新日本キックボクシング協会「TITANS NEOS 29」2021年10月17日(日)東京・後楽園ホール
▼スペシャルメインイベント(第12試合) 62.0kg契約 3分3R〇重森陽太(伊原道場稲城支部/WKBA世界ライト級王者、KNOCK OUT-REDライト級王者)判定3-0 ※30-29、30-27、30-28×REITO BRAVERY(BRAVELY GYM/KOSスーパーフェザー級王者)
重森は16歳でプロデビューし、10戦目で無敗のまま新日本キックボクシング協会の日本バンタム級王者となり、14戦目で初黒星を喫するまで無敗を保った。20歳で日本フェザー級王者となり二階級制覇を達成。2017年12月には『KNOCK OUT』で、4年間無敗の18連勝を誇っていたマキ・ピンサヤームに黒星を付けてその名を轟かせた。2019年7月にWKBA世界ライト級王座を獲得して三階級制覇。前戦となった今年7月にはスアレック・ルークカムイから勝利を収め、KNOCK OUT-REDライト級王者に輝いた。戦績は34勝(17KO)3敗5分。
対するREITOは九州のKOSスーパーフェザー級タイトルを保持する21歳。戦績は17戦9勝(3KO)3敗5分。
1R、オーソドックスに構える重森はサウスポーのREITOに右ミドル、ストッピングする左の関節蹴りを連発。REITOはなかなか手を出せない。
2Rも重森はREITOの前進を止めるような強烈な右ミドル。さらに右インロー、関節蹴りでREITOの前足を削っていく。REITOは効いてきたか、バランスを崩す場面も。
3Rも重森が右ミドル、関節蹴りを多用しペースを握ったまま。重森はポイントを取る安全な戦い方でREITOを圧倒し、判定勝ち。
マイクを握った重森は「2021年今年最後の新日本キックの興行のメインを締めることができて嬉しく思います。2022年は3月から4回興行を予定しています。本当はKOしたかったんですが、倒す姿勢は見せられたと思います」といい、来場したKNOCK OUT宮田充プロデューサーを見つけると「10月29日の『KNOCK OUT』の大会ポスターで、選手(=龍聖)が一人だけ掲載されたことが賛否出ていますが、僕はいいことだと思います。これからの新日本キックも、いつも同じ選手がメインに出るのではなく、若い選手にもチャンスがあればいいと思います」とアピールした。
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▼トリプルメインイベント(第11試合) 64.0kg契約 3分3R△勝次(藤本ジム/WKBA世界スーパーライト級王者)ドロー 判定0-1 ※29-29×2、29-30△NOBU BRAVERY(BRAVELY GYM/KOSスーパーライト級王者、BOMスーパーライト級王者)
勝次は2003年にプロデビューし、2015年にキャリア12年目にして新日本キックボクシング協会の日本ライト級王座に就いた。2017年にKNOCK OUT初代ライト級トーナメントへ参戦すると、1回戦の不可思戦、準決勝の前口太尊戦といずれも倒し倒されの大激闘を演じて一気に名を挙げ、決勝では森井洋介に敗れるも大きなインパクトを残した。2019年10月には悲願であったWKBA世界王座をTKO勝ちで獲得。12月にはREBELS王者の丹羽圭介を激闘の末に下したが、2020年2月大会でロンペットY’Z D GYM、9月大会で潘隆成、10月大会で畠山隼人に判定負けで泥沼の3連敗。今年4月、蹴拳ライト級王者・小磯哲史に2RでTKO勝ち。前戦となった6月の剣夜戦では3RTKO勝ちした。
対するNOBUはWPMF世界スーパーライト級暫定王座、WPMF日本同級王座、KOS同級王座を獲得してきた大分をベースに活動している和製ムエタイ選手。戦績は20勝(7KO)15敗1分。7月のBOMスーパーライト級トーナメント王座決定戦では健太を下して4つ目のタイトルを獲得した。
1R、ゴングと同時に飛び込んだ勝次は顔面前蹴り。そこから一気に畳みかけるように左ジャブ、右ストレート。冷静にブロックするNOBUはプレッシャーをかけて右ミドルを返していく。
2R、さらに前進するNOBUは右ミドル。勝次は左ジャブ、右ストレートを入れていくものの、NOBUは手数を出しながら前に出続ける展開に。
