鈴木は徹底したボディ打ちを渡慶次(右)に打ち込み、「やらなきゃよかった」と渡慶次を後悔させた(C)RIZIN FF
2021年11月28日(日)神戸ワールド記念ホールにて開催されるRIZIN第3のシリーズ『TRIGGER』で、山本空良(パワーオブドリームジム)とRIZIN MMAルール -66.0kg契約5分3Rで対戦する鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)が、10日(水)都内所属ジムにて公開練習を行った。
鈴木はシャドーで軽く動いた後、渡慶次幸平が持つミットへ自慢の強打を叩き込んだが、途中から右ボディストレートと左ボディのボディ責めを徹底して行い、受けた渡慶次に「いま気持ち悪いです。やらなきゃよかった」と後悔させた。
「前回はMMAのミットをやったので、今回は一発の強打をやろうと思ってボディに絞ってやりました」と鈴木。コンディションは「練習があるので疲れています。でもいつでも試合は出来る」と追い込んでいる最中だという。
今回対戦する山本の印象は「試合の動画を見ていたんですけれど“THE MMA”って感じで打撃もテイクダウンも上手くて、特に関節技が上手いので穴が見つからないなと思って悩んでいました。作戦しかたてられないけれど、試合当日にどれが合っているかと試すしかないです。本気で行きます」と評する。
9月のRIZINで行ったMMA復帰戦は昇侍に1Rわずか20秒でKO負けという結果に終わり、「2日くらい悩んだんですが、この時間がもったいないなと。最初はジムへ行くのが嫌だったんです。試合のことを言われるのが嫌でした。悔しくて。でも気にしていたら強くなれないので、2日間はしっかり落ち込んで前へ進みました」と、今は吹っ切れているとする。
前回の練習後は「全部練習環境も自分自身の考えも変えました。クロスポイントでのジムワークはちゃんとやって、ジムワーク以外のところを変えましたね。午前中は総合、午後はキックボクシング、夜はレスリングか柔術をやったりと、ジムワーク以外の練習を増やしました。前も総合の練習をもちろんやっていましたが、もっと練習のバリエーションを増やしてやっています。あの練習量では少なかったから増やしてやっています」と、練習量を増やした。
前回と変わったところは何かと聞かれると「全てを反省しているので、特にこれというのはないですが、スタイルを変えてきているつもりなので出るものは全部違う。パンチにはもちろん注目してほしいですが、、それ以外全体に注目して欲しいです。タックルや寝技の種類、だったりとか」と、全て変わったと答える。
「パラエストラ八王子の塩田先生、パラエストラ柏の鶴屋先生、東林間ラスカルジムの五味先生…いろいろな先生に教わって吸収しています」と、あの五味隆典からも指導を受けている。
「地獄ですね。地獄だと思う練習をするのが必要だと思いました。キツくない練習をしていては強くなれないので、全部キツいです。柏も強い選手しかいないのでつらいし、八王子も。各ジムでスタイルが違うので毎日大変です」と、自分の肉体に鞭を打っているという。
キックボクシングで10勝(8KO)1敗という戦績が示す通り、強烈なパンチが持ち味の鈴木だけに五味のようなファイトスタイルが理想なのかと聞かれると「必然的に五味先生みたいなスタイルになっていくのかなと思っています。ぶん殴って、投げて、KOか一本を狙う。そういう豪快な試合をしたいですね。五味先生と練習をすると、だからああいう試合が出来るのかと分かります。自分が好きなファイトスタイルのなので、小さい時から五味先生の試合を見ていて、面白いなって思ったのが五味先生なので。なりたいだと超えられないので、それ以上になれるように頑張って練習します」と、“令和の五味隆典”を目指す。
今回の試合の決着はとの問いには「もちろんKOですよ。倒すことに集中します」と“KOじゃなきゃ”と答えた。
『TRIGGER』はRIZIN初のケージで行われるが、鈴木はパンクラス時代の試合をほとんどケージで行っており、「そこは問題ない」とキッパリ。ケージがストライカーよりもグラップラーに向いているということには「そこも含めて勝負なので、そういう練習は出来る限りやっています。ケージでもリングでも僕がやることは変わらないですね。どっちでもいいんですけれど、ロープの方がパンチで追い込んだ時に反動をつけてよけやすいんです。でも、ケージは後ろに逃げられないので仕留めることが出来ると思います。使い方ですよね、ケージにはケージの倒し方がある」と、自信を見せた。
最後には「前回の負けから試合当日までベストを尽くして試合を迎えようと思います。1RでKOしますとは前回負けたので何を言っても通らないので、今回は結果を残します。結果を残して次の目標の場を言いたいと思います」と、まずはRIZIN初勝利を目指すと語った。