キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】日米ナイス・ガイ対決に武来安「インパクトのある、お客さんの記憶に残るような試合を見せたい」

2021/10/25 14:10
 2021年10月29日(金)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2021 vol.5』にて、スーパーファイトのKNOCK OUT-BLACK -76.0kg契約3分3R延長1Rで松倉信太郎(TRY HARD GYM) と対戦する武来安(アメリカ/上州松井ジム) のインタビューが主催者を通じて届いた。  武来安はアメリカ北西部のモンタナ州出身で、留学生として日本へ渡りキックボクシングでプロデビュー。ヒジありのムエタイルールで活躍し、2018年9月にはK-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメントにも参戦。2019年7月に本来のムエタイルールに戻ってWMCインターコンチネンタルライトヘビー級王座を獲得した。今年5月にはRISEに初参戦し、小西拓槙を判定で破っている。今回は王者・松倉との戦いのために、ベスト体重のライトヘビー級(-79.38kg)から3kg以上絞っての参戦となる。  アメリカ人でありながら日本のキックボクシングに惚れ込み、群馬に拠点を置いて活動する武来安は、初参戦の『KNOCK OUT』でいきなり王者の松倉と激突する。上の階級でベルトも獲得している武来安が、このリングで目論んでいることとは? 『サムライがまだいるのかな?』と思ってたぐらいでした ──今回、『KNOCK OUT』には初参戦ですね。これまで『KNOCK OUT』にはどんなイメージを持っていましたか? 「『KNOCK OUT』の試合をいろいろ見てきましたが、ムエタイ・スタイルのREDルールでもキック・スタイルのBLACKルールでも、インパクトのある激しい試合が多いですね。僕も日本のトップの団体にいろいろ出させてもらってますが、今回そんな『KNOCK OUT』というトップ団体に出させてもらって、すごく光栄です」 ──対戦相手は松倉信太郎選手です。松倉選手の印象は? 「試合が決まった時に、インターネットで発表したんですが、いろんな友達からメッセージが送られてきたんです。『松倉選手、知ってますよ! すごくいい人!』『松倉選手はすごくナイス・ガイ!』って。僕としては、自分が一番ナイス・ガイだと思っているので、今回はナイス・ガイ対決になると思いますね。松倉選手はテクニックもあるし、すっごくタフだと思うんですけど、ナイス・ガイという面では勝負したいですね」 ──「ナイス・ガイ対決」はどこで勝負がつくんでしょうか(笑)。 「どうですかね、よく分かんないですけど(笑)。松倉選手のインスタグラムを見たら、僕についてナイスなコメントをしてくれてたので、『あー、僕ももっとナイスなコメントをすればよかった!』と後悔しました。礼儀正しさで比べたらいいかもしれないですね。試合では殴り合って、終わったらいつか飲みに行きたいです」 ──松倉選手は前回、トーナメントを制して初代王者になりました。トーナメントの試合はすさまじい激闘でしたが、見ていかがでしたか? 「見ました! すごく熱い試合で、見てて燃えました。松倉選手はやっぱりタフだし根性もあるし、チャンピオンらしく戦っていたと思います。そんな選手と戦えて誇りに思ってますし、今回はタイトル戦ではないですが、彼もチャンピオンの立場で戦ってくると思うし、彼に勝てばいいアピールになると思うので、毎日全力で練習に取り組んでいます」 ──武来安選手の試合は5月以来で、ここ最近は試合間隔が空きがちですが……。 「去年はコロナもあって試合ができませんでした。それに子供も2人生まれて家族の仕事もあったし、ケガもしたので、ここ数年はあまり出られなかったんです。今年は5月に試合をしましたが、その時もヒザの調子がよくなくて。でも、そこからいろんなリハビリもして、家族のことも落ち着いてきたので、今度の試合は万全でやれると思います」 ──ただ、期間は空いているとは言え、3連勝中です。コンディションの維持が難しい中で勝ち続けている理由は何でしょう? 「僕は今、仕事もキックボクシングのインストラクターですし、毎日、ほとんど1日中キックボクシング漬けの日々を送っています。