10カウントが数えられ、立ち上がれないバダ・ハリ。大逆転KO劇に成功したウルソーセックは歓喜のガッツポーズ(C)GLORY
Glory 78: Arnhem
2021年9月4日(土・現地時間)オランダ・ロッテルダムアホイ
▼メインイベント ヘビー級(120kg)3分3R
×バダ・ハリ(モロッコ)
[2R 1分30秒 KO] ※左ハイキック
〇アーカディウス・ウルソーセック(ポーランド)
バダ・ハリは新型コロナウイルスに感染してからの復帰戦で、2020年12月19日にベンジャミン・アデグブイに3RでKO負け。鼻を骨折し、これが約9カ月ぶりの復帰戦となった。戦績は106勝(92KO)16敗1無効試合。
対するウルソーセックは“ポーランドのハイタワー”の異名を持ち、バダ・ハリの198cmを上回る身長201cm。しかし、リーチは同じ206cmだ。ウルソーセックは2013年から何度もポーランド大会や国際大会で優勝し、2015年にプロデビュー。2018年にはボクシングの試合にも出場している。GLORYには2018年8月に初参戦し、ベンジャミン・アデグブイに判定で敗れた。その後、ホームリングのFENでヘビー級王座の防衛戦を行い、2019年11月のGLORYではローキックでTKO勝ちを収めている。戦績は12勝(8KO)5敗。
1R、プレッシャーをかけていったバダ・ハリがロープを背負わせての右ボディ。ロープ伝いに逃げようとしたウルソーセックへさらに詰め、右フックからの左ボディを打ち込んで残り46秒でダウンを奪う。残り21秒でもヒザ蹴りで反撃しガードを固めるウルソーセックに左ボディからの右ボディでダウンを追加。
2Rも右ボディストレート、左ミドル、前蹴りでボディを攻めていくバダ・ハリ。ウルソーセックはブロックをしっかり固めてジャブを突き、ローを蹴る。バダ・ハリはボディに狙い定めており、2R20秒過ぎにも左ボディ連打の猛攻でウルソーセックを下がらせ、左ミドルでダウンを追加。
しかし、ロープを背負ったウルソーセックにバダ・ハリがジャブから右ストレートを打とうとしたところへウルソーセックが左ハイキック。蹴り足はバダ・ハリの右のガードの上を超え、テンプルにヒット。この一発でバダ・ハリが仰向けに倒れた。1R1分30秒過ぎと2R15秒過ぎにも同じようなシーンがあり、左ハイが頭部をかすめたことからウルソーセックは狙っていたのだろう。バッタリと倒れたバダ・ハリは右眉上からの出血も見られ、起き上がろうとするも身体が言うことを聞かず、10カウントを聞いた。
これで無効試合を挟んで2016年12月のリコ・ベホーベン戦から4連敗を喫したバダ・ハリ。ダメージも気にかかるところだが、自身のInstagramにて「あなたは失望しているでしょう。私もがっかりしています。結果は良くなかった。今日の試合では、ポジティブな面を見るのは難しかった。しかし……昨日は自分が強くて準備ができていると感じていたことを伝えなければならない。この運命のいたずら(逆転負け)の前までには、1秒たりとも痛みを感じていなかったことを伝えなければ。
バダ・ハリらしく戦った。結果は悔しいけれど、ここまでの道のりはとても励みになり、満足している。私は正しい道を歩んでいて、この階級を一掃するまで辞めません。まずは、再戦です。みんなの絶大なサポートに感謝したいと思います。私はあなたたちを愛しています。誇りに思えるような試合をします。約束するよ」と、引退はせずにまずはウルソーセックとの再戦を目指すと綴った。
ICYMI: Watch the greatest comeback of all-time now on https://t.co/gQUfkM2Jhv pic.twitter.com/2oAEsDqvYm
— GLORY Kickboxing (@GLORY_WS) September 5, 2021