2021年10月15日(金)午後9時30分から、シンガポール・インドアスタジアムにて、キックボクシング&ムエタイの立ち技のみの大会『ONE: FIRST STRIKE』が開催される。
ジョルジオ・ペトロシアン、アンディ・サワー、チンギス・アラゾフ、マラット・グレゴリアン、エンリコ・ケールという5人の元K-1王者が出場するこの大会に向け、魔裟斗と武蔵が、2人のYouTubeチャンネル『魔裟斗&武蔵チャンネル ムサマサ! チャンネル』で見どころを語った。その一部を、『ムサマサ! チャンネル』とONE Championshipの協力を得て、下記に紹介する。
魔裟斗いわく「どれをとってもメインイベントにできるような大会」は、格闘技ファン必見。また魔裟斗と武蔵は、15日の大会をYouTubeライブで解説を配信するとのことで、こちらも見逃せない。
大会の模様は、2021年10月15日(金)の午後9時30分より、ABEMA 格闘チャンネルとONE公式アプリにて生配信される。
▼フェザー級キックボクシング 世界タイトルマッチジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)スーパーボン(タイ)
魔裟斗「実績ナンバーワンはやっぱりジョルジオ・ペトロシアン。サウスポーで穴が無い、攻撃力も強い」
武蔵「誰もが認める世界一。テクニシャンで、穴が無い。相手が何をしたら当てられるのか分からないような上手さを持っている。そのパーフェクトさが絶対王者と言われるゆえんだね」
魔裟斗「ペトロシアンは2009年のK-1 WORLD MAXのトーナメントで優勝したんですよ。僕がその3カ月後くらいの引退試合でペトロシアンとやろうと思って」
武蔵「谷川貞治さんに全力で止められてた(苦笑)」
魔裟斗「でもリングに上がって行ったら、その試合で(ペトロシアンが)拳が折れていて対戦相手がアンディ・サワーに変わった。だから、彼は2009年頃からずっと世界のトップにいるんですよ。負けたのはアンディ・リスティだけ。ペトロシアンを倒すには(リスティのような)一発の破壊力のある人間しか勝てない」
武蔵「『ストーリーファイター』のダルシムみたいに前蹴りがビヨーンに伸びて来るね」
魔裟斗「対するスーパーボンはブアカーオの弟子で首相撲とヒジ・ヒザも得意」
武蔵「ペトロシアンの上手さできりきり舞いさせられる可能性ある?」
魔裟斗「ペトロシアンに勝つにはムエタイもできないといけない。しっかりペトロシアンのミドルをヒザとかでカットして、ペトロシアンの攻撃のリズムを作らせないような試合ができれば、判定まで持ち込んでどうなるかな? という可能性はある」
武蔵「でも、キックルルールでペトロシアンにムエタイで挑んで勝つのは難しくない?」
魔裟斗「ペトロシアンに引き分けたのはスーパーボンの師匠のブアカーオ。ブアカーオはフィジカルが強かったのもあるけど、ペトロシアンの攻撃のリズムにさせなかった。ミドルをヒザでカットしたりとか、そうするとジャブが当たらないようなものなので、波に乗れない。そういう展開にスーパーボンができればこの試合は面白くなる」
武蔵「ブアカーオが攻略方法を教えてたら、もしかしたら番狂わせがあるかもしれない」
魔裟斗「うーん、でも最近のペトロシアンのフィジカルがすごい。身体つきもバキバキ。この腕! 日本に来た十何年前とは別人のようにフィジカルが強い。35歳、いまが一番ピークじゃないですか」
▼キックボクシング フェザー級ワールドグランプリマラット・グレゴリアン(アルメニア)アンディ・サワー(オランダ)
武蔵「言うたら、旧と新のK-1王者の対決でしょ? こんな贅沢な対戦カード組んでえぇの? サワーもまだやってることがすごい」
魔裟斗「サワーは38歳ですよ。179戦! アンディ・サワーが日本に来たとき、たしか18歳か19歳。その時ですでに90戦くらいやっていたからね。でもグレゴリアンは強いですよ。2015年7月のK-1で3試合連続KO勝ち。決勝でもジョーダン・ピケオーに右アッパーを効かせてKO勝ちしてる。前に出るパワーが半端ない。その前に出る圧力はちょっと野杁正明に似てる。昔のサワーにもその圧力はあった」
武蔵「マラット・グレゴリアンも足を使うというよりは距離を詰めて撃ち合うのが得意。圧力で言えばサワーも距離を潰して潰して、相手の距離にさせずに戦う。この試合、KO必至やね」
魔裟斗「お互いにファイトスタイルが似ているかもしれないですね。僕の引退試合の相手がアンディ・サワーだったので、頑張って欲しいですけど、もしかしたらグレゴリアンに倒されることあるかもしれないな……マラット・グレゴリアンは1991年生まれでまだ31歳。顔だけ見たら……先輩だと思って絶対挨拶するよね(笑)」
武蔵「俺も挨拶するね。でも俺がデビューした時、こいつまだ4歳やで! オマエ、俺“パイセンやぞ”と(笑)。でも、このトーナメントでもマラット・グレゴリアンは優勝候補に挙げてもいいと」魔裟斗「優勝候補のひとりですね」