3R、NOBUが右ストレートをヒットさせてプレッシャーをかける。追われる勝次は下がりながらも攻撃を返していくが、劣勢の印象は強い。NOBUが最後まで倒しに行く姿勢を見せを追い込むが、勝次も攻撃を返したところで終了。判定はドロー。勝利を確信していたNOBU陣営は驚きの表情を見せていた。
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▼トリプルメインイベント(第10試合) 74.0kg契約 3分3R△斗吾(伊原道場本部/日本ミドル級王者)ドロー 判定0-1 判定29-29×2、29-30△佐野克海(拳之会/NJKFスーパーウェルター級2位)
対戦相手の選出に難航するなどで2019年10月のイ・ジェウォン戦以降、2年ぶりの試合となった斗吾が、NJKFランカー・佐野と対戦した一戦。佐野は今年6月にNJKFスーパーウェルター級暫定王座決定戦に臨んだ実績を持つ。
1R開始早々に、佐野が左ローから左ストレートを当てダウン寸前まで斗吾を追い込む。耐えた斗吾はバチバチの打ち合いへ。
2R、ここでも打ち合いとなり、斗吾が右フックを当てるも、佐野は怯むことなく前進してフックを当て返す。
3R、さらに打ち合いは続く中、佐野はテンカオを交ぜて前進。お互いに最後まで打ち合ったが、ドローに終わった。
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▼トリプルメインイベント(第9試合) 70.0kg契約 3分3R〇リカルド・ブラボ(アルゼンチン/伊原道場アルゼンチン支部/日本ウェルター級王者)TKO 3R 2分11秒 ※レフェリーストップ×チャンスック・バーテックス(タイ/VERTEX/元タイラットTVスタジアムライト級王者)
アルゼンチンからのキックボクシング留学生ブラボは来日して4年。2020年10月にはTENKAICHIキックボクシングウェルター級1位・幸輝を2Rに左フックでKO、12月の津崎善郎との再戦は判定3-0での勝利となったが、今年4月には元NJKFスーパーウェルター級王者YETI達朗に初回TKO勝ち、6月にはTENKAICHウェルター級3位・杉原新也にも初回TKO勝ち、8月の西村介佑戦では1RKO勝ちと勢いに乗っている。
対するチャンスックは87戦69勝(11KO)18敗の戦績を持つ23歳。長身を利した首相撲からのヒザ蹴りを得意とし、元ラジャダムナンスタジアム認定ライトフライ級3位、元タイラットTVスタジアム認定ライト級王者。数年前にラジャダムナンのリングで梅野源治に勝利しているサックモンコン、現在ONEトップ戦線で活躍するセンマニーといった一流ムエタイファイターとの対戦経験がある。今年6月に来日すると、元WBCムエタイ日本統一スーパーウェルター級王者・YETI達朗を左ヒジ一発で流血に追い込み143秒でTKO勝ち。9月のシュートボクシングではSBエース海人と対戦し判定負けしたが、ムエタイトップクラスのテクニックで海人を驚かせた。
1R、ブラボが左右ロー、カーフも交ぜてこつこつ当てていく。チャンスックは涼しい顔をして高速ハイキックなどを返して脅かす。
2R、ブラボの右カーフが徐々に効いてきたか、動きの止まったチャンスックにブラボが手数を増やしていく。
3R、完全に足が効いてきたチャンスックに、ブラボが左ボディブローをクリーンヒットさせて一気に仕留めにかかる。テンカオを喰らったチャンスックは倒れ込みそのまま立ち上がれず。KO勝ちしたブラボは、母国アルゼンチンはこの日(10月17日)が母の日ということもあり、「今日はおめでとう」とスペイン語でメッセージを送った。
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▼セミファイナル(第8試合) 63.5kg契約 3分3R〇髙橋亨汰(伊原道場本部/日本ライト級王者)TKO 2R 1分20秒 ※レフェリーストップ×剣夜(SHINE沖縄/前TENKAICHIスーパーライト級王者)
髙橋は2020年10月に健太からダウンを奪っての勝利、今年4月には山浦俊一にも判定勝ち。前戦となった6月のTENKAICHIスーパーライト級王者リュウイチ戦では2RTKO勝ち。
