キックボクシング
インタビュー

【ONE】元王者に挑む内藤大樹「ムエタイの選手に蹴り勝つことができれば、日本人の強さを証明することができる」

2021/09/22 12:09
【ONE】元王者に挑む内藤大樹「ムエタイの選手に蹴り勝つことができれば、日本人の強さを証明することができる」

元ONEフライ級キックボクシング世界王者ペッダムに挑む内藤。これに勝てばタイトル挑戦が見えてくる(C)ONE Championship 

 2021年9月24日(金)シンガポール・インドアスタジアム『ONE:REVOLUTION』にて、フライ級ムエタイの試合で元ONEフライ級キックボクシング世界王者ペッダム・ペッティンデーアカデミー(タイ)と対戦する、内藤大樹(BELLWOOD FIGHT TEAM)の試合前コメントが主催者を通じて届いた。

 2011年7月に高校1年生でプロデビューした内藤は、シュートボクシング日本スーパーバンタム級王座に就くなど活躍。2015年8月と2018年11月の2度、那須川天心と対戦している。2019年10月にONEデビューし、2020年2月のサバス・マイケル戦まで3戦全勝していた内藤だが、12月に元ONEフライ級ムエタイ世界王者のジョナサン・ハガティーに判定負け。6月にはキックボクシングルールでONEキックボクシングフライ級4位のワン・ウェンフェン(中国)を判定で下して再起を果たしている。

いかに我慢して自分のプランを進められるかが鍵


――ジョナサン・ハガティー戦についてお伺いします。あの試合での敗因、そして学んだことはどんなことでしょうか。

「自分のゲームプランの上をハガティーに行かれてしまって、その時の対処が遅れてしまったというか、すぐに自分の作戦を切り替えることができなかったことが間違いだったと思っていますね。日本人と海外の選手のパワーの差を感じたので、その辺は今後に生かせるというか、良い勉強になったと思います」

――フィジカルを強化したこともあり、それが前回のワン・ウェンフェンとの試合で出た感じですか。

「そうですね。それは見せられたと思います。周りからも力が強くなったとか言われましたし、あの試合を見て効果は出ていると思います」

――ハガティー戦は “自分がもっと強く、良いファイターにならないと”と思わせる経験でしたか?

「無駄な負けではなく、本当にその通りだと思います。負けは良くないんですけど、今後に生かせる負けかなと思います」


――前回の相手は、元ONEフライ級キックボクシング世界タイトル挑戦者のワン・ウェンフェンでした。判定3-0で勝利しましたが、連敗を避けるため、キックボクシングでの初勝利を取るためなど、前回の試合での勝利はご自身にとって、どれほど重要な試合でしたか? その理由も教えてください。

「エナッシ選手に挑戦している試合も見たことがありますし、彼と良い勝負をしていたので、自分がこの試合で差を見せて勝てればタイトルに近づくのかなと試合が組まれた時にそう思いました。そういった意味でも内容にこだわりましたし、何が何でも勝たないといけないと思いました」

――内藤選手は現在、フライ級キックボクシングで4位にランクインしています。自分の上のランカーたちについてどう思いますか。

「凄いファイターたちが自分の前にはいますし、本当に誰とやっても厳しい戦いが待っていると思いますけど、いつ誰とでもやる準備はできているので、これからが楽しみです」

――その中のキックボクシング選手で目をつけている方はいますか。

「ボルター選手は強いと思うんですけど、まだONEで1度も勝ったことがないと思うので、見下しているという訳ではないですが、彼と試合をしたいとは強く思っていないです。スーパーレック選手やロッタン選手は、今キックの方でチャンピオンではないですけど、日本の格闘技ファンからの知名度も高いと思うので、そういった選手とやって勝てば認めてもらえると思うので、戦いたい気持ちはあります」

――次の大会、ONE: REVOLUTIONでは再びムエタイの試合に挑みますね。ペッダムとムエタイルールで戦うことは内藤選手にとってどうですか。彼との対戦はキックボクシングの方が良いでしょうか。

「ペッダムはムエタイの選手なので、キックボクシングのルールの方が自分はやりやすいと思います。ですが、彼はムエタイの選手で当然、肘があった方が得意だと思うので、相手の得意なルールで勝ちたいという思いが強いです。今回、ムエタイのルールで戦うことは自分的にも良かったかなと思います」

