンドを失った。  2Rになると村上は浅井のプレッシャーに下がらず、右ローを蹴って左ハイ、右のサイドキックも顔面に命中させる。ジャブとサイドキックでけん制し、浅井が入ってくると右ストレートで迎え撃つ。今度は村上の右ストレートがクリーンヒットし、さらに右を連発。浅井も打ち返したところでラウンド終了。  勝負の3R、浅井は精度の高い右ストレートを当てに来るが、村上は下がらずに右を打ち返す。村上も右を当て返し、右フックも交互に両者被弾。鼻血を出しても前へ出る村上だが浅井の右をもらう。村上はテンカオ、右ストレートで反撃したが、またしても浅井の右ストレートをもらう。  判定は2-0で浅井の勝利。村上のリベンジはならなかった。 [nextpage] ▼第1試合 ライト級(-63kg)3分3R〇樋口知春(極真会館/第35回全日本ウエイト制空手道選手権大会 中量級優勝)KO 1R 1分58秒 ※ヒザ蹴り×細野登弘(新潟誠道館)  今年5月のRISE後楽園ホール大会でプロデビュー戦を勝利で飾り、9月も勝って連勝中の樋口がプロ3戦目。  1R、狙いすました右ストレートで樋口がダウンを奪う。ガードを固めて前へ出た樋口は左ボディブローから顔面にヒザを突き上げ、鮮やかなKO勝ちを収めた。
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