2021年11月14日(日)大阪・丸善インテックアリーナ『Cygames presents RISE WORLD SERIES 2021 OSAKA.2』にて、Super Fight!のバンタム級3分3R延長1Rで、江幡塁(伊原道場)と再戦する鈴木真彦(山口道場)が公開練習を行った。
鈴木は軽量級離れしたパンチ力と卓越したテクニックで、2018年11月にトーナメントを制してRISEバンタム級のベルトを獲得。2015年8月の『BLADE FC JAPAN CUP -55kgトーナメント』で那須川天心に敗れて以降、連勝記録を重ね5年間無敗、20連勝という驚異の記録を打ち立てたが、2020年11月の「那須川天心挑戦者決定トーナメント」の決勝で志朗にダウンを奪われて連勝がストップ。2月に溜田蒼馬、7月にテーパリットに勝利して9月に那須川天心との再戦を実現させたが、判定3-0で再び敗れた。戦績は29勝(17KO)5敗。
公開練習ではシャドーの後にミット打ちを行い、ワンツー・左フック、右ミドル、ヒザ蹴りと前回と変わらぬ動きを見せた。
鈴木真彦 公開練習後インタビュー
――前回の那須川天心戦から2カ月での再起戦になりましたけど、改めて那須川天心戦を今振り返っていただけますか?
「前回というか6年前に敗れてやっと叶った試合というか、やっとの試合やったんですけど、悔しさが残る結果になってしまったなという印象です」
――それから気持ちの切り替えというのはどのようにしたんですか?
「正直ね、この試合が決まってなかったら多分まだ自分の中でダラダラしてる部分もあったと思うんですけど、地元の大阪での大会なんで盛り上げたいなと思ったし、試合が決まって切り替えたっていうかもう止まっていても仕方ないなと思ったんで。もう前に進んでいくしかないなと思って、切り替えましたね」
――じゃあ自分で自分のお尻を叩いて立ち上がったっていう感じですかね?
「ホンマに悔しかったんで、終わってしまったなっていう思いもあったんですけど、ここで立ち止まってても仕方がないなと思ったんで、ホンマにまさに自分で自分のお尻を叩いて動き始めたって感じですね」
――前回の那須川天心戦も再戦でしたけど奇しくも今回も再戦ということになりましたけどいかがですか?
「再戦ってあまり皆さん見たくないイメージがあると思うんですよ。なんかやっても一緒やろみたいな。だから今回の江幡戦も『やる意味ないやろ』って声もチラホラ聞くんで。でも江幡(塁)選手となら再戦でも、もっと前回より盛り上げられると思うし、前回は判定で倒せなかったので今回はさらにレベルアップした二人の戦いを見てほしいです」
――前回戦った時に限ってしまうかもしれませんが、江幡塁選手の印象って改めていかがですか?
「想像通り、日本のトップレベルの55kgのトップの選手やなっていうのは肌で感じましたね、強かったです」
――その55kgのトップというのはどの辺に感じたんですか?
「やっぱり全てにおいて、パワー・スタミナ・スピードもそうですし、何より気持ちの強いファイターやなって思ったんで、今回も面白い試合になるんじゃないかなと思ってます」
――前回を踏まえ今回はどんな試合展開になると予想しますか?
「どうですかね…向こうの出方にもよると思うんですけど、僕は下がる気もないし、前回勝ってるから今回も安全に行こうとか思ってないんで、絶対倒したいって気持ちがありますね」
――江幡選手の前回2・28の拳剛戦を見てどのように感じましたか?
「拳剛選手って結構背も高くてスピードも結構速いし、やりにくいんちゃうかなって思ってたんですけど、やっぱり1Rで勝ってるしさすがやなっていうのは感じましたね」
――記者会見のときにRISEルールにアジャストしてきたって自信を凄く語ってたんですけど、それは拳剛戦で見えましたか?
