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【ONE】物議を醸した判定の審議はハム・ソヒ勝利のまま準決勝でスタンプと対戦へ。平田樹はインドのレスラーフォガットと対戦=10月29日(金)女子アトム級WGP

2021/09/25 14:09
 2021年9月24日(金)「ONE: REVOLUTION」の大会中継中に、10月29日(金)の大会で「ONE女子アトム級ワールドGP準決勝」2試合が行われることが発表された。  ファン投票により決められた準決勝の組み合わせは、41.18%のファンに支持された、スタンプ・フェアテックス(タイ)vs.ハム・ソヒ(韓国)と、平田樹(日本)vs.リトゥ・フォガット(インド)となった。  次点は29.4%が支持した平田vs.ハムとスタンプvs.フォガット、最後はほぼ同率の28.8%の平田vs.スタンプ、フォガットvs.ハムの組み合わせだった。  1回戦で米国Invicta FCで活躍するアリース・アンダーソンを得意の首投げではなく、バックを取られにくい脇を差しての投げなどで、テイクダウンしパウンドで削った平田は、判定3-0で勝利。しかし、アンダーソンの右オーバーハンドにフラッシュダウンも喫しており、ストライキングに不安を残す平田にとって、打撃巧者のスタンプ、ハムとの試合は決勝まで持ち越されたことになる。  一方、準決勝の相手フォガットは、MMA6勝1敗。インド映画『ダンガル きっと、つよくなる』で描かれた伝説のコーチを父に持つレスラーで、5連勝中。インドの星は、1回戦でフィジカルの強いメン・ボー(中国)を相手に序盤はテイクダウンを切られ、強打を浴びてマウントを奪われなどピンチに陥るが、2R以降に得意のレスリングで上を取り、抑え込んでのパウンドで逆転の判定勝利を収めている。  平田もフォガットも互いに首投げを見せるなど組みを得意とするが、胸を合わせた柔道の投げを得意とする平田に対し、フォガットはシングルレッグ、ダブルレッグなどの足への粘り強いタックルを武器に持つ。テイクダウンから脇を差して抑え込んでのパウンド、ヒジ・ヒザが勝ちパターン。一方で極めの強さは平田が上回る。  フォガットの唯一の敗戦はサウスポー構えのビー・ニューイェンにスタンドで削られてのスプリット判定負け。この試合もテイクダウンアテンプトではフォガットが上回っていた。  平田としては、1回戦のアンダーソンのようにはリーチが長くないフォガットを相手に、打撃で主導権を握り、いい形で組ませないこと。自身の組手をケージレスリングで無効化されずにトップを取って、得意の極めを強化して臨みたい。  試合後、平田は準決勝の相手予想について、ハム・ソヒを「経験してきた場数が違うので、やってみたい気持ちもあるけど、もっと練習しないと手の届かない存在なんじゃないか」と時間を置きたい相手とし、フォガットとの試合については、「全然アリだと思う。トーナメントは判定が多いと聞いたけど、本当に僅差でみんなが同じくらい強いので、誰が来ても良いように練習します」と積極的な姿勢を示していた。  インド女子MMAを牽引するフォガットには、コーナーマンとして、修斗世界ミドル級王者でUFCファイターのシアー・バハドゥルザダがコーナーマンとしてついており、試合毎の着実な成長を支えている。対平田にどんな策を練ってくるのかにも注目だ。  今回の大会中継中の発表に、平田は「急すぎて自分でもびっくりした、鳥肌 さぁ戦いは始まってる」「こんな時間に相手の試合見てたらアドレナリン出て寝れなくなった」とツイート、さらに一夜明けて、「次の対戦相手がリトゥ・フォガットに決まりました。しっかりレスリング対策もしつつ、自分の良さを出せる試合にしたいと思っています。しっかり練習して、次もまた勝って日本に戻って来たいと思います。応援よろしくお願いします!」と、意気込みを記している。 [nextpage] 審議では14人の競技委員のうち9人がハム・ソヒの勝利を支持  もうひとつの準決勝の組み合わせは、スタンプとハム・ソヒのスター同士の戦いとなった。  両者ともに1回戦はスプリツト判定の厳しい試合をモノにしている。  スタンプはアリヨナ・ラソヒナ(ウクライナ)との再戦で序盤こそ、初戦と同じ首投げや腕十字に捕まったが、エスケープして逆にリアネイキドチョークを仕掛けるなど、受けの強さを見せている。スタンドではムエタイでじっくり構えてパンチ・蹴り、ヒジ・ヒザを打つことが可能になっており、出場選手中で群を抜いた打撃技術を軸に、さらなる進化が期待されている。  対するハム・ソヒは、1回戦でスタンプの元同門のデニス・ザンボアンガ(フィリピン)にスプリツト判定勝ちも、物議を醸す内容だった。  試合後、ONEおよびチャトリシットヨートンCEO兼会長は、この試合を「コンペティション・コミッティーによる正式な審査を受けている」と、判定結果について審議中であることを自身のFacebookでアナウンス。  9月8日付の香港『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』のインタビューを受けたチャトリCEOは、「協議の結果、14人の競技委員のうち9人がハム・ソヒの勝利を支持。結果はそのままハム・ソヒの判定勝ち」となったことを明かしている。  なお、匿名による委員会のメンバーは、内部および外部の役員、専門家、元選手、ジャッジ(審査員)の組み合わせで構成されているという。  また、接戦の末に敗れたサンボアンガは、9月大会で山口芽生を判定で降したジュリー・メザバルバ(ブラジル)と、10月29日の大会で女子アトム級グランプリのリザーブマッチとして戦うことも発表されている。  ともあれ、1回戦を勝利したハム・ソヒは、試合後、初のONE独自の計量システムに苦しみ、試合当日にハイドレーションテスト(尿水分値チェック)をクリアしたことを吐露。RIZIN女子スーパーアトム級は前日計量の-49.0kgだったが、ONE女子アトム級は、水抜き禁止の-52kgのため、GPの中では小柄な体躯をいかにベストコンディションに仕上げるか。  懐の深い構えのスタンプはラソヒナの組みを後半はことごとく切っており、ガードからの首相撲ヒジも注意が必要だ。ハム・ソヒはサウスポー構えからの一本槍だった左ストレートをよりMMAのなかで混ぜて使うことになるだろう。  果たして、決勝に上がるのは誰か。1回戦からの進化も見逃せない準決勝だ。
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