かつてRENAが女子格闘技の道を切り開いたように、ぱんちゃん(左)と百花は女子キックボクシングの道を切り開くことができるか
2021年9月19日(日)さいたまスーパーアリーナ『Yogibo presents RIZIN.30』の追加対戦カード発表記者会見が8月11日(水)、13時から行われ会見の模様は公式YouTubeでLIVE配信された。
RIZIN初の女子キックボクシングの試合として、KNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)vs元ミネルヴァ・アトム級王者で現RISE QUEENアトム級3位・百花(魁塾)が決定。46.5kg契約3分3R。
それぞれがコメントした後の質疑応答で、相手の印象を聞かれた百花は「ぱんちゃん選手は有名な選手で無敗なので、勝ったら大チャンスなので絶対につかみに行きたい。勝ち方はまだ考えていないのでゆっくり考えていきたいと思います」と、“美味しい相手”だとした。
対するぱんちゃんは百花について「百花選手は40戦していて私より4倍近い戦績を持っているので、そこが(相手にとって)アドバンテージかなと思っています。あとはパンチャーの選手なんですけれど、私は基本、いつも自分より身長が低いパンチャーの選手とばかり戦ってきているので、どういう戦い方をするというよりも自分のパフォーマンスを100%に近い形で出すということしか考えてないです。相手の動きとかは今は特に気にしていないです」と、自分の実力を出し切ることだけを考えるとする。
念願のRIZIN初参戦を果たしたことについて、ぱんちゃんは「去年からずっとRIZINに出させていただきたいということはメディアの方でも何度か言わせていただいていたんですけれども、去年出ていなくてよかったと思っています。大勢の方が見る大きな団体なので、もっと実力をつけて今は去年よりだいぶ成長してこの場に立っているので、ようやく見てもらえるところまで来たのかなと思っています」と、このタイミングがベストだったと話す。
「日本の格闘技といえばRIZINが一番大きいと思っているので、たくさんの方に見てもらってたくさんの人を取り込んで、また女子のキックボクシングを見てもらえればと思っています」と、これを機会に女子キックボクシングを広めたいとするぱんちゃん。
RIZINではRENAがMMAに挑んで女子格闘技の道を切り開いていったが、同じように女子キックボクシングの道を切り開くために爪痕を残せる自信があるかと問われると「はい、あります」ときっぱり。
「やっぱりRIZINに立つからには総合をして欲しいとの声も多くあるのはもちろん分かるんですけれども、私はキックボクサーなのでキックボクサーとして魅力を出す、魅せることを第一に考えているので総合のことは今は正直考えていません。女子キックというものをとにかく見てもらいたいということが今は一番です」と、女子キックボクシングの魅力を伝えたいとした。
一方、百花は注目を集めるぱんちゃんに対し、「SNSでもよく拝見させてもらっていて、ぱんちゃん選手とは団体が違うのでやることはないと思っていたんですけれど、正直、昨日試合の話が来てビックリしていますが、意識はしていたので勝てば自分が有名になれるチャンスなので頑張りたいと思います」と、注目を集める選手を倒したいと意気込んだ。
また会見終了後に、女子キックを今後本格的にやっていくきっかけになるのかと聞かれた榊原信行RIZIN CEOは「いずれにしてもファンが決める、需要があるかないかですよね。RISEさんもいろいろトライしているし、女子キックも女子MMAも選手の薄さ、日本人同士の対戦しかコロナ禍の中では組めないとなるとなかなか対戦相手も難しい。今回のぱんちゃんで言うとかなり対戦相手は苦労したというか。RIZINとして、普段KNOCK OUTさんでやられているものを焼きなおしてもあまり意味がない。出来れば海外から選手を招聘したいとも思っていたんですが、残念ながらそれはコロナ禍で9月にはまだ外国人は入ってこれないので。
まずは選手層をきちんと担保できるかと、階級が上の総合格闘技の男子選手たち中に入った時に、異彩を放ってファンの人たちのハートをつかむことが女子キックとして出来るかどうか。そういうニーズにも反響にもよります。いずれにしても新しいチャレンジとしてやってみて、その反響を見て今後また考えていけたらいいなと思っています」と、この試合が試金石になるとした。
ぱんちゃんが大晦日への出場を希望していることについても「今回の結果いかんですね。彼女が定期参戦していくスペースをRIZINという枠の中で勝ち取っていけるかどうかは今回のパフォーマンス次第。それをファンの皆さんがどう支持するか次第かなと思います」と、この一戦にかかっているとした。