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【UFC】シリル・ガーヌがデリック・ルイスをTKOでヘビー級暫定王座者に! バンタム級でアルドがムニョスに完勝、体重超過のマネル・ケイプが跳びヒザKOで初勝利、ヤドン、ルーケ、フィジエフが勝利=UFC265

2021/08/08 08:08
UFC 265:ルイス vs. ガーヌ  2021年8月7日(日本時間8日)、米国テキサス州ヒューストンのトヨタセンターにて「UFC265」が開催された。photos by Zuffa LLC 【メインカード】 ▼ヘビー級暫定王座決定戦 5分5R〇シリル・ガーヌ(フランス)247lbs/112.04kg[3R 4分11秒 TKO] ※パウンド×デリック・ルイス(米国)264.5lbs/119.98kg※ガーヌが暫定王者に  メインイベントで、ヘビー級2位のデリック・ルイス(米国)と、3位のシリル・ガーヌ(フランス)が同級暫定王座を争う。正規王者のフランシス・ガヌー(カメルーン)には、今大会での防衛戦の打診があったものの「準備が間に合わず」UFCは暫定王座決定戦を行うことを決めた(※2021年3月にスティーペ・ミオシッチから王座を奪取したばかりのガヌーは不満を表明している)。  MMA25勝7敗のルイスは、2月大会でカーティス・ブレイズに2R KO勝ちして以来の試合で、現在4連勝中(ブラゴイ・イワノフ、イリル・ラティフィ、アレクセイ・オレイニク、ブレイズに勝利)。今回は2年9カ月ぶりのタイトルマッチで、前回の王座戦は2018年11月の「UFC 230」で当時同級王者だったダニエル・コーミエーに挑戦し、2Rリアネイキドチョークで一本負け。戴冠はならなかった。  ガーヌは、前戦となる6月26日の大会でアレキサンダー・ヴォルコフに判定勝ちして以来、わずか1カ月2週間のインターバルで暫定王座戦に臨む。MMA9勝0敗で、上位どころの相手では、2020年12月にジュニオール・ドス・サントスを2R 右ヒジでTKOに下すと、2021年2月にジャルジーニョ・ホーゼンストライクに判定勝ち。6月にはヴォルコフにも判定勝ちしており、UFC6勝0敗で王座戦を決めた。  果たして“神の階級”で暫定ながらベルトを巻くのは、ルイスかガーヌか。その先には正規王者フランシス・ガヌーが待っている。  満員の観衆のなか、地元ルイスには大歓声。ガーヌのコールにはブーイングも。ルイスにコールに胸を軽くドラミングした。  1R、「USA」コールの試合開始。オーソドックス構えのルイスの右を警戒か、サウスポー構えのガーヌ。右ハイを先に打つルイスはバランスを崩し尻餅もすぐに立つ。  圧力をかけるガーヌは右の関節蹴り。右ロー。押し戻すルイスはパンチのフェイントから詰めるが、すぐにサークリングするガーヌは半身気味に右前足の蹴り。ルイスは右ローもガーヌの金的に。中断、再開。  詰めるルイスは組むも突き放すガーヌ。なおもワンツーで一気に前に出るが、端って避けるガーヌは左ミドル、さらに打ち下ろしの右フック! 左ストレートにルイスは目を押さえる。ルイスはアイポークとアピールも有効打だ。  2R、オーソドックス構えにするガーヌ。今度は右ジャブ。ルイスは飛び込んでの左ハイもガーヌはブロック。左右にスイッチを繰り返すガーヌはオーソから右ロー。サウスポー構えから右の関節蹴りもその打ち終わりに組んでボディロックをしようとするルイス。離れるガーヌ。  左跳びヒザで飛び込むガーヌ。組むルイスだが、すぐに体を入れ替えるガーヌが右を差して、小外で崩して離れる。またもサウスポー構えから右の関節蹴り狙いはガーヌ。さらに右ロー。右ストレートで飛び込み右で差して組むガーヌは距離を近いか遠いかで徹底する。  組んで右ヒジを放つガーヌに右フックを振るルイス。