キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】初防衛戦に臨む小笠原瑛作「“完成形の小笠原瑛作”に近づいている自信がある。試合するのが楽しみ」

2021/11/19 22:11
 2021年11月28日(日)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2021 vol.6』にて、KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級タイトルマッチ3分5Rとして、壱・センチャイジム(センチャイムエタイジム)の挑戦を受ける王者・小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)のインタビューが主催者を通じて届いた  今回が初防衛戦となる小笠原。カザフスタンでの主演映画撮影も終えて、戴冠後初の試合となるが、公私揃っての充実ぶりには本人も大きな手応えを感じているようだ。そんな小笠原は、壱・センチャイジムを相手にどう戦おうとしているのか? また新しい相手と戦うつもりで対策を組んでいます ──試合が近づいてきていますが、どんな感じで練習に臨んでいますか? 「カザフスタンから帰ってきて、もっと時間がないかなと思ったんですが、けっこう時間をかけて作れている感じがすごいありますね。カザフスタンでの映画撮影で体力も落ちてるかなとか思ったんですけど、現地でのウェイトトレーニングとかの効果もあって、体作りっていう意味ではしっかり期間を置いて作られているので、仕上がりがすごくいい感じになってまね」 ──対策については? 「今回、早い時期から相手が決まったので、ずっと壱選手を考えた練習がいろいろできたので、壱選手対策は長い時間かけできたかなという感じですね」 ──1年前に一度勝っていますし、対策の材料はかなり多いと思うんですが。 「そうですね、映像も出回っているし。でもその意味では、自分の映像も出回っているので、同じではあるんですけど、今回に関しては壱選手のイメージが掴みやすいというか、対策を組みやすい部分はありますね」 ──前回勝っているというのは、どう影響するものでしょう? 「正直、前回、僕の足払いで壱選手が頭を打っていて、あれがなかったら分からなかったという部分もあると思うんですよね。だから前回の試合は、壱選手にとっても僕にとっても、そんなに参考にはなってないかなというか。前回の勝ちがあったから今回に影響するというようなことは、特にないかなという感じですかね。前回、戦ってはいるんですけど、また新しい相手と戦うつもりで対策を組んでいます」 ──では改めて、相手の印象を。 「テクニックのある選手だなあとは思いますね。日本人なんだけどしっかり蹴れるし、ムエタイができるなというところはありますね」 ──一番警戒する点は? 「やっぱりヒジだったりとか、それを合わせてくる部分ですかね。僕が突っ込んだときにヒジを合わせてきたりとか」 ──逆に今、しっかり時間をかけて作れている中で、自信が持てている部分は? 「今までだったら、僕の印象ってローキックが目立っていたと思うんですけど、今は倒せるパターンが増えて、ローだけじゃない部分で倒せるレパートリーの引き出しが増えているので、そこは自信がありますね」 ──今までのようなパターンで考えていると、そこにないものが出てくるよと。 「そうですね。流れもあると思うんですけど、壱選手も初めて感じる部分はあるんじゃないかなとは思います」 ──あと先ほど、「合わせてくるのがうまい」という話がありましたが、以前は小笠原選手が突っ込んだところをやられてしまう場面もありました。でも今は、そこは確実に改善されてますよね。 「はい。そこは修正して、常に変えていかなくちゃなという部分でやってきたので、自分が強くなってるなという実感があるところですね。攻撃面で強くなっているというのもあるんですけど、穴をなくす作業をけっこうやっているので、穴のない選手に変わってきているなというのは、自分で感じてます」 [nextpage] 逆にモチベーションを上げないことが僕の中でしっくりきてる ──もう一つ大きな要素として、壱選手にとってはものすごく待望の機会じゃないですか。そういうところがどう作用するのかなと思うんですが。 「そうですよね。