武蔵「アンディ・サワーに勝ったら勢いに乗るだろうし」
魔裟斗「アンディ・サワーもこれでKO負けしたら、年齢的に最後になる可能性もあるかもしれないですね」
武蔵「同じ拳を交えた仲として頑張って欲しい?」
魔裟斗「そうですね。僕的に一番の注目の試合は、グレゴリアンとアンディ・サワーのこの試合かな。新旧K-1チャンピオンの戦い」
▼キックボクシング フェザー級ワールドグランプリサミー・サナ(フランス)チンギス・アラゾフ(ベラルーシ)
魔裟斗「チンギス・アラゾフもK-1ファイター。アラゾフも『ストリートファイター』のゲームを見ているような戦い方をする。対するサミー・サナは身長190cmもある」
武蔵「フランスはムエタイスタイルも盛んだね」
魔裟斗「サナはペトロシアンには負けている。あの試合は、ペトロシアンが上手くて、サナは身長のアドバンテージをうまく使えていない感じがしましたね。でもサミー・サナはヨーセンクライに勝っています。ブアカーオと並ぶタイのヒーローに勝っているのはすごい。チンギス・アラゾフはスイッチヒッター。右も左もいける」
武蔵「俺と一緒やん」
魔裟斗「でもアラゾフはめっちゃ軽やか」
武蔵「俺のこと否定するの止めて!(苦笑)」
魔裟斗「チンギス・アラゾフは城戸康裕とやっています。アラゾフとやった城戸は1回、階級を落としたんです。アラゾフとやってスーパーウェルターでやるのは無理だと思って、1回落とした。でも、城戸はチンギス・アラゾフから左ストレートで一回ダウンを取っているんです。相手の蹴りに狙いすましたような左ストレートで」
武蔵「中迫剛があのマーク・ハントから初のダウンを奪った(2002年1月のK-1で中迫が右ハイキックでダウン奪うも、3回ダウンを奪い返される)ようなもんやね」
魔裟斗「城戸もそのあと倒されて負けた。城戸いわく『チンギスの攻撃はめちゃくちゃ痛い』と言っていました。戦い方が、今までの僕らが戦っていたのとちょっと違って、3次元的な戦い方。柔らかいんだけど、城戸いわく『めちゃくちゃパワーもある』」
武蔵「サミー・サナ対チンギス・アラゾフは、この凄いメンバーの中で最も見たい試合かもしれない」
魔裟斗「アラゾフはスイッチしてステップも踏んで、ミドルも途中で止められて軌道もハイに変わる。ブラジリアンキックともちょっと違う。マトリックスみたいな戦い方ですよ。
武蔵「ガオグライ・ゲーノラシンがマトリックディフェンスをやってたけどね」
魔裟斗「頭を使った戦い方ですね」
武蔵「俺は、サミー・サナ対チンギス・アラゾフを裏メインにしていいと思う」
▼キックボクシング フェザー級ワールドグランプリシッティチャイ(タイ)タイフン・オズカン(トルコ)
武蔵「タイフン・オズカンは、アーネスト・ホーストが日本に呼びたかった選手。ヨーロッパでは凄い強豪の選手、ホーストが認めるトルコの漢ですよ。ダビッド・キリアに勝ってる」
魔裟斗「シッティチャイも11度世界王者についている強豪です。前戦はムエタイルールでタワンチャイとスプリット判定で競り勝ってますね。キックでは、グレゴリアンに4勝1敗! ONEデビュー戦ではスーパーボンに判定負けしています」
▼キックボクシング フェザー級ワールドグランプリエンリコ・ケール(ドイツ)ダビッド・キリア(ジョージア)
魔裟斗「エンリコ・ケールは、2014年、K-1 MAX タイ大会でブアカーオと競って王者になっている(※本戦判定ドロー、延長戦に向けブアカーオがリングを降りてしまいケールが優勝)。ものすごいダークホースの可能性がある。エンリコ・ケールは、なんと職業が警察官、ミルコ・クロコップと一緒。しかも戦績68戦51勝30KO。外国人選手がタイで試合すると、普通あの暑さで動けないですよね」
武蔵「20年も前だったから、お腹をくだすし(苦笑)。ミネラルウォーターを買っても氷が危ない! それにしてもブアカーオのホームで王者になったのはすごい」
魔裟斗「キリアは2014年にアンディ・リスティにKO勝ち。GLORYライト級王者。Kunlun Fightで活躍し、今年2月の大会でONEデビュー。ペトロシアンに判定負けしていますね。テクニシャンというより前に出る、身体の強い選手という感じ」
【優勝予想は…】
武蔵「みんなダークホース、これで優勝予想なんて絶対できない」魔裟斗「10月15日はコロナで行けないけど、10月15日以降の試合は現地ご招待とかあるんじゃない? ONEから『シンガポールまで、ファーストクラス用意するので来てください』とか」
武蔵「ちょっと言うとこうか? って誰に言うたらええねん!」
魔裟斗「10月15日のこの『ONE: FIRST STRIKE』、僕らYouTubeライブやります! YouTubeライブで生で解説やります」
武蔵「解説もいいですけど、試合を観ることが楽しみ。視聴者と一緒に楽しみたいですわ。ホンマに」
当日、YouTubeライブで生解説を行うという魔裟斗と武蔵。本編では、2人が大好きな映画『ベスト・キッド』を熱く語る後編も必見だ。