避けるガーヌ。ルイスの詰めをかわして右ハイを見せたところでブザー。  3R、グローブタッチした両者。サウスポー構えからオーソドックス構えになり右ローをダブルで打つガーヌ。さらに右フック。ルイスはじりじりと詰めるが、ガーヌは右ローを2連打! さらに回ってロー。左足を上げるルイスはダメージが蓄積してきたか。右ヒジで飛び込んだガーヌをかわしてボディロックしたルイスだが崩しにガーヌは耐えて離れる。  ルイスの左右をかわしてオーソから右ローを効かせたガーヌは、一気に詰めて左ジャブ! 右ストレート! 下を向くルイスにさらに左ヒザ! 右フックも。詰めるガーヌだが、ルイスがマウスピースを吐き出しタイム。再開後、すぐに詰めるガーヌに、打ち合いに勝機を見出すルイスだが、左から右を当てるガーヌはついにヒザを着いたルイスに左のパウンドラッシュ! レフェリーを呼び込んだ。  3R 4分11秒、TKO勝利でヘビー級暫定王座のベルトを巻いたガーヌは、MMA歴3年で10戦無敗、UFC7連勝をマーク。  試合後のマット上でのインタビューで、「ファンの前で戦えて嬉しい。ブーイングも聞こえたけど、僕の気持ちはみんなとともにあります。戦略は、どんなことでも動くことが大事。自分らしいゲームプランで臨んだよ。(フィニッシュは)『レッツゴー』とみんなが言うからどこで行こうかなと思ったよ」と笑顔。  インタビュアーのダニエル・コーミエーから「フランス出身で初のUFC世界ベルトを巻いたことを問われると、そのベルトをMMAファクトリーのフェルナン・ロペスの肩にかけて、「これがいまの僕の気持ちです」と語った。  さらに、正規王者フランシス・ガヌーとの元同門対決について聞かれ、「メッセージは無い。“レッツゴー”、やるだけさ」と答えた。  2020年まで15年間プロとしてのMMAが禁止されていたフランスで、MMAファイターとして成長してきた暫定王者ガーヌと正規王者ガヌーが統一戦を行うのは、いつ、どこになるか。  試合後、ガーヌはあらためて「嬉しいけど、ルイスの(地元の)ファンの前で少し悪い気がする……。ルイスと彼のファンを称えたい。秘密はない、それがゲームプランだった。この勝利は自分のためだけではなく、私のチーム、家族、そして母国のためでもある」と、フランスMMAのために意味のある勝利だったとことを語っている。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇ジョゼ・アルド(ブラジル)136lbs/61.69kg[判定3-0] ※30-27×3×ペドロ・ムニョス(ブラジル)135lbs/61.24kg  バンタム級5位のアルドと、9位のムニョス。  34歳のアルドは29勝7敗。フェザー級からバンタム級に転向し、2020年7月にピョートル・ヤンとの王座決定戦で5R KO負け。12月の前戦では、マルロン・ヴェラに判定勝ちしバンタム級初勝利を挙げている。  対するムニョスも34歳だが、ギロチンチョークを武器に19勝5敗と、アルドより12戦分少ない。2020年8月にはフランキー・エドガーに接戦の末に判定負け。アルジャメイン・スターリング戦に続き連敗を喫したが、2021年2月の前戦では、ジミー・リベラにカーフキックを効かせて判定勝ちを掴んでいる。  1R、ともにオーソドックス構え。先に後ろ蹴りはムニョス。続けてワンツー右ローから入る。バックステップでかわすアルドは左ボディ打ち。ムニョスは右ローもアルドはチェックする。  右ボディストレートを当てるアルド。左右のローで前足に打つムニョス。チェックするアルドはムニョスの入りに右のテンカオ! さらに往年の左ボディ。  ムニョスのワンツーを見切るアルド。シャープな左ジャブも突く。ワンツーで中に入るムニョス。アッパーを狙うアルドも退かない。左右ボディを振るアルド。