得意の三日月蹴りは左右どちらでも蹴ることができ、アゴを蹴る「上弦ノ三日月蹴り」という必殺技も持つ一馬(C)RISE
2021年10月22日(金)東京・後楽園ホール『RISE 152』のメインイベントにて、同級2位・石月祐作(KAGAYAKI)とRISEスーパーフェザー級(-60kg)暫定王者決定戦を争う同級1位・一馬(MONSTAR GYM)が公開練習を行った。
一馬は中学時代に野球で日本代表になった経歴を持ち、海上自衛隊・航空士として体力測定で全隊員中トップの成績を収めたという身体能力を持つ。早くからYouTuberとして活動していた選手で、2018年6月にはボクシングからキックボクシングにカムバックした白鳥大珠の復帰第一戦の相手を務めた(1Rで白鳥がKO勝ち)。その後は竹内皇貴を初回KO、前口太尊を3RでKO、ノラシンを初回KOと3連続KO勝ちを飾っている。1年に1~2試合しかしない“RISEのレアキャラ”でもある。
当初は今大会でチャンヒョン・リー(韓国)が持つスーパーフェザー級王座に挑戦予定だったが、チャンヒョンが新型コロナウイルスの影響で来日が困難となっており、防衛戦の見込みが立たないため石月と暫定王者決定戦を行うことになった。
公開練習で一馬はシャドーに続いてミット打ちを披露。ミドルキック、三日月蹴り、ヒザ蹴り、ストレートを左右交互にどちらの構えでも出来るところを見せた。
今まではタイトルマッチに興味がなかったけれど…
――ようやく念願の王座決定戦が決まりましたけれど、決まった時の心境はいかがですか?
「やっぱり嬉しかったですね、やっと決まったかっていう。16年間格闘技続けてきて初のタイトルマッチなので、気合い入れて一発で獲りに行きたいなと思っています」
――プレッシャーはありませんか?
「特に感じてないし仕上がりが凄くいいので、今回は自信しかないですね」
――実際今の公開練習を見て、頬のこけ具合を見たら本当にかなりいい仕上がりになるんじゃないかと思いますけれど、明日試合やってもいいくらいのコンディションですか?
「そうですね。減量中なんですけれど減量苦は今回全くないですし、スピード・パワー・スタミナどれをとっても過去一ですね」
――結局タイトルマッチは以前一馬選手が予想した通り、王者のチャンヒョン・リーが来日できないということで石月選手との暫定王者決定戦になりました。ある程度予測はしてたと思いますが、実際に石月選手とやるということに関してはどうですか?
「日本人でランカーとしては石月選手が一番強いので、RISEのタイトルマッチに一番相応しい選手だと思ってます。なので、僕としても一番良い選手とできるなってことで気合いは入ってますね」
――現時点でいろんなシミュレーションはもうしてますか?
「もちろんしてますね。石月選手は毎回同じ戦法・スタイルなので、そこの対策もしつつ自分の長所を伸ばして、スタミナもそうだしパワーもそうだしスピードもそうだし、自分の良さをどんどん上げていくっていう練習をしてきました」
――前回ノラシン選手をKOした必殺技の『上弦ノ三日月』とか第二、第三の必殺技を皆さん期待すると思うんですけれど、その辺はいかがですか?
「もちろん今まで出してこなかった技もありますし、戦法も新しい技も今回必ず使うだろうっていう技も用意しているので、そこを見てほしいですね」
――それは『下弦ノ三日月蹴り』ですか?それとも第三、第四の必殺技ですか?
「技は第三、第四の技ですね。戦法は多分、今まで使ったことがないのである意味、僕のことを知っている人が見たらびっくりする戦法だと思いますね」
――みんながあっと驚くっていう感じですか?
「そうですね、驚くしこんなことも出来るんだな、何でも出来るんだなっていうところを見せたいですね」
――もしそれがクリーンヒットしたら、前回同様に衝撃的なKO勝利に繋がる感じですか?
「当たれば倒れると思っています、タイミングなので」
「印象はやっぱり気持ちが強い。あとはフィジカルも強い、打たれ強い。本当に強い、強い、強いじゃないですかね。そういう印象ですね、とにかく強い」
――これまで石月選手の試合はいつか戦うと思ってご覧になっていたんですか?
「いつか戦うだろうとは思っていましたが、こんなに早く実現するとは思っていなかったですね。ただ想定はしていました」
――石月選手はどちらかというと激闘派で、ガンガン攻めてくるタイプだと思うんですけれど、そういうタイプは自分的にはどうですか?
「僕は今までRISEに出場してから、ずっと激闘派の選手とやってきているので慣れてはいます、そういう前に出てくる選手はやりやすいです」
――先ほどのミット打ちで左右どちらでも三日月を蹴れるというのを見せましたけれど、もう左右関係ない感じなんですか?
「そうですね、僕は右も左もスイッチで使えるし、サウスポーでも全然戦えるので、右も左も殺傷能力のある攻撃を持っています。ディフェンスもどっちも出来るので」
――格闘技を始めて16年で初のタイトルマッチ、何でこんなに遠回りだったんですか?
「言っちゃうと、タイトルマッチにあまり興味がなかったというのはあります。ベルトとかも(笑)。ここで今まで応援してくれている人たちにベルトを獲ってあげたいって気持ちが今は強いですね。自分のためというよりも、周りの人たちのためにベルトを獲りたいという気持ちが一番大きいです。そこを全面に試合で出していきたいなと思っています」
「きっかけはないですけれど、やっぱり僕がランキングで上にあがるにつれてベルトを獲ってほしいとか、今まですっと応援してきた人たちがいてくれる中で、何で自分は好きな格闘技を出来てるんだろう、って。そういうところで恩返ししなきゃいけないなってところは出てきましたね」
――では、恩返しという意味で気合いも過去一入ってる?
「そうですね、過去一ですね。一発でベルトを獲りにいきたいと思っていますし、そのあとのチャンヒョン・リー戦もしっかり見据えていい試合をしたいと思っています」
――RISEのメインイベントとタイトルマッチに相応しい試合ができるということですか?
「そうですね、そのつもりです」