キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】初のタイトル戦に臨む龍聖「自分でも獲って当たり前と思ってるし。ここで止まってるわけにはいかない」

2021/10/15 18:10
 2021年10月29日(金)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2021 vol.5』にて、九州三冠王・銀次(Next 零)とKNOCK OUT-BLACKフェザー級王座決定戦3分3R延長1Rを争う龍聖(TRY HARD GYM)のインタビューが主催者を通じて届いた。  龍聖は小学1年生でキックボクシングを始め、HIROYAの指導を受けアマチュアで多くの経験を積んで2019年4月にプロデビュー(KO勝ち)。“HIROYAが送り込む刺客”として同年8月のREBELSに初参戦し、強打で2R53秒KO勝ち。その後もKOで連勝し、2020年12月のREBELSでは聖域統一フェザー級王者・光太郎ZLSに1Rわずか51秒でハイキックによるKO勝ち。6戦6勝全KO勝ちのパーフェクトレコードを更新していたが、3月大会で大脇武に判定勝ち。無敗記録は更新したものの初めてKOを逃してしまった。8月大会では井上竜太を1R2分でTKOに仕留めている。戦績は8勝(7KO)無敗。今回、いよいよ初のタイトル獲得に臨む。 勝ったヤツが偉いんですよ ──銀次選手のインタビューが公開されたばかりなんですが、読みましたか? 「いや、全然(笑)」 ──そう思って、その文面を用意してきました。まず読んでいただけますか? 「(プリントされた紙を受け取って)長いっすね(笑)。ゴチャゴチャしゃべってんじゃねえよって。(読み始める)」 ──じっくり読んでいただいてありがとうございます。……感想は? 「恥ずかしいなと思いますね、ポスターのこととかもいろいろやってるけど。試合後、地元に帰れなくなっちゃうんじゃないですか? 熱くなってるなとも思うし」 ──熱いということは、その気合いは伝わってくる? 「気合いっていうか…熱くなってるなと。その時点で俺の勝ちなのかなと思うから」 ──龍聖選手は、熱くなってはいないんですか。 「昔は本当にすぐ熱くなってて、『●してやる』ぐらいの感じだったんですよ。でも、そんな感じだと絶対どっかに弱さが出るんですよね、やっぱり。一番強いヤツってのはロボットみたいというか。熱くなってた頃は、会長から『怒りをコントロールしろ』って言われたんですよ。ちょっとその意味が分かんなくて。怒りなんてコントロールできるわけがないと思ってたんですよ。でも、その意味が最近ちょっと分かってきたんです」 ──ほう。 「挑発とかされると『コイツ、キメェな』と思ったり、『マジ、コイツぶっ飛ばしてぇな』っていう怒りはあるんですけど、それを最近はコントロールできるようになってきたんです。無心でロボットみたいに、機械的にじゃないけど、淡々とやる、そういうのが強いんだなと思うようになりました。彼はそういうタイプじゃないと思うんで、俺の方が強いかなと思います」 ──淡々とやる準備はできてると。実際、対策はしてるんですか? 「対策というか…相手がこういう感じだから、こうしていこうというプランは作ってますし、相手のことはだいたい頭には入ってます」 ──その中での、現時点で持っている相手への印象というのは? 「テクニックはもちろん、ない。パワーはやってみなきゃ分かんないですけど、実際に体がぶつかった時とかは、全然僕の方が強いと思うし。まあもちろん根性はあって、すごく気持ちが強い選手だなとは思いますけど」 ──警戒する部分は? 「ガチャガチャの打ち合いの場面になった時とか、あとは大技ぐらいですかね」 ──でも、ガチャガチャにはさせないつもりなのでは? 「もちろん、そういう展開にするつもりですけど、絶対どこかで近い距離になることはあるので、そこでガチャガチャしてるように見せて、俺だけ当てるとかっていうのが理想ですね」 ──今回の大会ポスターを見ても、大会の主役として期待されているというか、ある意味獲って当たり前と思われている状況の中で試合をする心境はどうですか? 「プレッシャーとかはあんまり感じないです。自分でも獲って当たり前と思ってるし。