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ヘビー級で世界と戦った武蔵が振り返る。パンチが一番重かったのはジェロム・レ・バンナではなかった

2021/09/10 11:09
ヘビー級で世界と戦った武蔵が振り返る。パンチが一番重かったのはジェロム・レ・バンナではなかった

2010年4月の引退式で最後の相手ジェロム・レ・バンナ(左)から花束を受け取った武蔵

 日本人ヘビー級ファイターとして14年間、世界の強豪たちと戦い『K-1 WORLD GP』では2003年と2004年に準優勝している武蔵(現在48歳)。魔裟斗との共同YouTubeチャンネル『ムサマサ』にて、2009年9月26日に韓国で行われたジェロム・レ・バンナ(フランス)との引退試合について振り返った。

 興味深いのは、序盤に魔裟斗から「ジェロムはパンチ重かったですか?」と聞かれた武蔵が「パンチ重いよ。重い方やと思うけれど一番ではないと思う」と、バンナよりも重いパンチ力を持った選手がいたという話。


(写真)2002年12月、東京ドームでのバンナとの初対決でハイキックを見舞う武蔵

 武蔵はピーター・アーツ、ミルコ・クロコップ、アンディ・フグ、ブランコ・シカティック、サム・グレコ、マイク・ベルナルド、ボブ・サップといったK-1ヘビー級の主力選手たち全員と対戦経験があり、PRIDEで活躍したハードパンチャーのMMAファイターであるゲーリー・グッドリッジ、プロボクシング第2代WBO世界ヘビー級王者レイ・マーサーとも対戦している。

 84戦(49勝19KO 29敗5分1無効試合)にも及ぶヘビー級の試合の中で、誰が一番パンチが重かったか。武蔵は「レイ・セフォーがあるね。あと、ジャブの重さはセーム・シュルトがある」と2人の名を挙げた。

 バンナに関しては「ミドルとかハイも速いんやけれど、意外とインローとかが強い」と、蹴りが速く強かったとの話も。


 この引退を懸けた一戦(K-1 WORLD GPの開幕戦で勝てば東京ドームで行われる決勝大会に進出)に、武蔵は「最後まで武蔵流を貫く」と発言して臨んだが、それまでのミドルキックを主体としたヒット&アウェーのファイトスタイルとは違い、パンチ主体の打ち合うスタイルを見せた。

『ムサマサ』でも魔裟斗から「打ち合っていますね」と指摘されると、武蔵は「これで最後になるかもしれんというのがあったから、最後に武蔵流というスタイルを、みんなに完成形を見せようみたいな想いがあって。逃げへんと言うか、ヒット&アウェーじゃなく打ち合いも出来るんやってところを最後に見せたろやんけって思いで臨んでいるから。もしかしたら足を使ったら勝てたかもしれん。でもあえて足を使わなかった。バンナも打たれ弱いから当てられたら勝てるって気持ちはあったね。だから打ち合ったろって」と、打ち合いもできるところを見せたかったと説明。


(写真)引退発表の記者会見を行う武蔵

 それには「ヘビー級の日本人選手もたくさんいる中で、決して身体のハンディで勝たらへんみたいなのを言い訳にはしたくないというか。それで最後は打ち合っても、全然やれんことはないぞ、下がらへんぞっていうのがあった。で、最後は打ち合おう、と」と、日本人ヘビー級ファイターたちへのメッセージも込められていたと打ち明けた。

 映像を見終わった武蔵は「負けてしまったんやけれどね。俺にとってはこれが最後の試合になったんやけど悔いはなかったよ。最後は自分のやりたいようにやれたとの想いがあったから」「ほんま俺の引退試合というのは長く試合をしてきて、最後は武蔵流っていうヒット&アウェー…逃げてるとかいろいろなこと言われて批判も多かったけれど、最後は『いや、逃げるだけじゃない』っていうのを見せたかったというのもあって打ち合って。負けてしまったけれど、バンナも思い切り来てくれたし、思い切り行って俺も満足したしって試合でしたね」と、眼に涙を浮かべながら語った。

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