「そうですね…でも僕の中では『強いやつはどんなルールでも強い』って思ってるんで、その辺はあまり気にしてないっていうか。何回やっても僕の方が強いっていうのを、どのルールででもですけど、それをちょっとわからせたいなと思ってますね」
――では江幡選手が「ヒジありでもやろう」って言ったらやりますか?
「ヒジありでも多分やります、多分ですけど(笑)。やっぱりどのルールでも勝ちたいんで僕は。江幡選手がヒジありでって言うならやりますよね僕は」
――それだけ自信があるということですね。
「そうですね、はい」
――今回とにかくKOで勝ちたいという気持ちが強いようですけど、今回KO出来るというのはどういう裏付けからでしょう?
「KO出来るっていう確信はないんですけど、やっぱり大阪を盛り上げたいし、やっぱり僕はKOを狙ってお客さん湧かせる試合をしたいので。まぁKOじゃなくても出来るだけ盛り上がるような試合をしたいと思ってます」
――燃え尽き症候群みたいのはないですか?那須川天心戦という目標は結果として達成したわけじゃないですか。それで自分の中で燃え尽きたみたいのは?
「僕、別に那須川天心戦を実現させたいんじゃなくて、勝ちたかったんですよ、ホンマに。それで負けたので、ホンマに燃え尽きた部分もありますけど、試合が決まってなかったらもっとダラダラしてると思うし、(すぐに試合が決まって)逆に良かったかなって思ってますね」
――那須川天心選手との再戦を経て、世界トップレベルに通用するには自分の何が足りないと思いましたか?
「何が足りない…何なんでしょうね。言葉では言い表せないですけど、それはでもまだ自分でも分かってないので。分かったら簡単にトップに行けるじゃないですか。そういうのも探しながら進んでいくのが面白いと思ってるので、僕は。やっていきながらですね、答えを探していくというか」
――原口選手が「那須川選手がRISEを卒業した後は自分がRISEを引っ張っていくんだ」と宣言してますけど、鈴木選手はそういう気持ちは?
「それはもちろんあります。でも僕はまず、勝ち続けないとそういう資格というか発言はできないなと思っているので、とりあえず勝っていかないと。勝っていっていずれRISEを背負うような存在になりたいです。背負っていく覚悟はありますね」
――話は変わるんですが、知花デビット選手が良星選手に勝ったことによってバンタム級の勢力図が動いたじゃないですか。この状況についてはどう思ってますか?
「いろいろ強い選手がRISEのリングに上がってくれるのは嬉しいこと。RISEのレベルが上がるというか。55kgがもっと面白い階級になれば盛り上がっていくと思うので、その辺は特に思うことはないですけど『あ、面白くなってきたな』っていうのは感じましたね」
――でも55kgのトップは譲らないと?
「もちろんありますし、55kgでまだリベンジしないといけない相手もいてるんで、それまでは僕も絶対負けないしトップは絶対譲らないですね、誰にも」
――再戦の話が先ほど出ましたが、勝ってる身からすると勝ち逃げしたいというか受けなくてもいいという考え方もあると思うんですけど、ご自身ではそいうったメリットはあるのかと心境としてはどうだったんでしょうか?
「メリットは正直ないというか、メリットとかじゃなくて再戦は再戦なんですけど、江幡選手ともう一回やったら絶対前回より面白い試合できるなと思ったんで、受けましたね」
――立場的には格下相手というわけではないですけど、「受けてあげるよ」という感じなんですかね?
「別にそんな気持ちないですけどね。僕は結構『やりたい』って言われてるってことはナメられてるっていうことやと思ってるんで、そういう相手は片っ端からじゃないですけど、やりたいんやったらやったるよって感じで。それで試合で見せつけるというか、そういうスタンスなんで僕は。いつでもやります」
――那須川天心選手との試合で得られたものがあれば教えてほしいのですが。
「あの試合で得られたものは…ハッキリ言ってないですよね、負けたし。でもこの負けを意味のある負けにしていくのは自分自身やと思うので」