2021年11月28日(日)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2021 vol.6』にて、スーパーファイトのKNOCK OUT-RED -51.0kg契約3分3R延長1Rで老沼隆斗(STRUGGLE)と対戦する花岡竜(橋本道場)のインタビューが主催者を通じて届いた。
花岡はアマチュアで28冠王を達成し、122勝20敗15分という驚異的な戦績を引っ提げて2019年春に中学卒業後すぐにプロデビュー。2020年8月の『INNOVATION』でフライ級王座認定戦を行い、勝利して無敗のまま王座に就いた。今年2月の『NO KICK NO LIFE』で吉成士門に惜敗してプロ初黒星を喫したが、5月のKNOCK OUTでは四冠王の松崎公則に2RでTKO勝ち、7月の同大会では那須川天心や鈴木真彦らと対戦したウィサンレックからも勝利を収め、9月のトーナメントで空龍と濱田巧を破り初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座に就いた。“平成最後の怪物”と呼ばれている。戦績は10勝(3KO)1敗1分。
多彩というところで言ったら、やっぱりレベルは違う
──老沼選手との対戦になりましたが、最初に聞いた時はどう思いましたか?
「『やっとか』というか、『いよいよだな』という感じがしました。以前からずっと興味はあったんですけど、なかなかやる機会がなくて、これはちょっとやらないのかなとも思ってたんですね。それが、まさかのベルトを獲って一発目でやれると思ってなかったので、うれしかったです」
──今回の試合はREDルール(ヒジ打ちあり)ですが、ルールを選んだのは花岡選手と伺いました。
「そうですね。体重が51kgということだったので、じゃあルールはREDでお願いしますと。REDの方が好きなので」
──なるほど。体重を呑む代わりに、ルールは決めさせてくれと。やっぱりREDの方が好きですか。
「ヒジが好きなので、REDの方が好きです。今はBLACKの王者だから、本当はこんなこと言ってちゃいけないんですけど(笑)」
──では、9月のBLACK王座決定トーナメントはどうだったんですか?
「初めての挑戦だったので、1試合目の空龍戦はヒジも出しそうになったんですよ。でも、決勝戦の濱田巧戦ではもう慣れて、全然平気でした」
──やっぱり染み付いてるから出してしまいそうになりましたか。
「『ここだ!』っていう時にヒジが出せないですし、距離感とかも首相撲があるのとないのとでは違いますから。慣れるのにはけっこう時間がかかりました。でも今回はREDルールなので、好きなように戦えるかなという感じです」
──改めて、老沼選手の印象は?
「空手ベースなので、後ろ蹴りとか、鋭いミドルキックとかが厄介かなという印象はあります」
──いろんな技を使ってくるという点では、似てるところもあるかと思いますが。
「そうですね。老沼選手の蹴りも多彩なんですけど、多彩というところで言ったら、やっぱりレベルは違うかな、自分の方が上かなとは思います」
──どんな試合をして、どう勝ちたいですか?
「相手の出るとこ出るとこを全部押さえて、圧倒的な試合をして、ヒジで切ってもいいし、倒してもいいしっていう試合をしたいです」
──出せるだけに、ヒジは出していきたいと。
「あ、もうヒジはブンブンで(笑)。前回の分も含めて、ブンブンでいきます」
──ただ、ヒジありの試合でもそんなにブンブン振り回しているというところまでは印象がないですよね。パンチや蹴りを交えながら出していくので。
「そうですね。混ぜて混ぜて、パンチなのかヒジなのかよく分からないところで出してますから。今回も出せるところでは、どんどん打っていこうかなと思います」
──前回のトーナメントでも技の多彩さでは光っていましたが、技の練習というのは、何を心がけてやっているんでしょうか?
「とにかく、まずは形を練習して、それができてきたら実戦でどう出せるかとか、タイミングとかの練習をするという感じですかね」
──以前に橋本師範に、やれるようになるまでものすごく回数をこなすという話をお聞きしたことがあるんですが。
「確かにそんな感じです(笑)。もう数なんて分からないぐらい、本当にやれるまでやろうという練習なので、ずーっとやってますね。今でさえ、僕は『回転技とかをけっこう出す』みたいな印象になってるんですけど、後ろ蹴りなんか最初は蹴ったこともなくて、いまだにずっと練習してますからね。回転系はもうずっと練習します。タイミングとか形とか、いまだに納得いってないところがあるので。全然倒すには至ってないですし。全然まだまだです」
──そうなんですね! 技のつなぎだったりとか、コンビネーションも豊富ですよね。それを考えるのはどうやって?
「基本的なコンビネーションは師範が教えてくださるんですけど、あとは自分でスパーリングの時に、教えてもらったコンビネーション全部含めて、自分の思いつきでやってます。その場その場で、これが来たらこれが入るかなと思って、やったら入るっていう感じです。それでうまくいったものは反復するみたいな感じですね」
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大学に無事受かったんですよ
──次の試合は『KNOCK OUT』のチャンピオンとして初戦になります。ベルトを獲ってから、気持ちの面で変化はありましたか?
「やっぱり、これからは判定じゃダメだなというところのプレッシャーと、これからまた一層負けられないなというのは、気持ち的にあります。責任感はけっこう感じてますね」
──また今回は、安本晴翔選手も同じ大会でスーパーファイトに出場して、チャンピオン揃い踏みになりますね。
「やっぱりいい形でつなげたいと思っているので、まず僕がKO勝ちして、2連続KOで終わりたいですね」
──インパクトで負けたくないという気持ちは……?
「インパクトは…言っていいのか分かんないですけど、たぶん勝てないと思うので(笑)。すごいインパクトがあるじゃないですか、倒し方とか。なので僕は、地味でもいいからしっかり倒していきたいなと思います」
──目指しましょうよ(笑)。
「いや、目指してはいるんですけど、無理ですね(笑)。練習していても、全然レベルが違うので。なのでKOというところは目指して、頑張ります」
──おそらく今年最後の試合になると思います。ちょっと早いですが、2021年はどういう年でしたか?
「今年は2月の試合で負けから始まってるんですよね。その後はウィサンレック選手とか、強豪とやってきてベルトも獲れた年なので、2021年はいろんな面で成長できたかなと思います」
──一番手応えをつかんだところは?
「前回のトーナメントで言うなら最終的な根性じゃないですけど、絶対勝ってやるっていう気持ちとか、メンタル面で成長できたかなと思います」
──今は高校3年生ですよね。進路は決まってるんですか?
「AO推薦という、面接と小論文の形式で大学に無事受かったんですよ。倍率はけっこう高かったんですけど、合格することができたので、進学する予定です」
──それはおめでとうございます! では3月までは……。
「はい、あとはキックに集中できます(笑)。大学でもキックは続けていきますけど」
──その先が見えていて、いいですね。この試合が終わったらチャンピオンとして年を越すこそわけですし、そのためにもいい勝ち方で終えたいですよね。
「そうですね。最後、最高の勝ち方で終わって、今年を締めくくりたいです」
──安本越えをするぐらいの勝ち方で?
「一応目指しはします。心の片隅ぐらいで(笑)」
──分かりました(笑)。では最後に、今度の試合で一番注目してほしいポイントは?
「前回、ワンデー・トーナメントでベルトを獲ったんですけど、2試合とも判定だったので、『KNOCK OUT』王者として全力で倒しにいくような試合を、見ていただければと思ってます」