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【KNOCK OUT】公開されたポスターに賛否両論、王者も怒った! “龍聖単独フィーチャー”その理由

2021/10/06 15:10
 2021年10月29日(金)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2021 vol.5』のポスタービジュアルが5日(火)に公開されたが、そのデザインにファン・選手・関係者から賛否両論が巻き起こっている。  問題のポスタービジュアルは、今大会で「KNOCK OUT-BLACKフェザー級王座決定戦」3分3R延長1Rを行う龍聖(TRY HARD GYM)が、ヒザ蹴りをしている写真が大きく中央に配置され『ノックアウトの、その先へ』とのキャッチコピーが付けられたもの。  王座決定戦を行う選手なのだからいいじゃないか、との声もあるが、その王座決定戦を争う対戦相手の銀次(Next 零)は扱いが小さいこと、同大会でスーパーファイトを行うすでに王者となっているKNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王者・松倉信太郎(TRY HARD GYM) も銀次と同じ大きさ、他の出場選手たちはそれよりも小さい扱いということで「格差がひどい」「やりすぎじゃないか」「なんで王者じゃないんだ」との声があがった。 (写真)前回(左)と前々回(右)のポスタービジュアル。確かに今回とはかなり違う 松倉本人も自身のSNSにて「大前提おれの実力不足だけどチャンピオンの価値クソほど低いな。引いた」「チャンピオンになってもこんな扱いされると思わなかったし、萎えるね」と、怒りを感じさせる投稿。キックボクシングの大会ポスターは通常、メインの選手を中央にして、トップクラスを大きめに、そして他の選手をその周りに散りばめるものが多い。  今回なぜ、反感を買いそうなポスターデザインにしたのか。宮田充KNOCK OUTプロデューサーに聞いた。 「プロ格闘技の興行で、ある程度の試合数をマッチメークしますよね。そうしたら、次は、どう見せるかって作業になると思うんですよ。そのために大事なもののひとつが大会ポスターだと思っています。オーソドックスなのは、メインからアンダーカードまで、序列を大事にバランス良く並べたものですよね。ぶっちゃけ、ポスターって、ジムさんやファイターたちの販促ツールでもありますから、それが王道なんですよ。ただ、毎回、ひな祭りみたいなポスターってどうなの? って思いもあって」と、従来のデザインに疑問を感じたという。 (写真)王座決定戦を行う龍聖(左)と銀次 (C)KNOCK OUT「それで、まず今大会の最大の注目ポイントはなんだろう? って考えたら、もちろん見どころはたくさんあるんですけど、やっぱり『龍聖がチャンピオンになるのか、ならないのか』だと思います。それを今回は全面に打ち出すことで大きなインパクトが欲しかったから、こうしました」と、8勝(7KO)無敗の戦績を持ち、K-1創始者・石井和義館長も太鼓判を押す龍聖を押し出すことにした。  今回の賛否両論の反響については「山口元気代表には『なんでも好きにやってくれ』って言われていて、ホントに好きにやらせてもらってるんですけれども。正直、ファイターやジムさん、ファンの方から『なんだこれ?』って声があがることも想定していました。でも、それを含めてのものが、反響ですよね。リアクション無いのがいちばん淋しいもんですから」と、ある程度の予想はしていたとする。  そしてこうも付け加えた。「ただ、あくまでもポスターはポスター、試合は試合です。昔、立嶋篤史(元全日本フェザー級王者)の言葉で、胸に残っているものがあって。彼が若手の頃の全日本キックは、ロブ・カーマンやモーリス・スミス、ドン中矢ニールセンがメインの外国人エース路線で、お客さんも彼ら目当てが大半でした。それでも立嶋篤史は、その日で自分がいちばん光ってやる、観に来たお客さんを自分のファンにしてやるって思って戦っていたと。それで実際に、のし上がって、立嶋篤史の時代を作っていきましたよね。 (写真)7月大会で激闘の末に王座に就いた松倉(右)はポスターの扱いの悪さに憤りを隠せなかった 興行側はメイン、セミって格付けしてますけど、必ずしもお客さんがその試合順のとおりに沸くわけじゃないです。メインよりセミファイナルが良かったとか、第5試合の中堅同士のワンマッチがいちばん面白かったとか、それこそ昔は、第1試合の武尊くんがいちばんインパクトあったときもあったし。この間のRIZINも、KNOCK OUT的にはアレですけども(笑)、第2試合で昇侍選手が鈴木千裕(KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王者)をKOしたときはドッカーン! でしたから」と、他の選手たちの「大会当日は俺が主役」という反抗心に期待したいとした。 「だから今回の大会は、メインで龍聖と戦う銀次だったり、あのポスターを見て『そうはいくかい』と感じたファイターたちの戦いも注目してほしいですね」と、逆にフィーチャーされなかった選手たちの“龍聖を喰ってやる”との気合いが入った試合にも注目して欲しいと語った。 (写真)全日本キック時代からポスターやパンフレットにこだわりをもつ宮田充KNOCK OUTプロデューサー 実際にその通り、龍聖と王座を争う銀次は「龍聖選手がフューチャーされたポスター。現時点での評価はこのぐらい差があると思うよ。でも俺は拳で掴み獲るよ。評価も名声も。全てを変える。覚悟しとけよ。俺は今までの相手とはレベルが違うよ」と反抗心を燃やし、その投稿に龍聖は「拳でとか名声とかどうでもいいから、すぐ倒れんなよ。少しは楽しませてくれ」と挑発的なコメントを返している。  また、『ノックアウトの、その先へ』とのキャッチコピーについて宮田Pは「まず、ファイターたちには、ノックアウト勝利を目指してほしい。その上で、そのノックアウトが単なる勝利にとどまらず、ファイター自身やイベントそのものも引き上げるようなノックアウトになってほしい。そういう思いといいますか」とコピーに込められたテーマを明かしたが、「でもまあ、見た人たちがそれぞれで解釈してくれれば、それでいいのかなとも思います。違う意味にも取れますし」と話した。  龍聖は「その先へ。周りの想いも背負って先にいく。歴史が始まる瞬間を楽しみにしていて下さい」と、このキャッチコピーに反応している。
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