MMA
インタビュー

【DEEP】挑戦者・DJ.taiki「この試合だけに賭ける。この試合で引退してもいいと思っている」

2019/05/12 11:05
5月12日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催される「DEEP 89 IMPACT」のメインで、DEEPフェザー級王者の弥益ドミネーター聡志が持つベルトに挑戦するDJ.taiki。 2004年4月のプロデビューはニュージャパンキックボクシング連盟での立ち技が先だった。同年10月にDEMOLITIONでプロ総合格闘技デビューを果たした。 2013年4月のDEEPでの前田吉朗との再戦で2RTKO勝ちを収めバンタム級王座を獲得。その後、UFC出場を目指して米国修行も重ね、2015年の「Road to UFC: Japan」ではフェザー級トーナメント準決勝で廣田瑞人に判定負け。UFC行きが途絶えた。 その後、2018年8月のDEEPでの横山恭典戦で3年10カ月ぶりの公式戦勝利。続く12月の石司晃一戦でも新鋭を相手に15分間、魂を削るような熱戦で判定勝利を挙げ、今回のフェザー級王座挑戦にこぎつけていた。 前日計量をクリアしたDJ.taikiは囲み取材で、「この試合だけに賭ける。この試合で引退してもいいと思っている」と、淡々と、しかし熱く語った。 ――いよいよフェザー級王座挑戦です。計量に少し遅れたので心配したのですが、特に問題なかったようですね。 「パーキングが空いてなくて。でも遅れたといっても何十秒とかそんなもんですよね」 ――今回、計量が行われた中野サンプラザは特別な意味を持つようですね。 「『田村ゆかり LOVE ? LIVE 2019 *Twilight ? Chandelier*』の東京公演が中野サンプラザで7月(17日&18日)に行われるんです」 ――では、今回のタイトルマッチに続いて公演が行われると。 「それで流れがこっちにきているなと。計量会場が中野サンプラザなので」 ――たしかに、DEEPで今回、急に計量会場が中野サンプラザに変更になったことに縁を感じてもおかしくないです。勝って7月公演に向かいたいと。 「そうですね。そうしたいです」 ――今回、煽り映像で弥益選手が「底なしの王者」という言い方をされる一方、挑戦者は……。 「YouTubeの紹介で『底が見えない王者』だと。じゃあ俺はなんなんだと。『底が見えてるのか』という話で。じゃあ俺は『底が丸見えの挑戦者者』なのかと」 ――それは弥益選手ではなく、映像で煽った人への抗議ということですね(笑)。 「抗議じゃないですからね(笑)。そういう読解をしたということで」 ――弥益選手のこれまでの映像を見て、どのような印象を受けていますか? 「やっと弥益選手の映像が入ったので見たんですけど、スイッチは俺のほうが上手いかなと。(互いに)スイッチするけど、俺のほうがスイッチはできるかなと思っていますけど」 ――できるというのは? 「どっちも、オーソもサウスポーも」 ――なるほど。これまで体重については試合機会を得るために、フェザー級、バンタム級、キャッチウェイトでも戦ってきました。ベストの体重は? 「ベストは140ポンド(63.5kg)くらいじゃないですか」 ――ちょうどフェザーとバンタムの真ん中くらい。 「フェザーでは小さいのに対し、バンタムでは減量がキツいしとなると、やっぱり140とかになります。K-1とかだと細かく分かれてるけど、まあ、MMAではUFCもそこまで分かれてないので、しょうがないかなと思っています」 ――バンタム級に落とすのとフェザー級に合わせるのでは、ご自身の中で動きはどちらのほうがいいと感じていますか。 「基本的にフェザーのほうがいいと思います。減量ってナンセンスだなと思いますし。結局、筋力と脂肪を落として減量するわけですけど、じゃあ何のためにプロテイン飲んでるねん、という話だから。減量をして戦うことには矛盾があると思うんです。水断ちしてドライアウトをして体重を落とすなら、なるべく小さい相手と戦える効果があるとは思いますけど、過酷な減量はナンセンスな自殺行為だと思うので。試合前に体にダメージを与えるわけだから、減量なんてしないにこしたことはないですよ。俺はたぶんフェザーの方が強いと思います」 ――通常体重に近い体重で戦えて、体重が小刻みに階級で別れている方が良いと。 「はい。でもそうなるとチャンピオンシップの価値が((チャンピオンの数が増えて)薄れてしまう。結局、チャンピオン何人いるんですか? とかいう話になるから。ベルトの価値がなくなっちゃいますね」 ――今回の対戦相手の弥益選手も元はバンタムでも、DJ選手より大きく感じます。 「そうですよね。彼はデカいんですよね。写真とかを見ても。まあ、でも俺はデカいやつとも──廣田(瑞人)もデカかったし──デカい選手ともやってきたので。別にって感じです」 ――チャンピオンシップに向けて、今回も吐くような追い込みをやられてきたんですか。 「そうですね。でもやっぱり追い込むことに慣れると吐かなくなる。さらに上の次元にいけるようになって、耐えられるようになってきましたね。そういうラントレをの練習を中心にやっているのですが、効果は出ています。昔のやっていないときの俺より、今の方が全然強くなっています」 ――ここでベルトを狙う。その後のことは何か考えていますか。 「そういうのは一切考えていないんです。俺はもう年齢的には引退しなきゃいけない歳だから、最後、格闘技を終わらせるために、もう満足して終わりというためにやっているので。UFC(行き)も無くなったし、先は一切考えていない。やっても次の試合、引退試合でも最後はいいと思っているので。むしろ最後にしたいくらいです」 ――DJ選手は周囲から面倒くさい人間と思われているかもしれませんが、試合を見ているとDJ選手の人間性が伝わってきます。今回はどのような試合を見せたいと思っていますか。 「それってただの悪口ですからね(笑)。前段はいるのかと(苦笑)。やっぱりいろいろな人がいると思うんです。格闘技を長くやりたいからなるべくノーダメージで生きて帰りたいとか、次の試合が決まっているから怪我しないようにとか、そういう人と違うと思うんです、僕の試合は。もうこの試合だけに賭ける。本当にこの試合で網膜剥離になって引退してもいいと思っていますし。先のことは一切考えていないです。もう怪我で引退だったらそれでいいよということなので。次が最後だと思ってもらえれば。そういう気持ちでやっています」
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