それに今、日本のキックに出ているアメリカの選手は僕しかいないので、『アメリカ代表』という立場を背負って戦っているという思いも強いですね。日本で見守ってくれているジムの会長に勝った姿を見せて、アメリカにいる両親に『勝ったよ!』って電話で報告するのを楽しみに頑張っています」 ──5月の試合は83kg契約でしたし、これまで75kg~90kgといろんな階級で試合をしていますよね。その中で、今回の76kg契約というのは? 「これまで1回だけ、75kgで試合したことがあるんですが、その時は通常体重も重かったし、落とすのがけっこうつらかったんですよ。でも、今回は落とせるぐらいの体重は普段から維持しているので、今回の方がいいパフォーマンスを出せると思います」 ──では普段の練習で、今回の試合に向けて一番強化している点はどこでしょう? 「今まではムエタイ・ルールの試合も多かったんですけど、最近はヒジなしの試合が多くなってきたので、ボクシングやパンチのディフェンスを多く練習しています。それから、ムエタイではなくキックのリズムで戦いながら、その中でムエタイの得意技を生かすやり方も学んでいます」 ──タフな松倉選手に対して、どういう試合をしてどう勝ちたいですか? 「前回、5月の試合と同じようにインパクトのある、お客さんの記憶に残るような試合を見せたいですね。そしてノックアウトも狙っています。判定まではいきたくないですね。僕の方が体が大きいので、それを生かしてプレッシャーもかけて勝ちにいければと思っています」 ──松倉選手はチャンピオンなので、勝てばタイトルマッチに持ち込むことも可能になってきます。 「もちろんそこも狙ってます。『KNOCK OUT』はトップ団体なので、そのタイトルが獲れれば最高ですね」 ──今回が初参戦なので、プロフィール的なこともお聞きできればと思います。初めて来日したのは……。 「2005年頃、大学生の時に交換留学生で日本に来たのが最初です。大学での副専攻が日本語だったんですよ。勉強しに来たんですけど、空手とかテコンドー、レスリング、ボクシング、総合格闘技の経験もあって、日本の格闘技に憧れてましたね。『サムライがまだいるのかな?』と思ってたぐらいでした(笑)。大学では部活でキックボクシングも練習させてもらってました」 ──サムライはいなくて残念でした(笑)。それからずっと日本に? 「いえ、交換留学生は9ヵ月間で、一度アメリカに戻りました。次は文部科学省の『JETプログラム』というのがあって、地方に住んでいる人に国際的な知識を身につけてもらうために、各国から先生を招くというもので、それで3年間、群馬県の片品村というところに住んだんです。その時に、上州松井ジムに入りました。その時は5試合ぐらいやりましたね」 ──それが3年間で、また一度帰国されたんですね。 「はい。でも、キックボクシングを本格的にやるんだったらアメリカじゃないなということが分かってきて、2014年にまた日本に来ました。アメリカは、総合格闘技は盛んですけど、キックはそこまででもないので、やはり日本だなと。日本ではキックはメジャーとは言えないまでも、アメリカよりは盛んだったので。2014年からは、本当にキック漬けの毎日を送っています」 ──では、その証としてのタイトルもほしいところですね。 「本当にそうです!『KNOCK OUT』みたいな団体のタイトルが獲れれば、日本で頑張ってキックをやってきた証が、形として残せることになります。そのためにも今回勝ってタイトルマッチにつなげられるように、松倉戦に集中しています」 ──では当日、自分のどこに一番注目してほしいですか? 「僕は国籍はアメリカですが、日本がすごく大好きです。すごくいいところだし、文化も尊敬しているし、日本という国がなければ、僕のキック人生もなかったですから。大好きな日本のファンの皆さんに、熱い試合を見せて恩返ししたいですね。その気持ちが感じられる試合をしたいと思うので、そこに注目してほしいです」 ──ちなみに日本食で一番好きなものは何ですか? 「松井章会長が作る十割そばが最高なんですよ! 群馬で獲れるマイタケの天ぷらと一緒に食べるとホントにおいしいんです。今度の試合に勝って、また食べるのが楽しみです」
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