対する剣夜は沖縄在住のキックボクサーで元ホスト。戦績は11戦7勝(4KO)4敗。TENKAICHIスーパーライト級王者だったが、2020年3月にリュウイチに延長戦の末に敗れて王座を失った。現在はTENKAICHIスーパーライト級1位。前戦では6月の新日本キックのメインイベントで勝次と対戦し3RTKO負けを喫した。
1R、サウスポーの髙橋が左ミドル&三日月蹴り、左ストレートを当て圧倒。2Rも勢いの止まらない髙橋が左ミドルだけでなく、ヒジも振るって前進。耐えた剣夜だが、左目下が腫れあがりドクターチェックへ。そのまま試合がストップし、髙橋のTKO勝ちとなった。
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▼第7試合 WKBA日本バンタム級王座決定戦 53.52kg契約 3分5R×泰史(伊原道場本部/元日本フライ級王者)判定0‐3 ※47-48、48-49×2〇佐野佑馬(創心會/WMC日本バンタム級6位)※佐野がWKBA日本バンタム級王者に
昨年2月、WKBA日本スーパーフライ級王座決定戦で日畑達也に1RKO負けを喫した泰史が、再びWKBAタイトルに挑戦。対する佐野は12戦とキャリアは浅いが技巧派として知られる。
1R、サウスポーの佐野がテンポよく左ミドルを当て主導権を握る。泰史は押されながらも右インロー、右ミドルを返すが勢いに飲まれた。
2R、泰史は佐野の左ミドルを潰して接近戦に持ち込む。パンチ連打で佐野をKO寸前に追い込み巻き返しを見せた。3Rには、佐野が左ストレート、ヒジで逆襲し、シーソーゲームとなる。5Rには打ち合いの中で佐野がヒジを当て、カットに成功。顔面が腫れあがる泰史はガンガン前に出て逆転を狙うが、佐野は左ミドル、パンチを随所で当てそれを許さず。判定で佐野が勝利し、新調された赤のベルトを巻いた。
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▼第6試合 56.0kg契約 3分2R ※ヒジ・ヒザなし×中村哲生(伊原道場本部)TKO 1R 2分16秒 ※レフェリーストップ〇ケント(ツルザップ)※デビュー戦
56歳の中村と23歳のケントの一戦。1R、パンチ連打でダウンを奪ったケントは何度も左ハイキックでKO寸前まで追い込む。耐えた中村だったが、力尽きて打たれ続けるとレフェリーがストップした。
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▼第5試合 フェザー級 3分3R〇瀬川 琉(伊原道場稲城支部)反則 2R 0分38秒×松永尚恭(東京町田金子ジム/NJKFフェザー級5位)
1R、左ミドル、左ストレートの瀬川に対し、松永は右ストレートの構図。2R、レフェリーが止めたタイミングで、松永がヒジを見舞ってしまい試合は中断。瀬川にダメージが見られたために試合続行不可能となり、松永の反則負けとなった。
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▼第4試合 59.0kg契約 3分3R△ジョニー・オリベイラ(ブラジル/トーエルジム)ドロー 判定1-0 ※29-29×2、30-29△祐輝(OU-BU GYM)
56戦のベテラン・ジョニーが右ミドルからの右ストレートを当て、すぐに組み付いて首相撲を仕掛ける展開。組まれた祐輝はペースを乱されてしまう。その展開が続き、お互いに決定打がなくドローに終わった。
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▼第3試合 64.0kg契約 3分3R×甲斐康介(伊原道場本部)不戦勝〇星 裕久(ワイルドシーサー高崎)
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▼第2試合 49.5kg契約 2分3R ※ヒジなし、顔面ヒザなし×オンドラム(伊原道場本部)判定1-2 ※29-30×2、29-29〇Yuka☆(SHINE沖縄)※デビュー戦
右ストレート、組んでのヒザの目立った攻撃で印象いいYukaが接戦を制した。
▼第1試合 ウェルター級 3分2R×大場一翔(伊原道場本部)※デビュー戦TKO 2R 0分37秒 ※レフェリーストップ〇悠YAMATO(大和ジム)