2021年8月22日(日)東京・新宿FACE『SACRED FORCE presents KNOCK OUT-EX vol.3 ~RED FIGHT~』(昼興行)にて、スーパーバンタム級3分3R延長1Rで古村光(FURUMURA-GYM)と対戦する横野洋(キックボクシングジム3K)のインタビューが主催者を通じて届いた。
横野は前DEEP KICK 57.5kg王者のタイトル獲得歴があり、K-1・Krushで活躍する近藤3兄弟(大成・拳成・魁成)が2020年に立ち上げたキックボクシングジム所属選手。今年1月大会に初参戦すると、ベテランの炎出丸の顔面を縦ヒジで切り裂いて3RでTKO勝利した。しかし、4月大会で森岡悠樹に判定3-0で敗れ、欠場者の代打として7月大会に緊急参戦するも小笠原瑛作に2RでKO負けを喫した。
そろそろKOがしたいなあと思ってる
──まずは7月の小笠原戦、お疲れ様でした。
「いや、何もしてないんで(笑)」
──大会直前に欠場者が出たための、急きょのオファーを引き受けての出場でしたから。実際、チャンピオンの小笠原瑛作選手と対戦した感想は?
「思ってたより速かったですね。テクニックとかそういう面ではそんなに感じるところはなかったんですけど、体で負けたなという感じがありましたね」
──ローを効かされてのKO負けでした。ローはもちろん想定していたと思いますが、それ以上の威力だった?
「いや、思ったより速くて、カットできなくてずっとヒザに当たってたんですよ。ヒザが痛いなーってずっと思ってて、それが耐えられなくなった感じですね」
──ああいう結果にはなりましたが、やってよかったと思える点というのはありましたか?
「『あんだけ急なオファーを受けたらこんな感じなんか』っていうのが分かったのはよかったと思います。正直、あんまり負けて損する試合じゃなかったっていうとアレですけど、出たことで知名度もちょっとは上がったやろうし、そういう面ではよかったなと思います」
──小笠原選手との差については、思ったよりもあったという印象?
「いや、そういう感じじゃなかったですね。普通に、積み重ねの差で負けたなというか、人としての強さで負けたなと思いましたね、格闘技じゃなくて」
──でもそれって、格闘技としての差よりも埋めるのが難しくないですか?
「いや、練習を頑張れば追いつけるやろうという感じです」
──ヒザのダメージはどうですか?
「今はまだちょっと痛いです。(※インタビューは8月1日時点)でも、次の試合には影響しないと思います。練習も、痛いからちょっと右ヒザ蹴りを打つのはやめとこう、とかそういうぐらいなんで」
──で、次は元から予定されていた古村光戦なんですが、もともとこの試合に向けての準備には取りかかってはいたんですか?
「いや、ほとんどしてなかったです(笑)」
──カードが発表されてからもちょっと期間はあったと思いますが…。
「もともと対策とか準備とか、あんまりしない方なんで。何となくはしますけど、あんまりガッツリはしないです。『そろそろ古村戦に向けてやろっかなー…』と思ってたところに小笠原戦の話が来たというのもあって」
──では、ここからはどれぐらい準備するんでしょうか。
「まあ、やると思います(笑)。映像はちょっと見たんですよ。見た印象は…『元気やなあ』というぐらいで。普通にやれば大丈夫やろうと思いました」
──「普通に」。どう戦いますか?
「左の攻撃だけ気にしとったら大丈夫かなあと思ってて。まだ僕は『KNOCK OUT』でKO勝ちがなくて、そろそろKOがしたいなあと思ってるんで」
──KOもないですが、ここまで『REBELS』『KNOCK OUT』では1勝2敗で、最初勝って連敗ということになったので、そろそろ巻き返さないと……。
「そうなんすよ。その気持ちはありますよ!(笑) 今、身体操作の先生に動き方の練習とかいろいろ教えてもらってるんで、そういうのも成果が出ればいけると思ってます」
──それは今回、新しく取り入れたものなんですか?
「前からチョコチョコはやってたんですけど、今年の4月に1回目をやって、月1回教えてもらってて。それがだんだん感覚が分かってきたのもあって、そこは変わってきたかなあって感じですね」
──具体的にはどういう部分ですか?
「感覚の話なんですけど、パンチが乗るようになってきたかなあとか。サウスポーなんですけど右利きなんで、左ストレートがメッチャ苦手やったんですよ。それがだんだん乗るようになってきた感じがして。あとはヒジの感覚が、前まではよう分からんかったんですけど、最近はスムーズに出るようになってきたかなあと思います。それをリング上で試せるのは次の試合が初めてなんで、そこは楽しみですね」
──フィジカルとかスタミナの面はどうでしょう? 以前から指摘されていた部分かと思いますが。
「さっき話してたことが、フィジカル的なことなんですよ。動きながら筋トレするみたいな感覚で。そこは一気に変わるもんじゃないんで、正直まだそこまでは変わらないと思うんですけど。今回はとりあえず感覚の部分という感じで」
──月に1回教えてもらっているとなると、その間の反復が大事だと思いますが、そこはしっかりやれているんですか?
「まあまあまあ……しっかりかどうかは分からんですけど、やれてるはずです」
──すみません、どうしても「普段マジメに過ごしてますか」みたいな聞き方になってしまうんですが(笑)。試合前インタビューも3回目ということで、これまでの話の内容と試合結果をまとめると「あまり練習をしなくて、酒が好きで、結果があまり出てない人」みたいになっちゃってしまってるんですが…。
「まあ、そう思われてると思います(笑)。まあ、勝つしかないんで。この前、瑛作に負けたのが悔しいというかムカついてて、そこが今の原動力にはなってますよ。ただまあ、足がよくなって動けるようになったのが最近なので、ここからできるだけやろうと思ってるところなんですけど」
──なるほど。毎日ものすごく暑い時期に入っていますが、その影響はないですか?
「ちょっと動いたらものすごく汗が出て、“やった感”があるんで、いいっすよね(笑)。暑い分、ビールもうまいですし(笑)」
──やっぱりまだ、聞いてて不安が残りますね(笑)。では、飲む量は変わってない?
「変わらずですね。この取材が終わったら、また行ってくるんで(笑)」
──そうですか(笑)。このところの数試合で、長期的なビジョンみたいなものに変化とかありますか?
「あー…今までは目標がボヤーンとしてたんですよ。階級のチャンピオンに瑛作がおるから、『あれが目標かー』みたいな感じで。それがこの前、直接やれたんで、具体的な目標ができたのはよかったですね」
──では、今回の古村戦も目標にたどり着くための一戦という認識になった?
「そうですね。そのへんの人らをみんな倒して、もう一回瑛作とやらんとなと」
──周りの人たちの期待もあるでしょうしね。横野選手が勝っていったらスーパーバンタム級が面白くなると思ってる人も多いと思います。
「それはありますね。宮田プロデューサーも買ってくれてるんで、そういうことなんやろうなあと。でもそういう面では、今回ラストチャンスやろうなとも思ってるんで、勝ちますよ」