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【RIZIN】クレベル・コイケが声明、RIZIN継続参戦を希望「試合キャンセルは苦渋の決断」、朝倉未来とのリマッチも「受けたい」

2021/10/07 14:10
 2021年6月のRIZIN東京ドーム大会で、朝倉未来(トライフォース赤坂)に三角絞めで一本勝ちしたクレベル・コイケ(ボンサイ柔術)が10月7日、斎藤裕とのRIZINフェザー級タイトルマッチのオファーを受けることが出来なかったことについて、声明を発表した。  当初は、10月24日(日)の『RIZIN.31』横浜・ぴあアリーナMM大会で、RIZINフェザー級王者・斎藤裕(パラエストラ小岩)が持つベルトに挑戦すると目されていたクレベルだが、RIZINの榊原信行CEOによれば、「体重が落ちないこと」「足首を怪我したこと」などを理由にクレベル陣営が欠場を申し出たとの説明がされていた。そして現在、クレベルとは「契約が無い」ことも明かしている。  プレスリリースでクレベルは、タイトルマッチのオファーを「怪我により」受けられなかったことを謝罪。現在、「怪我は順調に回復」し、「徐々にトレーニングを始めています」と報告。「いい試合が出来るように仕上げて行く」としている。  また、10月2日(土)に開催された『RIZIN LANDMARK vol.1』のメインイベントで、萩原京平(SMOKER GYM)に判定で勝利した朝倉未来(トライフォース赤坂)について、「朝倉未来選手から頂いたリマッチの希望も、とても嬉しかったです。怪我が治り機会があれば是非お受けしたいと思っています」と記している。  声明全文は以下の通り。 「まず最初に、RIZINフェザー級タイトルマッチのオファーを頂いた件に関して、関係者並び、斎藤選手、ファンの皆さんに心よりお詫び申し上げます。  今回、私の怪我により斎藤選手との試合をすることが出来ませんでした。斎藤選手、そしてご尽力頂いていた関係者皆様に、この場をお借りしてお詫びしたいと思います。  私自身、この試合をずっと待ち望んできました。大一番を迎える中、足の怪我により立ち技のトレーニングが全く出来ず、試合をキャンセルする事は苦渋の決断でとても悲しい気持ちでした。  今の状況報告をさせて頂きますと、怪我は順調に回復し、ようやく練習に復帰する事がドクターから許され、徐々にトレーニングを始めてます。心も身体も十分に復活させ、いい試合が出来るように仕上げて行きますので、今後ともよろしくお願いします! 追伸、先日のRIZINランドマーク大会の朝倉未来選手から頂いたリマッチの希望も、とても嬉しかったです。怪我が治り機会があれば是非お受けしたいと思っています。 ファンの皆さま、ご報告が遅れてしまい、またご心配をおかけしました。これからあらためて頑張りますので応援よろしくお願いします! クレベル コイケ」 【写真】9月第2週に、左足関節外側靭帯を損傷したクレベルは(写真左)、1カ月の安静・加療が必要とされており、現在(写真右)は改善傾向にあるという。 [nextpage] 目標は、今年中にチャンピオンになること  6月大会後、本誌の取材にクレベル本人は、王者・斎藤裕に挑戦する強い意思を示していたことが確認できている。2020年大晦日にカイル・アグォンに一本勝ち後、2021年3月に摩嶋一整戦、6月に朝倉未来戦と連戦が続くなか、コンディションも整え、今秋から年末にかけての斎藤裕戦を見据えていた。  しかし、調整のなか、次戦を大晦日で目指す方向となり、緊張が続いていたクレベルは戦闘モードをいったん解除。その後、浮上した大晦日「前」のタイトルマッチに向けた減量問題、さらに練習中に怪我も負ったことで、10月、11月の試合は回避となったようだ。  9月中旬の本誌の取材に、クレベルは、「今年は半年間で3試合やったから、体がとても疲れていて、今は休養期間。次はタイトルマッチになるだろうから、とりあえず治せる怪我はしっかり治して、タイトルマッチに向けての練習に臨みます。目標は、もちろん今年中にチャンピオンになること。そしてヒロも含め、ボンサイ柔術に3本のベルトを持ち帰りたい」と、同門のホベルト・サトシ・ソウザ、アラン・ヒロ・ヤマニハと3人のチームでトリプルクラウンを目指すと語っていた。  一方の榊原CEOは、10月4日の会見で、交渉をクレベルのマネージメントサイドと行ってきた経緯を明かしている。 「僕はクレベルのことを非難している気はないんですよ。感情的に何かを言っている話ではなく、クレベルが10月24日では体重が落ちないから受けられないと。僕らは3カ月以上前からオファーして、タイトルが欲しいなら普通落としてくるよね、その程度なんだねって。(昨年の大晦日から)3試合しているからというのなら、休みたいなら休めばいい。それも別に強要する話ではない。斎藤選手はチャンピオンで、怪我を6月に負いながらもRIZINという点を線につなげるために、王者である以上は、ここでタイトルマッチを最強のチャレンジャーであるクレベルとやってくれという話に、『分かりました』と(返答した)。それを挑戦者側の理由で受けられない。  僕らとしてもそれは本当に組みたかったし、それがき決まれば10月24日は安泰とは言わないけれど一応テーマがハッキリする。どうしても組みたいから9月の上旬にマネージメントとお話をして、『体重を落として10月24日に何とかお願いできないか』と言ったら、『11月7日だったら体重を落として受ける』って言ったんですよ。  