――内藤選手は相手の最も得意とする武器に真っ向から臨み、勝つことを信条としているということですね。

「そこは強く思っています」


――ペッダム選手はケージ、リングの外ではダンスをしたり、ひょうきんで、ユーモアのある性格をしています。インスタグラムなどで彼の動画を見たことがありますか。それについてどう思いますか。

「ペッダムのソーシャルメディアはフォローしていないんですけど、ONEのインスタでチェックしています。面白いのでほぼ見てると思います。(自分と)仲良くなれそうな性格をしていますね。自分はダンスとかしないんですけど、普段は結構ふざけたりする性格なので、言葉がちゃんと通じれば普通に仲良くなれそうですね。リングで戦うとかじゃなければ全然仲良くなれそうなタイプかなと思います。それに、プロだなと思いますね。戦い以外でもお客さんにしっかり見せたりだとか、入場前も盛り上がっていますし、その辺はプロフェッショナルだと思いますね」

――ペッダム選手はどんなファイターだと思いますか。ファイトスタイル、彼の強みや弱みなど、どのように分析していますか。

「“ペッダム=左ミドルキック”の印象が本当に強くて、皆んな分かっていると思うんですけど、それでも皆んなもらっちゃっているので、それなりのものがあると思います。本当にペッダムの武器だと思います。あとはテクニックとかもそうですけど、何よりも気持ちが強い選手だと思っています。以前のロッタン戦手とのタイトルマッチも見ましたけど、引かずに打ち返したりとか、熱い部分というか気持ちの強さを感じたので本当に良い選手だと思っていますね」

――ペッダム選手の伸び代はどんな点だと思いますか。

「強いて言えばボクシングテクニックというかパンチの細かい技術はまだ試合でそんなに出て来ていないので、そこはこっちの方が強いんじゃないかと思っています」


――この試合で自分にアドバンテージがあると思うのはどんな部分でしょうか。

「自分のローキック、足への攻撃は絶対に警戒してくると思います。100%絶対に蹴っています。ペッダムと同胞のサバス・マイケル戦も結構足に効かせていたと思うので、その辺は警戒してくると思います」

――ペッダム選手はフィニッシャーの印象が強いです。内藤選手がこの試合で気をつけることはどんなことでしょうか。

「あまり相手を評価し過ぎないことです。ペッダムはONEの元チャンピオンだったりとかムエタイの中でもすごい戦績で名前があると思うんですけど、相手を大きく見過ぎちゃうと実際に向かい合った時に意外と手が出なかったりとか、本来の自分の動きが出ないものだと思っているので、そこは自分と一緒くらいに見たいです。自分も冷静に見て負けていないと思っているので、一緒くらいの位置にいると見ています。あとは、彼は左ミドルのイメージがすごいあると言いましたが、それをもらわない考えを無くそうと思っています。恐いのは、彼の武器の左ミドルなんですけど、ペッダムの意外と危ないのは左ミドルからのパンチだったり肘などの顔への攻撃だと思います。その辺は気をつけていきたいと思います。左ミドルを多少受けても気にしない、そこは我慢だと思います」


――この試合での勝利の鍵はどんなことだと思いますか。

「お互いが距離を取りたいタイプで、どっちが我慢しきれるかだと思っていますね。向こうは左ミドルを蹴りたいし、自分はローキックを蹴りたいです。お互いが分かっていることなんですけど、絶対に当てさせないことは無理なので、そこでいかに我慢して自分のプランを進められるかが鍵だと思いますね」

――この試合の展開、完璧なシナリオでの終わり方はなんでしょうか。

「ノックアウトできるのが完璧なシナリオではあるんですけど、ペッダムも蹴りが得意で自分もどっちかというと蹴りが得意なファイターです。ムエタイの選手に判定でもなんでも蹴り勝つことができれば、日本人の強さを証明することができると思っています。それも完璧なシナリオかと思います」

――ペッダム戦で勝利することは、内藤選手にとってどんな意味がありますか?このフライ級ムエタイの階級で何を示す試合になると思いますか。

「彼のONEの元チャンピオンという肩書きは素晴らしいものだと思います。フライ級は、色々な選手が出てきて強豪ぞろいなので、勝つことで他の選手から意識されたり、タイトルにも近づくと思いますし、ベルトを取る上で必ず勝たないといけないです」

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