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インタビュー

【ONE】手塚裕之、アギラン・ターニ戦へ「彼は自分のような格闘家とは戦ったことがない」× 再起を誓うターニ「僕にはテツカを倒す能力がある」=11月12日(金)配信

2021/11/09 17:11

グラウンドとケージコントロールで手塚を圧倒する

 対するONE10勝4敗のターニは、練習環境の変化に手応えを感じている。

 コロナ禍で、マレーシアでも一時はロックダウンが続いたが、「ロックダウンが行われても、トレーニングはできた。家でやったり、友達の家でやったり。結局、やるべきことをやるしかない。毎日トレーニングしないと、試合に出るには不向きな状態になってしまうから」と、そのときのことを振り返る。

 現在は「トレーニングキャンプを終えて、多くの点で改善できたと思う。トレーニングの方法、食事、減量、全部これまでとは違うものだった。前のジムを離れて、今は違うジムで違うコーチと練習しているんだ。順調にトレーニングをできているよ」という。

「モナーキーMMA」を辞め、トレーニング・キャンプは、ターニがインストラクターとして働いているクアラルンプールの「ブループリント・マーシャルアーツ」と、「ノース・キアラMMA」で行ってきた。ヘッドコーチはコンラッド・ファーランで、新たにブラジリアン柔術黒帯のオズワルドコーチとも練習している。また、ケアヌ・スッバとも練習を積んできた。

「ノース・キアラ」では、グラウンドコントロールに注力し、「相手をテイクダウンして、長い時間、楽に保てるポジションを取るようにしている。それに、押さえ込むだけじゃなく、よりダメージを与えられるように。ブルーノ(「モナーキーMMA」のブラジリアン柔術ヘッドコーチ)と組んでいた時は、単なるサブミッション狙い的な感じだった。でも、今はそれを変えたんだ」と、ポジショニングの極意を習ったという。

「ブループリント」では、セットアップ、打撃、テイクダウンに取り組んでいる。

「HCのコンラッドも同じような感じだ。コンラッドと別にトレーニングするのは、フットワークだけ。長い間、世界レベルのストライカーになろうとしてきたが、今ではフットワークを使って打撃をセットアップしなければならないと気づいた。そうしたら、自分の打撃がより効果的に使えるようになって、もっと自信を持って勝とうとできるようになったよ」とフットワークも進化したという。

「フットワークに力を入れてきた。だって、テツカは爆弾のような一髪を持っているだろう? KOパワーは物凄いし、彼は相手をKOで倒してきたことで知られているしね」

 秋山とスキーロから勝利、しかし岡見とマグワイアに敗戦と、直近4戦2敗のターニは、厳しい挫折を味わった。

「過去3試合は、スプリット判定か敗戦という苦い結果だった。これは次の試合でフィニッシュしなければというモチベーションになっている。最近の結果はハッピーなものではなかったから。

 一時は、『ああ、もうダメだ。自分のキャリアは終わった』と思ったこともあった。でもこれもキャリアの一部だし、我慢しなければいけないと思っている。1度か2度の負けで済む人もいるかも知れない。多分、自分はあと2、3敗しないとピークに達せないのかもしれない。

 ハビブ(・ヌルマゴメドフ)でもなければ、ハードルを乗り越えずにトップに立てるアスリートなんていない。これは自分のハードルだ。困難を通して学んでいるんだ。100パーセント勝つ自信があるとは言わない。でも、戦い方は分かっているし、ちゃんとやれるって分かっている。今のところは、トレーニングに集中して、自分がコントロールできることに集中しないといけない。それだけだ」

 手塚裕之は、26歳のターニがこれまで戦ってきた相手の中でも、最も危険なファイターの一人と言えるだろう。それでも「手塚のノックアウトパワーは歓迎だ。これまでのキャリアで僕がKOされたのは、1度だけだ。その時の相手は、ゼバスチャン・カデスタムだった。それも失神するようなKOでもなかった。どのくらい自分が打たれ強いかわかるだろうね」と、これまでの試合経験に自信をのぞかせる。

「僕はこれまで、強くて危険な選手たちと戦ってきた。僕はテツカより若いけど、彼より経験を積んできたと思う。彼よりもタフな相手たちと戦ってきて、ただ今はキャリアにおいてちょっと上手くいっていなかっただけ。僕にはテツカを倒す能力がある」

 勝負のポイントは、やはり組み技だ。

「グラウンド・コントロールだ。 相手をテイクダウンして、グラウンド戦に持ち込むこと。自信があれば、サブミッションかTKOで仕留めたいと思う。シンプルにフィニッシュを狙っている。どのラウンドであろうと関係なくて、とにかくフィニッシュすることに拘りたい。そうでなければ、グラウンドとサークル(ケージ)でのコントロールで圧倒する。3ラウンドを通じて寝かせて、疲れさせる」と、ターニは自身の持ち味を最大限発揮するつもりだという。

 果たして、ウェルター級トップ戦線に進むのは手塚かターニか。

 11月12日(金)配信の「ONE: NEXTGEN 2」は、ONEスーパーシリーズのセーマペッチ・フェアテックスとリッテワダ・ペッティンディーがメインイベントに組まれている。そして、MMAでは手塚vs.ターニのウェルター級戦に加えて、フェザー級で、タン・カイvs.ユン・チャンミンの試合などが行われる。

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