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【SAMBO】「2021プーチン大統領杯|第47回全日本サンボ選手権大会」レポート

2021/09/08 22:09
 2021年8月28日(日)一般社団法人日本サンボ連盟主催「2021年プーチン大統領杯」が墨田区総合体育館で開催された。(提供=JIU-JITSU NAVI photos by Shiho Yaginuma)  プーチン杯は全日本選手権にあたり、その年の世界大会や国際大会への派遣選手選考も兼ねている大会。例年は2月に開催されているが、新型コロナウイルスの影響により延期となっていた。当初100人を超えるエントリーがあったが、緊急事態宣言等などのキャンセルにより、最終的に男子の階級のみ少人数での開催となった。  また今大会から階級分けが9カテゴリーから7カテゴリーに減り、区分けも以下のように変更となった。 男子 58kg級 64kg級 71kg級 79kg級 88kg級 98kg級 +98kg級女子 50kg級 54kg級 59kg級 65kg級 72kg級 80kg級 +80kg級 【男子58kg級】1位:馬場元気(至学館大学)2位:中村幸人(無所属)3位:上田尚希(ネクサセンス)3位:山本晃太(元町整形外科)  最も混戦が予想された58kg級。 前大会57kg級優勝の馬場元気、前大会52kg級優勝の山本晃太、前大会62kg級準優勝の上田尚希、2016年ハルランピエフ記念サンボ選手権57kg級3位の中村幸人と、サンボに積極的に出場しているレベルの高い選手が集まり予想通り見ごたえのある試合が続いた。  初戦の河澄相手に勝ち上がった上田と馬場の準決勝、序盤に馬場得意の巴投げが決まり2ポイントを先取。その後は一進一退で序盤の得点を守り切った馬場が勝利した。  反対ブロックでは中村が立ち技の強さを発揮した。足関節に持ち込もうとする山本を跳ね除け、1-0という僅差のポイント差ながら危なげなく決勝へコマを進めた。  決勝は寝技の馬場、立ち技の中村の戦いに。序盤は中村が有利な展開で進むも、一瞬のチャンスを逃さず馬場がアキレス腱固めで勝利した(※写真下・赤ジャヶット)。 ■優勝者:馬場元気 「今回は9階級から7階級に変わって初の試合で、57kgから58kgと1kg増えました。普段は柔道を練習していますがサンボも柔術もリンクしている部分があるので、区分けするわけではなく混ぜて自分の中で消化しています。 元々はサンボも柔術(インパクト所属)も柔道のために始めましたが、はまってしまいました(笑)現在は大学から外部での練習を禁止されているので柔術の練習は出来ていません。またサンボや柔術の試合にもどんどん出ていきたいです」 【男子64kg級】1位:平野元大(Under Cushion)2位:久保田裕貴(グランドスラム横浜)  64kg級は、サンボ初参戦の平野とサンボベテランの久保田のワンマッチ。  前半は平野(※写真下・青ジャケット)が立ち技でポイントを取り、試合を有利に進める。後半失速した平野は久保田の足関節に捕まるもなんとか耐えきったが、パッシブの累積で相手にポイントを与えてしまい同点に追いつかれた。テクニカルポイント差により辛くも勝利。 ■優勝者:平野元大 「優勝しましたが、足関節を堪えて膝を負傷してしまいました。膝関節極められたのは初めてだったので。 高校まで柔道をやっていましたが、楽しそうだったのでサンボの試合に出てみました。サンボの練習もする機会が無かったので、いきなり試合で足関節をかけられ対応が分からず耐えるだけになって極まってしまいました。 とても楽しかったので、また機会があれば出場したいです」 【男子71kg級】1位:萩原匡平(ストライプル取手柔術アカデミー)2位:仲村暁人(墨田サンボクラブ)3位:平野雅大(ランクアップ平野屋)3位:林拓海(サンボスクールゴンチャロフジャパン)  プーチン杯常連で国際試合にも出場経験のある萩原匡平が本命。 準決勝、萩原は1ポイントと平野のパッシブ累積による1ポイントを先取し、手堅く勝利した。  逆ブロック、林は足取りで2ポイント先制、その後、仲村は2点を取り同点。ラストポイントにより仲村が薄氷の勝利だった。  決勝は萩原(※写真下・赤ジャヶット)が2ポイント先取後、腕十字で一本勝ち。実力の差を見せつけた。 ■優勝者:萩原匡平 「元々小学生から柔道をやっていて、ここ何年かは定期的にサンボの試合も出ています。柔術の道場であるストライプル取手に所属しているので、普段は柔術の練習をしています。高校の柔道部顧問をしているので、高校生と柔道の練習もしています。柔道・サンボ・柔術似ている所があるので、自分の中でアジャストしながらそれぞれの試合に出ています。 サンボ・柔術の試合に出るだけでなく柔道の指導にも生かしていきたいです」 【男子98kg級】1位:比嘉渉(YOLO)2位:井手大心(M-WORKS GROUNDCORE 宮崎)3位:増渕大祐(リバーサルジム横浜グランドスラム)3位:中山賢一(三多摩サンボスクルー)  準決勝、井手の足払いが見事に決まり、その後も背負いなどでポイントを重ね、中山の反撃も届かず5-0で井手の勝利。  反対ブロックでは増渕が果敢に攻めるも比嘉が内股、抑え込みとポイントを重ね9-1のテクニカル1本で勝利。  決勝、比嘉(※写真下・青ジャヶット)は1ポイントと井手のパッシブの累積により3ポイント先取。井手も比嘉のパッシブ累積で1ポイントを得、最後は膝十字固めを仕掛けるもタイムアップで比嘉の優勝。 ■優勝者:比嘉渉 「サンボの大会は今回初めて出ました。菊池先生(YOLO代表)の道場に通い始めてからサンボも練習し始めました。試合がしたくて、昨年はグラップリングに出たりしました(笑)試合が好きなので。重たい階級なので柔道やっているのとほとんど変わらなかったのですが、ルールが難しく今自分が勝っているのか負けているのか分からなかったです。セコンドも声を出せなかったので、ジェスチャーで勝っているか負けているか聞いたりしていました。決勝で足関節取られてもおかしくなかったのですが、菊池先生に足関節対策はしていただいていたので、初動は遅れましたがなんとかずらすことが出来ました。まずは取られないように防御を練習して、また今後も機会があれば出ていきたいです」  最優秀選手賞は58kg級を制した馬場元気に決定、駐日ロシア・ミハイル・ガルージン大使からトロフィーが手渡された。
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