デビューから3戦、わずか8カ月で王座に就いた“組み技のハイブリッドガール”伊澤が強敵パク・シウと対戦
2021年10月23日(土)東京・後楽園ホール『skyticket Presents DEEP 104 IMPACT』の前日計量&記者会見が、22日(金)都内にて13:00より行われた。
第4試合で今大会唯一の女子マッチDEEP JEWELS 49kg以下5分3Rで対戦する、伊澤星花(フリー)は48.35kg、パク・シウ(KRAZY BEE)は48.00kgでそれぞれ計量をパス。
伊澤は東京学芸大学教職大学院生で23歳。小学生から柔道とレスリングを始め、レスリングでは2012年ジュニアクイーンズカップ52kg級準優勝、2012年沼尻直杯全国中学生選手権女子57㎏級で優勝。柔道は高校2年生の時にインターハイ3位と全国選手権5位に入賞。2019年東京学生柔道体重別選手権女子52kg級では準々決勝まで進出している。さらに女子相撲にも出場し、2019年の全日本選手権で準優勝と、組み技のハイブリッドガールだ。
2020年10月のDEEP JEWELSでプロMMAデビューし、54.5kg契約でARAMIに判定勝ち。12月の2戦目でDEEP JEWELSストロー級(-52.2kg)王者・本野美樹といきなり対戦し、判定勝ちで番狂わせを起こした。2021年6月にはタイトルマッチでの再戦で本野を1R3分32秒、腕十字で破りデビューから3戦、わずか8カ月で第4代DEEP JEWELSストロー級王者となっている。
対するシウは、ハム・ソヒの妹分で、テコンドーとキックボクシングがバックボーン。2019年6月のREBELSでは立ち技でぱんちゃん璃奈に敗れるも圧力で苦しめ判定まで持ち込んでいる。MMAでは、2018年8月の富松恵美に完封勝利、2019年12月の青野ひかるにKO勝ち。2020年12月には大島沙緒里に判定勝ちを収めている。
2021年3月のDEEP JEWELSアトム級GPに参戦すると、1回戦でにっせーに判定で勝利。しかし、続くGP準決勝での大島沙緒里との再戦で、左ストレートでダウンを奪うも、パウンドを腕十字に極められ、1R 一本負けを喫し、戴冠ならなかった。今回が再起戦。
計量を終えたシウは「明日の試合必ず勝ちたいと思います」とシンプルなコメント。伊澤は「今回このような面白い試合を組んでいただきありがとうございます。男子の中で女子の試合も出来るので、DEEP JEWELSの強さを見せます。明日は完全決着で決めます」と意気込んだ。
今回は49kg契約。伊澤が体重を落とし、シウが体重を上げて、RIZIN女子スーパーアトム級と同じ49kg契約で対戦する。一階級下とはいえ、これがプロ4戦目の伊澤にとっては強敵だ。
しかし伊澤は「楽しみがいっぱいです」と笑顔を輝かせる。「今までグラップラーの選手とやることが多かったので、今回はストライカーの選手と出来るってことで自分がどれだけ出来るのかなって楽しみもあるし、お客さんもこのカードを楽しみにしてくれていると思うので、もうワクワクが止まりません!」と、嬉しくて仕方がないという様子。
9月のDEEP JEWELSグラップリングタッグマッチで富松恵美、長野美香から連続一本勝ちを奪い、指導する横田一則が「バケモノ級に強い」と評するほどのグラップリングの実力者である伊澤だが、今回は「どういう展開になるかは分かりませんが、距離をとって打撃が出来る展開になったらどれだけ自分が打撃を出来るのか試していこうかなと思っています」と、打撃も試したいという。
シウについては「組みに行く時に奥の手で構えているストレートと、スイッチした時の三日月蹴りは気を付けたいと思います」と、研究は万全。「1日1回は動画を見て研究しました(笑)。動画を見るのが好きなので、動きの癖とかを見てその動きをジムの人にやってもらいながら練習しています」という研究熱心ぶり。
そして最後は「何で決まるかは分かりませんが、試合をフルラウンドはせずに一本かKOで終わらせます」と必ずフィニッシュしたいとする。
シウを強敵と認めながらも、この相手を圧倒できなければ“世界”とは戦えないという考えだ。「ここで負けていたら、まだRIZINとか世界とかは言えないと思います。そのためにも勝ちたい」
同じDEEP JEWELSのアトム級王者・大島沙緒里(AACC)が翌日に開催される『Yogibo presents RIZIN.31』にて、浅倉カンナ(パラエストラ松戸)と対戦する。先を越された悔しさはあるかと聞くと、伊澤は「別に焦りとか嫉妬心はなくて、自分に与えられた試合があるので、その試合で勝つことが自分の仕事かなって思います。別にそれがどこの試合かとは気にしていないので。私は今回、パク・シウ選手という素晴らしい選手と試合が出来るのが嬉しいし、絶対に勝ちたいです」と、与えられた試合で勝っていくことが自分の仕事だと語った。