ムニョスは左フックを振って前に。右ボディストレートを打つアルド。ムニョスの押し返しに右ボディフックを返す。  2R、ワンツーの連打で前に出るムニョス。バックステップでかわしローもチェックするアルドは右ローを返す。左ジャブを当てるアルド。ボディ打ちを入れると、ムニョスは詰めて左フック! バックスピンキックはかわしたアルドは左回り。左ジャブを当てて左ボディストレートと上下に打ち分ける。右ストレートを突くムニョス。しかしアルドも左ジャブ&右ロー。ムニョスは前足に左右のローをヒット。アルドは要所を制する。  3R、ワンツースリーフォーの連打をムニョスのガードの外から叩くアルド。ムニョスの入りに左ボディストレートも突き、自身の距離で戦う。右で入るムニョスに、アルドは左のトリプルの連打からフックまで繋ぐ。  さらに、この試合初か、ついに強い右ローをヒット! ムニョスは前足を効かさ尻餅をつくもすぐに立つ。ムニョスの前進を右にさばき右フックを当てるアルド。ここまでで自身の有効打の最高記録を叩き出す。さらに右ローを効かせると、最後はムエタイの最終ラウンドのごとくムニョスをいなしてブザー。同じブラジルのムニョスとハグした。  判定は3-0(30-27×3)でアルドが勝利。ノヴァウニオン総帥アンドレ・ペデネイラスの勝利の肩車の上でガッツポーズを見せたアルドは、インタビュアーのダニエル・コーミエーから「どうしたらこんなに長く強くいられるのか?」の問いに、「トレーニングをずっとやってきた。常にこの階級でチャンピオンになろうと思っている。ムニョス、この機会と試合を受けてくれてありがとう。よりアグレッシブになって戻ってまた来る。ブラジルのみんな、トレーニングパートナーに感謝します」と語り、シャドーボクシングを見せた。  さらにバックステージでアルドは、「この階級のチャンピオンになりたい。ブラジルで一生懸命頑張ってきたからこそ、今夜ここにいることができた。これから対戦する選手たちは、自分がさらにアグレッシブになった姿を見ることになるだろう」とバンタム級での自信を語った。  かつてアルドと激闘を繰り広げたコナー・マクレガーは、試合後、SNSで「彼はリアル・レジェンドだ」と賞賛。アルドは、試合前にマクレガーについて、「自分も怪我から這い上がってきたから分かるけど、自分の身体と付き合っていかなくちゃいけない。練習していくなかで身体を保っていかなきゃいけない。きっと彼はまた輝いて戻ってくるだろう。チャンピオンになるような人たちの信念の強さを分かっている。彼はチャンピオンだったから、すべて彼次第だ。彼がほんとうに戻って来たいと思うなら、ハイレベルで戻って来れるだろう」とエールを送っていた。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇ビセンテ・ルーケ(ブラジル)170lbs/77.11kg[1R 3分25秒 ダースチョーク]×マイケル・キエーザ(米国)170.5lbs/77.34kg  ウェルター級5位のキエサ。6位のルーケ。同級の王者にはカマル・ウスマンが君臨する。  ライト級からウェルター級に上げたキエーザは4連勝中。フィニッシュした試合はすべて一本勝ちというグラップラーだ。1月の前戦ではニール・マグニーをグラウンドで圧倒しての判定勝ち。  対するルーケは直近10戦で9勝1敗で3連勝中。首系のサブミッションを得意とするが、打撃でのKOも多く、3月の前戦では元王者のタイロン・ウッドリーに1R ダースチョークで一本勝ちしている。  1R、先に圧力をかけるのはルーケ。オーソからサウスポー構えのキエーザの右足に左カーフキックを狙う。しかしサイドステップを続けるキエーザも左ストレート!  なおも追うルーケは左ストレート! 