2021年11月28日(日)東京・後楽園ホールで開催された『KNOCK OUT 2021 vol.6』の一夜明け会見が、29日(月)都内にて行われた。
会見にはメインイベントのKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級タイトルマッチ3分5Rで、壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム)に判定3-0(48-47、49-47×2)で勝利し、初防衛に成功した王者・小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)が出席。前夜の試合を振り返った。
「壱選手が1年間、僕とやりたいと言って懸けてきた想いや強さを感じて苦戦した試合になったと思います。メインで締めないといけないというところを締めきれなかった悔しさが残るし、課題が残ったので来年KNOCK OUTを大きくする、引っ張っていく課題として来年にこれをつなげて2022年に爆発させていきたいと思います」
その課題とは「自分の穴をなくす部分で、これまで行きすぎて倒されていたのでそういう一発をもらわない、丁寧に最後まで仕掛けることだったんですが、3Rにダウンを取って倒し切りに行けなかった。迷いが出てしまって、4・5Rで行ききれなかったところに課題が残りました。穴をなくして倒しに行くスキルを作っていかないと行けない課題が残りましたね」と、倒し切れなかったことをあげる。
3Rにダウンを奪った左ストレートに関しては「3Rの倒し方はコツコツと自分の中で積み重ねてきた部分。相手が出してきたのを避けて合わせる感じで。今までのダウンはローキックをコツコツ当てて倒し切るみたいなのだったんですが、今までにない倒し方の部分で出来たというのが自分の中であって。自分は天才じゃないのでコツコツとやっています。アマチュアの9連敗からやってきて、キャリアがここまで来てもコツコツとやっている部分が少しは出たと思うので、課題がまだたくさんあるのでもっと成長できると思って自分を信じて、コツコツまたやっていきたいと思います」と、努力を積み重ねていきたいとする。
4Rに壱がヒジで逆転を狙ってきたことで「ヒジの対応までやっていなかったというか、そこまで詰め切れていなかった。そこが課題となったし、自分の弱さが出たと思います」とし、「お互いヒジを打ち合う展開の中で、ヒジはアゴを引いてどっちが当たってもいい状況で運がいい方が…みたいなところがあるので、そこで打ち合いに行ってもいいなと思ったし、そこで潰さないといけない部分もあったんですけれど、3Rにダウンを取っているのでちょっと迷いました。ヒジで打ち合いに行くか、足を使って展開を変えるのか。そこでもうひとつ僕の引き出しがなかった」と、リスクを回避したと説明。
3Rにダウンを奪っていたことで5Rは無理をしなかったのかと聞かれると「5Rはそれもあります。3Rに取っているポイントがあったし、初防衛戦だったのでそういう気持ちもありました」と本音を話した。
壱については「1年かけて挑んでくる気持ちは生半可ではなかったと思うし、メンタルの部分が格闘技は大きいので、壱選手の気持ちは試合中に感じましたね」と壱の気迫を感じたとし、「今回バシッと倒し切れれば次はなかったですが、戦ってみて強さを感じたし、3回目があるとしたら同じような展開で試合をしてはいけない。倒し切る戦いがあってもいいと思います」と3度目の戦いがあれば次は倒し切りたいとした。
激闘を物語る腫れや傷が残る顏での会見となり、「ここ最近顔が腫れることがなかったと思うので、俳優としては傷つけてはいけない顔に傷をつけてしまった(笑)。それがヒジの怖さでもあるし、顏が痛いので悔しいです。ヒジで腫れさせられるのは。理想の終わりかたではないので、この悔しさを次につなげていきたいし、2022年のKNOCK OUTを引っ張っていかないといけないですね」と悔しさを滲ませる。
また、KNOCK OUTを世界規模の団体にしていきたいとの構想には何が必要かと聞かれると「まずは国内で知名度のある大会にしていかないと、という部分はあります。ビッグイベントにお客さんをパンパンに入れること、選手一人一人にファンを付けていくこと、実力も海外の選手と戦える本物の部分がないといけない。その中で自分が出来ることは実力を付けていくことと、一般の層にも広がる何かを見つけたいと思っています」と答えた。
そして「皆さんの応援があってここまで駆け抜けてこれました。来年も僕が引っ張っていくと言っているので、試合で課題が見つかったのでしっかり修正して爆発できるような試合を魅せていくので来年も期待してもらえればと思います」と、ファンにメッセージを送った。