トーナメント3試合を勝ち抜き、試合後インタビューに答えた野杁
2021年9月20日(月・祝)神奈川・横浜アリーナで開催された『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN ~よこはまつり~』にて、「K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント」で優勝した野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が試合後インタビューに答えた。
「ほっとしている部分はありますが、ここがゴールじゃないので明日に向かってまた頑張っていきたいと思います」と、試合直後にも関わらずすでに先を見ていた野杁。
トーナメントを振り返り、「1回戦、準決勝はレベルの差を見せつけないといけない相手だと言っていて。そういった内容を示すことができてよかったなって感じでしたけれど、瑠輝也との決勝はやっていて楽しかったというか、本当に強くなったなと戦いながら思っていました」と、決勝で対戦した安保瑠輝也(CLUB es/team ALL-WIN)との戦いは楽しかったと振り返る。
「ダメージは全くなくて。本当は全部1RのKOで終わらせたかったなという気持ちはありますけれど、決勝に上がる前にセコンドのトレーナーたちと、作戦で3Rかけていいから倒し切るというのがテーマだったので、そこはしっかりKOすることができたのでよかったなと思います」と、作戦を遂行したと明かした。
安保に関しては「パンチも重かったし、倒しに来る姿勢が凄く見えたので、そういったところも含めて。ここ最近、勝負してくれる選手があまりいなかったので純粋に楽しかったです」と、安保が勝負に来たことで楽しめたという。
「(安保のパンチを)全然もらっていましたし、いいパンチも何回も当たっていたんですけれど、別に倒れるパンチではなかったです。今までやってきたハッサン・トイとかピケオーのパンチと比べたら大丈夫でした」と、海外の強豪と比べれば倒れるほどの威力ではなかったとする。
ボディを効かせて仕留めたことについては「ボディかローで倒すと戦う前から決めていたので。1、2Rやっていく上で絶対にボディで倒せると思っていました。若干様子を見ながらでしたけれど、さんざん餌を巻いて伏線をはって、3Rでとどめを刺すっていう予想通りの展開になりましたね」と最初から狙っていたものだった。
「近い距離で絶対に戦ってくれないと思っていたので、どんどん圧力をかけてボディで削っていこうって言われていて。さんざんカーフを蹴ってそっちを意識させておいてボディをちょっとずつ狙うって作戦だったので、近い距離になった時にボディを嫌がっていたので、これは3Rで倒せるなって感触がありました」との作戦を明かした。
安保が見栄えのいい大技を出したことでポイントが気にならなかったと聞かれると、「それは作戦です。そうすることによって相手は自分のペースだったり、勢いづくじゃないですか。そういう時こそカウンターが入りやすかったりとか、油断が生じたりとか。僕は判定まで行く気はさらさらなかったので、1、2Rはくれてやるぞじゃないですけれど、そんな感じでした」と、3Rに必ず倒せるとの確信があったため気にならなかったとした。
そして両足に巻かれていたテーピングについて聞かれると、「今月頭に筋断裂してしまって、医者からは絶対に間に合わないと言われて。奇跡って言われたくらい回復はしていたんですが、試合中に切れることは全然ありえることだったのでドクターと相談してテーピングを巻いて試合をするということになりました」と、衝撃の告白。
「練習はできなかったです。歩けなくて、あと2割くらい切れていたら手術だったのでギリギリでした。動けるようになったのは2週間前くらいで、最初はパンチだけでやったりしていて、走れるようになったのは1週間半前くらいです」
試合後の状態は「そこまでひどくはなっていないんですけれど、瑠輝也との2Rか3Rに若干力が入らなくなってパンチが流れてしまうことがあった。このあと病院へ行くのかどうなるのか分からないですけれど、怪我をした時と比べればそんなにひどくはないです」と、試合中に悪化することは避けられたと答えた。
「このトーナメントに懸けていましたし、獲らないといけないと思っていたので。足が完治しなくても出るつもりでした」と、野杁は今回のトーナメントに懸けていた想いを語った。