腰が落ちたキエーザに左ローも当てるが、そこにダブルレッグテイクダウンはキエーザ! すぐにバックテイクからリアネイキドチョーク狙い! シングルバックからパームトゥパームで絞めるが、腰をずらしたルーケは上に。  キエーザの立ち上がり際に得意のダースチョーク! 後方に回したルーケに、キエーザは足を刈られないように手でルーケの足を押していたが、ルーケは自分の腹の上でキエーザを極めた。  試合後、ルーケは、「(キエーザのRNCは)80%は入っていたけど逃げ方はわかっていた、ダースを極めるときだと思った」とフィニッシュを振り返った。  続けて、王者ウスマンに対し「ウェルター級で証明しなくてはいけないだろう。カマル、コルビーとの試合(11月)が終わったら、俺たちがやる時が来るだろう」と対戦をアピールした。 [nextpage] ▼女子ストロー級 5分3R〇ティーシャ・トーレス(米国)115lbs/52.16kg[判定3-0] ※30-37×2, 29-28×アンジェラ・ヒル(米国)115lbs/52.16kg  女子ストロー級10位のトーレスと、12位のヒルが6年ぶりの再戦。2015年6月の初戦はトーレスが判定勝ちしている。  1R、ともにオーソドックス構え。右の前蹴りで牽制するトーレス。ヒルの入りに右ミドルを当てる。続く右の蹴りを掴んでテイクダウンしたヒル。金網まで這ってすぐに立つトーレスに右で差して前方に崩そうとするヒルが、呼び戻して後方にテイクダウンも、すぐに立ち上がるトーレス!  右ローを打つトーレスの足を掴みにいくヒル。足を抜くトーレスは右をアゴ下に当て、ダブルレッグテイクダウンも、ここはヒルがすぐに立ち上がり、右を当てる。なおも詰めるトーレスの打ち終わりに右ミドルを当てるヒル。  2R、サウスポー構えのトーレス。詰めるヒルに、左のかけ蹴りで顔面に当てる。オーソドックス構えに戻し、右の前蹴り、サイドキックでヒルを突き放すトーレス。しかしその打ち終わりに組んでバックテイクしたヒルはスタンドバックで右足をかけるが、金網背に正対するトーレス。離れて右ハイをヒット、さらに左後ろ廻し蹴りも。  詰めて得意の首相撲のとらえるヒルはヒザも単発で、突き放すトーレスが左ストレートをヒット。詰めるヒルに前蹴りで距離を取ると、ワンツーから後ろ廻し蹴りへ。これをかわしたヒルがテイクダウンもブザー。  判定は3-0(30-37×2, 29-28)でトーレスが勝利。ヒルとの再戦も勝利したトーレスは、「2回目の勝利、嬉しいです。やはりUFCで退屈な試合は見せられないです。ダナ、みんな、トップファイターが誰かは分かっていると思います」と上位陣との対戦をリクエスト。  さらに「祖母はステージ3の乳がんです。同じような病気で戦っている人、祖母にこの勝利を捧げたいと思います」と語った。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇ソン・ヤドン(中国)135.5lbs/61.46kg[判定2-1] ※30-27, 29-28, 28-29×ケイシー・ケニー(米国)136lbs/61.69kg  中国期待の23歳ヤドンは16勝5敗1分け。UFCデビューから5勝0敗1分けと負け無しも、2021年3月の前戦ではカイラー・フィリップスにテイクダウンされ判定負け。オクタゴン初黒星を喫した。  対するケニーは30歳。柔道で全米ジュニア選手権優勝、レスリングではグレコローマンとフリースタイルで州王者になっている。柔術も黒帯。UFC5勝2敗で前戦は元王者のドミニク・クルーズに3Rにテイクダウンを奪われ判定負け。  1R、サウスポー構えのケニーに、オーソドックス構えのヤドンは右のダブルで前に。さばくケニーは左の蹴りから入る。左右を振って飛び込むヤドン。さばくケニーはテイクダウンのフェイントから右を振り左ミドルをヒット。ヤドンもワンツーで押し返し、右ミドルに繋ぐ。  