「ファイトスタイルも考え方も全てを変えた」と、自分を全面リニューアルして勝負する皇治(C)RIZIN FF
2021年11月20日(土)沖縄アリーナ『Yogibo presents RIZIN.32』の出場選手オンライン個別インタビューが18日(木)に行われた。
第12試合のキックボクシングルール(61.0kg契約)3分3Rで、元修斗環太平洋バンタム級王者の祖根寿麻(ZOOMER)と対戦する皇治(TEAM ONE)が質問に答えた。
「心境は普通ですよ。やる気は満々です」とリラックスした表情で話す皇治。今回、ボビー・オロゴンらに話題を持っていかれてしまっているのでは、と聞かれると「彼らはプロなので、プロに任せたらいいわというのと、今回に関しては何も言うことがないので大人しくしていますよ。そしてしっかり勝って仕事をしてから、リングの上であることを言おうかなと思っています。今は連敗しているので、自分の中で言う権利はないので最低限の仕事をしてから言おうかなと思っています」と、勝って発言権を得て言いたいことがあると予告。
応援団の皇治軍団は、沖縄にも「めちゃくちゃ来るんじゃないですか。大半は俺のファンやと思っていますけれどね、こんな遠い所まで来てくれるってことで凄く光栄です」と、大勢来てくれることに感謝する。
しかし、対戦相手の祖根の印象を聞かれると「何もないです」の一言。では試合展開はどうなるかとの質問には「圧倒ですよね。完封して当たり前やと思っているので、しっかり仕事をしようと思います」と“圧倒”すると言い放った。
今回の試合に備え、魔裟斗をK-1 WORLD MAX世界王者に導いた飯田裕トレーナーにボクシングを習っていたことが明かされているが、「6月のバッティング事件から2カ月くらい経ってからなので、9月くらいからですかね。魔裟斗さんが、もう一度戦うなら進化しないとあかんから、それには飯田トレーナーが必要ちゃうかと言ってくれはったのと、ずっとフィジカルを見てもらっている土居トレーナーも飯田さんの力が必要だと言ってくださったので見てもらうようになりましたね」と、かつての“チーム魔裟斗”からの勧めがあったからだという。
「めちゃくちゃよかったですよ。初めてミットを持ってもらった時に『お前は格闘技を始めて3日か?』と言われたので(苦笑)。15年以上キックボクシングをプロでやっているので、そう言われたので。怒ってもらえることも少なくなっていたので凄い刺激になって充実した日々を過ごしてきました」と、基本からやり直した。
変ったのは「まず手ですかね。『お前、女の子みたいな手をしているな』と言われたので。それがちゃんと当たるようになって拳タコみたいなのができたのでそれは進化かなと思っています。何もかもが初めてで、楽しい経験をさせてもらっています」と、しっかりナックルを当てることが出来るようになったとする。
「ぶっちゃけ、全部改めましたね。もう一度リングに上がろうと思ったのは素直に悔しいからなので。悔しくてたまらへんので、それを晴らすには自分が動くしかない。フィジカル面もより一層気合いを入れてもらうように言いましたし、土居トレーナーは鬼教官と呼んでいるんですけれど、ずっといじめられていますね」と、自分を全面リニューアルしたと話す。
「全部変えんとね。同じことの繰り返しをしとってもしゃあないので、全部変えましたよ。ファイトスタイルやったり、考え方も全て変えました。全部変えないとリングに上がる意味もないと思っていましたし、見返せないとも思いましたので、全部。昔、SFKというジムから出て試合をしていたんですけれど、そこの寒川代表の元に戻ったりもして、昔のスタイルを取り戻すじゃないですけれど、それと今のいいところとええ感じにフュージョンさせてええ感じですよ」と、原点に戻ると共に全てを変えてきたとした。
それはどんなスタイルなのか。聞かれた皇治だが「見たら分かるから内緒にしとっておいてください。見たら興奮するような試合をするので」とニヤリ。ヒントも明かさなかった。
自分リニューアルに際して、前回問題となったバッティングの可能性について聞かれると「向こうにヘルメットを被って来てもらおうかなと思って(笑)。それこそyogiboを頭に着けて来てもらったら安全とちゃいますか。対戦相手に言っておいてください。枕でも着けておいてくれと」と悪態をついたが、「ちゃんとしますよ。全部スタイルを変えて、新しい自分を見せられるように頑張ろうと思っています」と、もうバッティングが起こらないような修正もしてきたと話した。
記者会見とSNSでの祖根の挑発については「挑発されていましたか? 人に時計を借りて見せびらかしていただけでしょう(笑)。全然、何とも思ってないです」と何も気にならないという。
「口だけにもなれていない選手に何を言われようと、うんともすんとも響きもしないですよ。実力もあってやることをやっている選手に言われたらイラっとしますし、そいつを喰ってやろうと思いますけれど、口だけにもなれず何もないそこら辺のポンコツに言われても、何を俺が感じることあるのかなと思って聞いていましたね。せいぜい自分で頑張って有名になって、時計でも買えるようになれるように祈っています」と、全く相手にしないとする。
ちなきに、皇治が持っている時計はと聞かれると「自分のヤツは2000万円。この間は850万円くらいのを買いましたけれどね。まあ、貯金ですよ。投資ですね。格闘家が金を稼がないと小さい子たちが目指さないと思うんでね、どんどんお金を稼いで頑張ろうと思います」と、高級時計も含めて子供たちが将来プロ格闘技選手を目指すような目標になって行きたいと語った。
だが、祖根は初めての立ち技での試合(Krush)でキックボクサーに勝利、今回の試合に備えて愛知県の名門OISHI GYMで打撃の練習を積み重ねてきており、決して侮れない相手だ。ナメているのは危険では、と問われた皇治は「ナメまわしますよ(笑)。彼にもし負けるようなことがあれば本当に引退やと思いますし、もうリングに上がる意味がないと思うので。彼がどうこうというよりは、自分も崖から2回も3回も落ちているので、あとは上がるしかないんでね。しっかり上がろうと気合いは入っています」と、自分自身には気合いが入っているとした。
果たして、沖縄の地でRIZIN初勝利なるのか、それとも引退に追い込まれるのか。