キックボクシング
レポート

【DEEP☆KICK】1Rからダウンの応酬、新王者となった木村Cerberus颯太がRISEで山口裕人とのOFG戦を熱望

2021/12/07 19:12
DEEP☆KICK 572021年11月28日(日)大阪・泉大津市テクスピア大阪 ▼メインイベント DEEP☆KICK-65kg王座決定トーナメント決勝 3分3R延長1R×中澤 友(魁塾/ビンチェレあべの)判定0-3 ※26-28×3○木村Cerberus颯太(NJKF心将塾)※木村が-65kg第3代王者に就く。  憂也(魁塾)が長らく保持していたDEEP☆KICK-65kg王座を返上したため、DEEP☆KICK56から同級の王座決定トーナメントがスタート。準決勝を勝ち上がった中澤と木村が対戦した。  中澤はテコンドー仕込みのサイドキックで距離を制することが得意な30歳。今回初戴冠して来年はRISE出場を意気込む。  対する木村は「ウルトラマンに憧れ、戦いごっこの延長でキックを始めた」という個性派。ここ数年キックから離れた時期もあったが、同門の山畑雄摩の活躍に刺激され復帰を決意したという。「早く山畑さんに追いついて追い抜きたい」(木村)  試合は木村が右ストレートでダウンを奪えば、中澤も右フックでダウンを奪い返すという1Rから激しい展開に。  しかし2R以降、木村は地力の差をじわじわと見せつけ、試合の流れをたぐり寄せる。対照的に中澤は時間が経つにつれ、掴みで警告を受けるなど試合の作りが粗くなっていった。3R、木村は右で中澤の上半身を大きく揺らし、勝負を決定づけた。判定は3-0で木村。地獄からの使者──ケロベロスをリングネームとする木村はヒールキャラで世に出たいと願う。そして試合後は「2022年には、RISEのオープンフィンガーマッチに参戦したい」と宣言した。 「僕はパンチが得意で殴るのが大好き。思い切りオープンフィンガーで殴りたい。まず手始めに山口裕人さんと殴り合いたい」  新チャンピオンの野望はRISEに届くのか。 [nextpage] ▼セミファイナル DEEP☆KICK-51kg初代王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R×タネヨシキ(直心会)TKO 1R 1分55秒 ※レフェリーストップ○塚本望夢(teamBonds)※塚本が-51kg初代王座決定トーナメント決勝に進出。  DEEP☆KICK初代-53㎏級王者タネヨシホの実兄タネヨシキがDEEP☆KICK初参戦。塚本とのDEEP☆KICK-51kg初代王座決定トーナメント準決勝に臨んだ。最近の塚本は絶好調。今年9月の「DEEP☆KICK 55」にて行われた『STYLE高等学院presents DEEP☆KICK-51kg フレッシュマン1DAYトーナメント』では文句なしの優勝を果たし、このトーナメントへと駒を進めた。  まだ16歳ながら、塚本は幼少期からタイに渡り現地でムエタイ修行に励むなど、そのポテンシャルは計り知れない。  果たして1R、塚本は右でキャリアに勝るヨシキから先制のダウンを奪う。焦ったヨシキは大振りのパンチで逆転を狙うが、空を切るばかり。その後塚本は再び伸びやかな右で2度目のダウンをとり、最後は左でとどめを刺した。1R1分55秒、TKO勝ち。空龍が待つ決勝へと駒を進めた。  両者はアマチュア時代に何度か闘っており、最後の一戦では空龍が勝利を収めているという。来年3月13日開催の決勝戦について水を向けられると、塚本は「しっかりとリベンジして、僕がチャンピオンになる」と宣言した。 [nextpage] ▼第4試合 DEEP☆KICK-51kg初代王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R○空龍(空修会館)判定3-0 ※30-27×2、30-28×KING TSUBASA(ROYAL KINGS)※空龍が-51kg初代王座決定トーナメント決勝に進出  今年9月、初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座決定トーナメント準決勝を花岡と争った空龍がDEEP☆KICK-51kg初代王座決定トーナメント準決勝に出陣。今年9月のRISE横浜大会に出場したKING TSUBASAと対戦した。花岡戦でプロ初黒星を喫した空龍だが、そのショックは微塵も感じさせない。1R終盤には右フックをクリーンヒットさせ、試合の流れを掴む。  その後も空龍は左ハイ、ワンツーからの飛びヒザ蹴りで相手を追い込む。