左ボディストレートで前に出るケニーに、左回りで体を入れ替えるヤドン。圧力をかけるケニーのワンツーに左フックを返すが、ケニーは肩でブロック。左の後ろ廻し蹴りも見せる。右ハイを打つケニーに、右を振ってバランスを崩させるケニー。組み伏せに行くが、すぐに立ち上がるヤドン。ケニーは前進を止めず、圧力をかける。  2R、右の外足を取って左ストレート、ハイを打ち込むケニー。真っ直ぐ打ち返すヤドンは右ミドルを返す。ケニーのワンツーを左回り右ミドルを返すヤドン。足を触るフェイントからワンツーのケニーに、左に回り奥手をかわすヤドン。右インローを返すが、ケニーの詰めは止まらず。金網に詰めるとダブルレッグへ。ここは切るヤドン。  右の蹴りを返すヤドンだが、ケニーの圧力に下がらさせる。ケニーの左の蹴りに右を蹴り返すヤドン。右ローもそこにケニーはスーパーマンパンチの左ストレート! ヤドンは下がると組みに行くが、そこはケニーも体を入れ替える。  3R、先に中央を取ったのはケニー。ヤドンもワンツーで押し返すが、ケニーは左ミドル! ヤドンも右ミドルの蹴り返し。さらにトリプルで蹴る。ケニーも左を蹴り返して距離を取り直すと、ヤドンは右インロー。ケニーはスタミナ苦しいか、足が止まる。ヤドンは右に頭を下げたところに左ハイを当てたケニー。  右ミドルを当てるヤドンは自ら詰めて右から左を振るが、ケニーはダブルレッグへ。両足をスプロールし、切るヤドン。右手が下がるケニーに左ジャブを突き、ケニーの蹴り足を取ってバランスを崩す。なおも低いシングルレッグに入るケニーを切るヤドン。近距離でのボディ打ちはヤドン! 最後にケニーがダブルレッグテイクダウンを決めてヤドンに尻餅をつかせてブザー。  接戦の判定は2-1(30-27, 29-28, 28-29)で、下がりながらも有効打を当てたヤドンが勝利。再起を果たしたヤドンは、「とてもエキサイティングでした。前回は本来の自分ではありませんでしたが、今回は自分を出せました。ケニーのボディへの蹴りの対策をしてきました」と笑顔で語った。 [nextpage] 【プレリミナリー】 ▼ライト級 5分3R〇ラファエル・フィジエフ(キルギス)155.5lbs/70.53kg[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×ボビー・グリーン(米国)156lbs/70.76k  ライト級(5分3R)でレスリングベースのボビー・グリーン(米国)は、2020年にUFC3連勝。クレイ・グイダ、ランド・バンナータ、アラン・パトリック相手にいずれも判定勝ちも、2020年10月の前戦ではチアゴ・モイゼス相手に判定負けを喫している。  対するフィジエフは、現在ONEムエタイで活躍するソーグロー・ペッティンディーアカデミーと「トヨタムエマラソン」決勝で2度戦っている立ち技の強豪だが、MMAでも2015年のプロデビューから9勝1敗と驚くべき戦績を挙げている。  ROAD FC時代に強豪キム・スンヨンやムングントスズ・ナンディンエルデンを1R KOに下し、Titan FCを経て、2019年4月からUFCに参戦。初戦こそマゴメド・ムスタファエフのスピニングバックキックからのパウンドに敗れたものの、以降、アレックス・ホワイト、マルク・ディアケイジーに判定勝ちすると、2020年12月の前戦ではベテランのヘナート・モイカノを1R 左フックでKO。頭角を現してきている。  キック時代から得意とするボディブローを、MMAでも難なく効かせて、強烈なフックで顔面を打ち抜く、そのスタイルは、ムエタイと並行して行ってきた組み技格闘技の下地が生きているという。  注目の南カフカスのアゼルバイジャンをルーツに持ち、アントニーナ&ヴァレンティーナのシェフチェンコ姉妹を生んだ中央アジアのキルギスの国籍を持つフィジエフは27勝11敗1分けのベテラン・ボビー・グリーンを相手にUFC4連勝を飾ることができるか。  