壱選手からしたら大物を狩るというか、ビッグチャンスだし、モチベーションもすごく上がってるとは思うので、僕からすると追われる立場ですよね。追う立場の方がモチベーションも高いんだろうなとは思うんですけど。正直、若い頃の自分はモチベーションを上げて試合に臨んでいたところがあって、『おっしゃ、やったるぞ!』という感じだったんですけど、今はモチベーションで持っていくのがちょっと違うなというか。やっぱりモチベーションを上げるってことは、下がる時が絶対あるわけで、人間、波があると気持ちにもブレがあって弱いんですよね。だから最近、自分の中で一番重要にしているのは、モチベーションを上げて頑張ろうともしてないし、下げて頑張ろうともしないし、常に一定で行きたいなということなんです」 ──なるほど。 「だから今後も、もし壱選手じゃない大物が来たとしても、モチベーションを上げて『やったろう!』という感じにもたぶんならないと思うし、だからといって今回は壱選手だからモチベーションが上がってなくて、気持ち的に不利かといったらそうでもなくて。もう、いつも一定に同じことを積み重ねてる感じなんですよね。確かに、そういうモチベーションで勝ち切るというのも大事で、僕もそれで力を発揮できたこともあるので、重要な部分でもあるんですけど、ちょっとキャリアを重ねた今は、逆にモチベーションを上げないことが僕の中でしっくりきてる感じです」 ──そう考えるようになったのは、『KNOCK OUT』のチャンピオンになったことも影響していますか? 「それは大きなきっかけでもありますね。『KNOCK OUT』が始まった頃は、『おっしゃ、やってやるぞ!』という気持ちで走り続けた部分があったんですけど、やっぱりテンションだけで生きてるのもつらいなと(笑)。人間って、いつでも元気でいられることもないんで。最近はそう思ってますね」 ──チャンピオンになって初の試合だし、まだ発表にはなってないですが、間違いなくメインだと思います。そうなると、他に安本晴翔選手などのスーパーファイトもある中で、大会を締めくくる立場にもなります。さらに来年ビッグマッチ、それから将来的には世界に進出という希望も掲げている上での試合。端から見たら、かなり責任のかかる立場かなと思うんですが……。 「プレッシャーがないと言ったらウソになるというか、これだけ自分でも発言しているし、そういう重責を任されているなという感覚はあるんですけど、それに向けてコツコツと、日々やるべきことをやっているので、もしこれで結果が出なかったら、またそれはそれで学ぶときだなと。だからいいプレッシャーですよね。そのプレッシャーがないわけじゃないけど、感じすぎてもいないというのが、リアルなところですかね」 ──映画の撮影も終わって、対策もいい感じでできていて、今の話している感じからしても、かなり状態はよさそうですね。 「そうですね。あとは最後、どう集中して仕上げていくかなというところですね。やっぱり調子のいい時ほど、何かあるというのもあるし、そういう不安もないわけではないんですけど、本当になるようにしかならないし、たぶんやってきたことしか出ないですから。だから今回は、自分でも楽しみな部分が大きいですよね」 ──やはりそうですか。 「負けることとかについては不安になってもしょうがないし、それ以上に旧『REBELS』から続く『KNOCK OUT』に育ててもらったというところで、『KNOCK OUT』を大きくしていかなくちゃいけないし、そこに返していきたいと思ってますから。応援してくれてるお客さんに見せられるものを、あと2週間、集中してし作り上げていきたいと思ってます」 ──では最後の質問ですが、改めて、今回の試合で一番注目してほしいところは? 「毎回言ってるんですけど、まだまだ自分の中では成長してるなという感覚があるんですよ。自分の中で、動きと、気持ちの自信というのがピタッ!と重なってきていて、もうちょっとで“完成形の小笠原瑛作”に近づいてきているかなという感じが自分の中であるんです。まだまだ、強さの探求という点では探さなくちゃいけない部分はあるんですけど、その一面を見せられる試合になるかなと思います。今までも成長してきたけど、またちょっと今までとは違う成長を見せられる試合だと思うので、そこを楽しみに見てもらえたらなと思います」
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