しかし、窮地に追い込まれてからがTSUBASAの真骨頂。2R終盤には打ち合いに応じ、一歩も引かない。3Rになると、右クロスで空龍に襲いかかった。しかし試合の流れを変えるまでに至らず、判定は3-0で空龍となったが、TSUBASAの善戦も評価されるべき内容だった。  試合後、マイクを握った素顔はまだ高2という広島県在住の少年は「(来年3月13日の)決勝までにもっと強くなって、もっとしっかり倒せるようになってくる」と宣言した。 [nextpage] ▼第3試合 DEEP☆KICK-59kg契約 3分3R×YU-YA(魁塾)TKO 1R 1分39秒 ※レフェリーストップ○HAYATO(CRAZY WOLF GYM)  魁塾のもうひとりの“ゆうや”ことYU-YAがHAYATOと対戦した。先輩がやっていたことをきっかけにキックを始めたというYU-YAだったが、この日は相手が悪すぎた。というのもHAYATOは今年の士道館世界大会でグローブ空手と士道館空手の二部門を制した世界二冠王。構え方からして強そうだったが、果たして1Rコーナーに相手を詰めると、HAYATOはパンチの連打でスタンディングダウンを奪う。ダウンカウントが進む中、ファイティングポーズをしっかりととれないYU-YAは試合を止められた。2022年は“西のHAYTO”に注目だ。 [nextpage] ▼第2試合 DEEP☆KICK-70kg契約 3分3R○小田尋久(キックボクシングジム3K)TKO 1R 1分28秒 レフェリーストップ×藤本ZIGOKU(NJKF誠輪ジム)  関西キック70㎏級戦線に期待の新星が現れた。空手歴15年というキャリアを引っさげ、転向してきた小田尋久(じんく)だ。1R開始早々、痛烈な右フックで藤本ZIGOKU(NJKF誠輪ジム)から先制のスタンディングダウンを奪う。その後も藤本は左ボディフック、左ストレートとパンチの雨あられ。最後は左右のフックで藤本の息の根を止めた。ZIGOKUが地獄へと突き落とされてしまった。小田の憧れは自分の同階級で一時代を築いた魔裟斗。試合後は「DEEP☆KICKから全国へと羽ばたく」と宣言した。 [nextpage] ▼第1試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R○玲翔(NJKF Vigor Kickboxing Gym)判定3-0 ※29-26×2、29-25×大(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)  1R、玲翔は左のカウンターのヒザ蹴りで攻勢に出る。2Rになると、試合はさらに大きく動いた。まず玲翔は掴んでからのヒザ蹴りを続けて打ってしまい減点1。しかしながら、その後大もホールディングで減点1をとられてしまう。続く3Rになると、大はさらに組み付きにより2度目の減点を宣告された。この減点が響き、判定は3-0で玲翔。スタミナに自信のある大にとっては悔いの残る一戦となってしまった。 [nextpage] 〈オープニングイベント〉NEXT☆LEVEL提供試合 ▼OP第2試合 -64kg契約 2分2R○電王おじさん(NJKF心将塾)判定2-1 ※20-19×2、19-20×平野巧太(魁塾)  YouTuberとしても活躍する電王おじさんがオープニングファイトに登場し、平野巧太と拳を交わした。見た目は目立ちたがり屋にしか見えない電王だが、実力の方もなかなか。タイミングのいい右ミドルを軸に左ストレートで攻め込む。対する平野は野球出身でキックのキャリアは2年。同門の優也に憧れる25歳だ。左ハイで電王に応戦するが、如何せん手数が少ない。結局、電王が2-1で平野を振り切った。  早速当日の試合動画もアップした電王、格闘家としてもYoutuberとしても充実した1日になっただろう。 [nextpage] ▼OP第1試合 -50kg契約 1分2R△来斉(02GYM)判定0-1 ※19-19×2、19-20△坂田風羽(龍生塾ファントム道場)  オープニングファイトでは、中高とバレーボールに打ち込み現在は長島☆自演乙☆雄一郎の元でキックに打ち込む来斉とキック歴8年の坂田が対決。体格的には来斉が勝っていたが、坂田はファントム進也会長仕込みの突き上げる右ストレートで応戦。手数も上回っていたが、2Rになると来斉もヒザ蹴りでやり返し1-0(坂田)の痛み分けに終わった。今後はふたりともプロ昇格を目指すか。 文/布施鋼治 写真/石本文子
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