1R、サウスポー構えからスイッチするフィジエフ。オーソドックス構えからサウスポー構えに戻すグリーン。先に右の蹴りはフィジエフ。グリーンはサウスポー構えでノーガードの出どころが見えにいくい右、左を打つ。  ノーガードで圧力をかけるグリーンに左から右を当てるフィジエフ。左右にステップを踏みながら詰めるふぃじは右を当てるが、サークリングでかわすグリーン。追うフィジエフは左右ミドルをヒット! 右を軽く返すグリーン。フィジエフは右のカーフを当てる。後半に自身の距離にする。  2R、先に右ロー、さらに右ミドルを当てるフィジエフ。グリーンは四つに組むが、ヒジで突き放すフィジエフが右ミドル! グリーンの右ハイをスウェイでかわすと左右で飛び込むが、ここはグリーンは見切る。  フィジエフの蹴りを掴んでテイクダウン狙いのグリーン。片足立ちで崩れないフィジエフは、足を戻して右ロー、さらに得意の左ボディ! 右ミドル。左フックを当てて前に出るフィジエフにもらいながらも体を入れ替えるグリーン。その組みは突き放すフィジエフに、グリーンが前に。フィジエフのミドルを受けながらも右を打ち返し、来いとアピールするが、フィジエフは右ミドルを左手の上にヒット! しかしグリーンも場内の大声援を背にボディストレート、左フックを突く。  3R、ワンツー、ミドルと手数で上回るフィジエフ。左前蹴りから右を振って前に出るが、ここもグリーンはノーガードで右を振り押し返す。ボディから左を打つグリーン。手数でも盛り返すと、フィジエフはインロー・アウトサイドを当てて、右ミドル。その打ち終わりにワンツーを返すグリーンは右ボディストレートも。  左ハイを狙うフィジエフは疲れたか。大きな息をはく。右ジャブを突くグリーン。前に出て左・右、右ハイキックはフィジエフ! 左から右を打ち返すグリーン! フィジエフも右を打ち返して押し戻してブザー。1Rはフィジエフ、3Rはグリーンか。2Rはフィジエフがグラつかせているがグリーンも巧みなボクシングで反撃している。  判定は3-0(30-27, 29-28×2)でフィジエフが勝利。タフな試合を制し、UFC4連勝をマークし、「とてもいい気分だ。簡単な試合ではなかった。このケージの中はリラックスできる。ファンのみんなも喜んでくれている。ただ勝つだけでなく、盛り上げたかった。ハスブラ、試合をしようぜ!」と、ロシアの人気インフルエンサーのハスブラ・マゴメドフに対戦を呼び掛けた。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇ヴィンス・モラレス(米国)136lbs/61.69kg[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×ドラコ・ロドリゲス(米国)136lbs/61.69kg  1R、ともにオーソドックス構え。つま先を内側に向けてボクシング勝負するモラレスに、右のカーフキックを狙うロドリゲス。金網背にサークリングするロドリゲスは右を返す。モラレスも右のオーバーハンド。カーフキックをかわすとボディロックからテイクダウンを狙うも、倒されないロドリゲス。  2R、右のカーフキックのロドリゲスに、右を合わせるモラレス。しかしロドリゲスは3度ダブルレッグテイクダウン。尻を着きながらもスクランブルですぐに立ち上がるモラレス。しかしモラレスの入りにロドリゲスが右を当てる。ロドリゲスのラウンドに。  3R、圧力をかけるのはモラレス。その打ち終わりに右を狙うロドリゲス。左のダブルから右アッパー、左ミドルとリズムよく攻めるモラレス。自らダブルレッグテイクダウンにも入るが、差し上げるロドリゲス。前手の左フック、右を伸ばすモラレス。右を返すロドリゲス。