困ったなと思いつつ、必死に会場を探したんです。フジテレビから何から手を尽くして、11月7日の会場が見つかりました。斎藤選手にも、本当に申し訳ないが、10月24日のタイトルマッチを11月7日にお願いしたい、大晦日まで2カ月切ってしまうけれど、それでお願いできますか、相手はクレベルですと。斎藤は『やります。2週間伸びてもRIZINの流れは大事ですものね、受けますよ』と言ってくれて。  それで出来ますよと(クレベルのマネージメントに)伝えたら、診断書が出てきたんですよ。全治1カ月。だったら、我々のオフィシャルのドクターの診断を受けてくれと言ったら、それは受けられないと。まだ9月の中旬前ですよ。全治1カ月なら間に合いますよね、チャンピオンも主催者も大会の日程を変えてでもこのカードを組みたいと思っているのだから、『11月7日ならやれるって言ったじゃないですか』と言ったんですが、『選手に無理させないでください、怪我だから』と。  そういう一連のことが斎藤選手としても、彼は譲れるところは全部譲ったわけですよ。そうしたら9月19日にヤマニハのセコンドとして(クレベルが)走っているところを(RIZINの)スタッフが見ているんです。足首を怪我しているんじゃないの? って。そういう選手とはここから先も信頼関係が築けないから。本当に困っている時は困っていると言って欲しいし、僕らが困っている時は一緒に助け合って欲しい。せっかく熱が生まれても格闘技って点だから、それを線にしてみんなでバトンをつないでいこうと会見のたびに言ってるじゃないですか」と、経緯を説明。  10月3日には、斎藤のSNSにクレベルが「年末に会いたい」とお願いを現わす手を合わせた絵文字と共に投稿。これに斎藤が「今回の件は当事者として思うことが多々ある。掘り返すつもりはないけど、一連の出来事は忘れない」と、憤りを感じさせる投稿をしているが、この件についても、榊原CEOは、「斎藤にSNSか何かでクレベルが大晦日にうんぬんって言っているんでしょう。斎藤だってコンフューズ(困惑、混乱)しますよ。契約をして主催者がマッチメイクして出すのに、斎藤に突っかかっても意味ないじゃないですか」と王者の気持ちを代弁した。  続けて「(朝倉)未来だって2日に足首をやった(怪我をした)んですよ。それでも『ちょっと足首が痛いけれど、24日は俺が行った方が盛り上がりますよね。俺、行きたいです』って言ってくれたんです。そういう選手と一緒に大会を紡いでいきたいですよ」と、朝倉も横浜大会での対戦相手に名乗りを挙げていたことを明かしている。 [nextpage] 激化するフェザー級戦線  クレベルはこのまま斎藤裕、朝倉未来と対戦することなくRIZINの舞台から姿を消すのか、とファンの間では心配する声が挙がっていたが、今回の声明により、クレベル本人は、怪我を完治させてRIZINに継続参戦したい意向であることが明らかとなった。  10月の横浜大会で斎藤は、RIZINフェザー級王座初防衛戦として、DEEP同級王者の牛久絢太郎(K-Clann)と対戦することが決定。  大晦日には、フェザー級のベルト獲得と、斎藤とクレベルへのリヴェンジを目指す朝倉未来が、勝者との対戦に名乗りを挙げている。クレベルに一本負けした朝倉は10月2日の『LANDMARK』で萩原京平戦に判定勝ちしているが、この勝利を持ってコンテンダーの資格を得たことになるのか。大晦日をシーズンピークとするRIZINは、今回の声明を受け、どんな判断をくだすか。  RIZINフェザー級戦線はタレントが揃いつつある。  王者・斎藤裕を筆頭に、クレベル・コイケ、朝倉未来、ヴガール・ケラモフ、堀江圭功らが存在感を示しており、国内王者では、DEEP王者の牛久絢太郎が10月の横浜大会に初参戦し、斎藤に挑戦。PANCRASE王者のISAOもRIZINではまだ試合を行っていない強豪だ。  さらに、10月の横浜大会では、金原正徳が復帰戦で芦田崇宏と実力者対決、中村大介と新居すぐるのアームロック対決、白川陸斗と山本琢也のDEEPvs.GRACHAN対決が組まれており、斎藤、朝倉と激闘を繰り広げた摩嶋一整、弥益ドミネーター聡志も控えている。ニューカマーでは、『LANDMARK』で鮮烈MMAデビューを果たした鈴木博昭も注目だ。  そして世界では、北米を中心とするランキングで、50位以内に入るのは、ポーランドKSWで現UFCファイターのマテウス・ガムロとベルトを争った経験があるクレベル・コイケが唯一、日本を主戦場とするファイターとしてランクインしている。  そのほか、100位以内に入っているのは同じく北米のUFCファイターと対戦している斎藤とISAOがランクインしているのみ。RIZINがベルトの価値を高めるためには、クレベルの存在は欠かせないだろう。あるいは、Bellatorとの協力関係のなかで、来日規制が緩和されつつある海外強豪選手を招聘していくことになるのか。  なお、クレベルと同じボンサイ柔術のRIZINライト級王者ホベルト・サトシ・ソウザに関して、榊原CEOは「契約があります。6月が終わった後に大晦日まで時間を取りたいと。これは僕らも理解しているんですよ。サトシとはこれからもチャンピオンとして、大晦日にも。本当はもう1試合くらいして欲しいなとの思いではいたけれど、いいんじゃないか」と語り、次戦は大晦日になるとしている。
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