だから、特にないです」 ──その先に気持ちが行っている? 「そうですね、それはもちろんあると思います」 ──ただ、あまり気持ちが先に行ってると、足元をすくわれて「ほら、目の前の試合を見てないからだ」と言われることもあるじゃないですか。 「そんなん、勝ったヤツが偉いってだけですからね。僕は『先を見てます』と。相手は俺のことしか見てないじゃないですか。それで僕が勝ちましたってなったら、『目の前じゃなくてもっと先を見てるヤツが強い』っていうことになるし、僕が負けましたってなったら、『そんな先ばっかり見てないで、目の前のことだけやってたヤツが強い』っていうことになるだけで。勝ったヤツが偉いんですよ。だから気にしないです」 “第1章”のゴール、かな ──なるほど。同時に、後楽園ホールで初のメインでもあります。 「あ、そうですね。うれしい!」 ──今気づいたんですか(笑)。 「言われたら、『確かに!』と思いました(笑)」 ──後楽園大会、いわば“本戦”のメインだから、そこでの役目というのもありますよね? 「あ、気にしたことないっす!(笑) 『メインイベンターらしく』とか言うけど、そんなの別になくないっすか? じゃあ、メインイベンターらしく、すげえカッコいい試合をしたら何かあるかっていうと、別に何もないじゃないですか」 ──いやいや、人の気持ちには残ると思いますよ。 「…確かに」 ──気付きましたか(笑)。でもこれまでも、8月の新宿FACE大会はメインでしたよね。あの時は何も感じなかったですか? 「いや、全然(笑)」 ──そうですか(笑)。 「もっとデカい大会になったら変わるかもしれないですけど…あーでも、そういう大会だと逆に長くて待ち時間があるからイヤっすね(笑)。長い大会だったら、逆に先に試合してサクッと終わる方がいいかもしれないです」 ──以前から後楽園大会でも満足できないということは発言されてましたよね。 「そうですね、ここで止まってるわけにはいかないんで」 (写真)記者会見では「もう俺のもの」と言わんばかりにベルトを勝手に持った龍聖──王座に関してはどうですか? 今回は初のタイトルマッチで、『KNOCK OUT』の王座が懸かっているわけですが。 「これまでやってきたことが形になるわけだし、周りも喜んでくれるじゃないですか。だから欲しいですね。『KNOCK OUT』はベルトに重みがあってカッコいいし、早く欲しいなと思ってます。会見で肩にかけてみた時も、けっこう似合うじゃんって思ったし(笑)」 ──でも、これもずっと言っているとおり、ゴールではないと。 「そうですね。“第1章”のゴール、かな」 ──そのベルト獲得にあたって、銀次選手もKOで獲ると言ってます。龍聖選手は何ラウンドで決めたいですか? 「分かんないですけど…2Rか3Rか。効いちゃったら1Rで決まる気もするし、散らしていったら2か3という気もするし…予測不能ですね。ただ、判定にはならないと思います。うん、1Rか2Rで決めたいです」 ──で、インパクトのあるKOをすると。 「お客さんには喜んで帰ってほしいですね。応援してくれてる人たちからは、すごく期待されてるのも感じますし。もちろんその声に応えたいし」 ──そういう人たちに一番見せたいものとは? 「ジムでは、会員さんに教えたりもしていて、僕がチャンピオンになれば、「チャンピオンに教えてもらえる」ことになるわけじゃないですか。そうすると説得力が変わってくると思うし、『いつも教えてくれてる人がチャンピオンになる瞬間』っていうのを見せたいですね」 ──ではそういう点も含めて、当日一番注目してほしいところは? 「スピード、テクニック、タイミング…一番はタイミングかな」 ──その中だったらスピードなのかなと思ってました。 「全然そんなことないです(笑)。タイミングは誉められることも多いですけど。ただ、相手からしたらスピードも全然違うと思うので、その違いを見てほしいですね。モノが違うよと」 ──改めて、銀次選手に何か一言あれば。 「名前が『銀次』だから2番で終わるんじゃないの? って。『金一』だったら一番になれたかもねって伝えてください。いや…伝えなくていいや。試合で分からせるんで(笑)」
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