判定へ。蹴りとテイクダウンはロドリゲス。スクランブルの立ち上がりからのボクシングの有効打はモラレスだが……。  判定は3-0(30-27, 29-28×2)でモラレスが勝利。1年2カ月ぶりの試合で連敗を2で止める白星を挙げた。 [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3R〇アロンゾ・メニフィールド(米国)204.5lbs/92.76kg[判定3-0] ※30-27×3×エド・ハーマン(米国)205.5lbs/93.21kg  1R、ともにオーソドックス構え。互いに慎重な展開のなか、右回りのメニフィールドは右カーフキック、左ストレート。2R、崩してバックを奪おうとするハーマンから逃れるメニフィールドは、右ストレートで金網まで詰めると、スタンドで右の拳を振り下ろしハンマーフィストを連打! 離れて右のカーフキックも打つメニフィールドはハーマンの突進を右にかわして右フック、さらに右カーフキック! 効かされたメニフィールドはスイッチし、前足を変える。しかし、なおもメニフィールドが右カーフキックを当てると、ダウンもブザーに救われる。  3R、ちゃんと立てるかドクターからチェックを受けるハーマン。メニフィールドのローに首相撲から引き込み、腕十字を狙うが、そこに鉄槌連打からパスガードはメニフィールド。体を放しスタンド勝負のメニフィールド。サウスポー構えのハーマンに詰めて右ミドルハイを当てると右ロングフックを頬に入れる。左から右を振るハーマンに足を使って距離を取るメニフィールド。判定は3-0でカーフキックを効かせたメニフィールドが勝利。2連敗から2連勝を決めた。 [nextpage] ▼女子ストロー級 5分3R〇ジェシカ・ペネ(米国)116lbs/52.62kg[1R 4分32秒 腕十字]×カロリーナ・コバルケビッチ(ポーランド)115lbs/52.16kg  1R、ペネの前蹴りを掴んでテイクダウンしたコバケビッチ。足を蹴り、ガードの中に入っていく。しかしペネが下からシングルレッグで上を取り返す。クローズドガードを取るコバケビッチ。細かいパウンドのペネ。体を放すと、下のコバケビッチが足関節狙いからヒザ十字。パウンドを入れるペネに内ヒールに切り替えるコバケビッチだが、ペネは回って外すとマウント奪取。  亀になるコバケビッチにペネは腕十字へ。クラッチして凌ぐコバケビッチは持ち上げてスラム。まだヒジが入っている。ペネは再度、組み直し、腕を伸ばして捻りタップを奪った。長期欠場明けからペネは2連勝。コバケビッチは厳しい5連敗となった。 [nextpage] 【アーリープレリム】 ▼フライ級→129ポンド契約 5分3R〇マネル・ケイプ(ポルトガル)129lbs/58.51kg ※体重超過[1R 4分44秒 KO]×オデー・オズボーン(米国)125lbs/56.70kg※体重超過のケイプが対戦相手のオズボーンに報奨金の20%を支払い試合は実施  アーリープレリムのフライ級戦(5分3R)で、元RIZINバンタム級王者のマネル・ケイプ(アンゴラ/ポルトガル)が、オデー・オズボーン(米国)と対戦する。  3ポンド(1.3kg)体重超過したケイプは、ボクサーだった父の影響で、4歳からボクシングを始め、18歳でプロMMAデビュー。2017年10月にRIZINに初参戦し、2019年12月には朝倉海を2R TKOに下し、バンタム級王者となっている  その後、UFCで階級を落としてフライ級に参戦。2021年2月に当時5位(現3位)のアレッシャンドリ・パントージャと対戦し、判定負け。3月13日には、欠場選手の代役として大会1週間前のオファーを受けてマテウス・ニコラウと対戦し、スプリット判定負けを喫したが、北米メディアの大半がケイプ勝利を支持するなど、物議を醸す判定となった。  その後もケイプは、ラスベガスのUFCパフォーマンスインスティテュートを拠点に、チーム・ハビブのダゲスタンファイターとも練習。2021年3試合目に臨む。  対するオデー・オズボーンは、“ジャマイカン・センセーション”と呼ばれるジャマイカ系アメリカ人。フェザー級とバンタム級で戦い、UFCでは1勝1敗。初戦はバンタム級でブライアン・ケルハーにギロチンチョークで1R 一本負けも、2021年2月にはフェザー級でジェローム・リベラにわずか26秒、左ストレートでKO勝ちを収めている。  身長170cmでリーチが183cm。サウスポー構えから繰り出される長い左ストレート、さらに長い手足を活かした跳びつきの三角絞めには注意が必要だ。  1R、ともにサウスポー構え。右から左のワンツーを伸ばすケイプ。スウェイでかわすオズボーンは左カーフ狙い。じりじりと圧力をかけ、ケイプの右ローを掴んでテイクダウン。すぐにケイプも立つ。オズボーンの右をかわして中に入るケイプ。オズボーンは右ミドルを当てる。  出入りのケイプ。オズボーンのテイクダウン狙いのレベルチェンジのフェイクに、ケイプはバービーしてのスプロール。左を当てるケイプだが、オズボーンも左の蹴り。手数が少なく慎重なケイプは左ストレートを伸ばす。スウェイでかわすオズボーン。足を触りに行くケイプだが深追いせず。  詰めるオズボーンを下がりながら誘うケイプは、そのままオーソドックス構えに変えるとオズボーンに右の跳びヒザ蹴り! 崩れたオズボーンを押し倒すと、パウンドにレフェリーが間に入った。  オクタゴンで初の勝ち名乗りを受けたケイプは、試合後、コーチから黒帯を首にかけられ、「父のように教えてくれたBJJコーチ、カリフォルニアのAKA、AKAタイランド、ラスベガスのUFC PI、フィジカルコーチ、みんなに感謝する。前の試合で僕は負けていない。自分ではトップ10、トップ5の力を持っていると思っている。世界でベストのフライ級ファイターだ。彼女が妊娠してるんだ。父親になる。ダナ、ボーナスを」と、体重超過を悪びれることなく、ボーナスを要求した。  また、試合後には「幸せだよ。驚いてはいない。自分はフライ級最高峰にいる。自分に多くのプレッシャーをかけていた。スターボーイとして自分自身でいたい」と語っている。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇マイルズ・ジョーンズ(米国)136lbs/61.69kg[3R 1分16秒 KO]×アンダーソン・ドス・サントス(ブラジル)135.5lbs/61.46kg  1R、ともにオーソドックス構えから右のカーフキックを効かせるジョーンズに、ダウンするドスサントスは左前足をひきずるように、2R、前足をスイッチしてサウスポー構えにするドスサントス。テイクダウン狙いも切られ、ジョーンズの右の強打をダブルで被弾。3R、ドスサントスの左ストレートを左にダックしてかわしたジョーンズは左ボディを当ててから右フックでKO勝ち。ジョーンズは2戦連続のKO勝利でMMA12勝1敗に。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇メリッサ・ガト(ブラジル)124lbs/56.25kg[2R終了時 TKO] ※右手負傷×ヴィクトリア・レオナルド(米国)125lbs/56.70kg [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇ジョニー・ムニョス Jr(米国)135.5lbs/61.46kg[2R 2分35秒 リアネイキドチョーク]×ジェイミー・シモンズ(米国)136lbs/61.69kg
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