キックボクシング
インタビュー

【RISE】梅野源治、世界トーナメント前哨戦に「パンチだけでも勝てる相手だし、蹴りだけでも勝てます」

2019/05/09 11:05
2019年5月19日(日)東京・後楽園ホール『RISE 132』の第7試合で、I.K.M.Fフェザー級王者イ・ギュドン(韓国)と対戦する元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者・梅野源治(PHOENIX)。  梅野は3月に開幕した世界トーナメント「RISE WORLD SERIES 2019」で、約6年ぶりにRISEに参戦。得意のヒジ打ち、首相撲を封印してそれ以来のRISEルールに臨んだ。結果は大差をつけての判定勝ちだったが、7月21日(日)大阪・エディオンアリーナ第1競技場で開催されるトーナメント準決勝でのチャンヒョン・リー(韓国)戦へ向けて、経験を積みたいとの意向から今大会で前哨戦が組まれた。  しかしギュドンも、3月31日釜山で行われた60kgの試合で1ラウンドKO勝利したばかりで、勢いと攻撃力は侮れない。危険な前哨戦に臨む梅野の真意は? 僕がパンチのテクニックはないと思っている人も多いと思うので、それは違うよ、と ――7月の「RISE WORLD SERIES 2019 -61kg Tournament」準決勝でのチャンヒョン・リー戦の前に、イ・ギュドンとの試合が決まりました。 「3月のRISE WORLD SERIES 2019 -61kg Tournament一回戦が6年ぶりのRISEルール参戦だったのですが、ルールに戸惑ってしまい試合内容に響いた部分があったので、ルールに慣れるためにも7月の前に一戦を挟んでおきたいと思い、5月大会にも出させていただくことになりました」 ――対戦する韓国のイ・ギュドンについてはどのぐらい情報を入手してますか? 「一般的に韓国人のスタイルはパンチとローキックで攻めるものなんですが、試合映像を1試合だけ見たところ、パンチャータイプでした。パンチの打ち方はチャンヒョンに似てましたね。テクニックとしてはミドルをバンバン蹴るわけでもなく、前蹴りで距離を取るのがうまいわけでもなく、ただ近距離でパンチをガンガン打ってローを挟むというわかりやすいスタイルです」 ――仮想チャンヒョンには持ってこいと? 「そうですね。僕がどういう戦いをするのかをチャンヒョンがチェックしているはずなので、そういうことを考えて戦いたいと思います。前回の一回戦で僕はパンチをそんなに打たなかったじゃないですか。そこで僕がパンチのテクニックはないと思っている人も多いと思うので、それは違うよ、というのを今回の試合で見せるのもいいのかなと。パンチだけでも勝てる相手だし、蹴りだけでも勝てます。その都度、一番勝ちやすいスタイルを選択して僕は戦っているだけなんです」 ――3月のル・ジュン戦では蹴り中心の試合を組み立てでした。 「相手の中国人選手のパンチが強かったことと、伸びてくるパンチを打ってくるんです。僕が奥足へのローキックで攻めると、カウンターのストレートを合わせられたら嫌だなと。それならより勝ちやすいスタイルとしては、ミドルをばんばん蹴っていくことでした。あの中国人はタクシンレックというタイの二大殿堂スタジアムでフェザー級、スーパーフェザー級、ライト級、スーパーライト級(現ラジャダムナン4位)の4階級でトップランカーだった選手に勝っているんです。  ジムのタイ人トレーナーたちがみんなあいつには気を付けろ、絶対に舐めるなと事前に言っていて、映像を見るとパンチ、バックハンドブローでKO、ダウンを奪っていたので警戒してしまった部分もあり、遠い距離で蹴っていこうというのもありました。それで試合途中からミドルを受けていた腕にダメージを負ったことが相手の表情でわかりましたね。打ち合わずにこのまま腕を壊しにいこうと腕を蹴り続けました」 ――6年ぶりのRISEルールはご自身的にどうでした? 「RISEの選手はRISEルールだと近距離でも頭を下げて打ち合うことが出来ます。ムエタイでそういう距離でボディ打ちなどをするとカウンターでヒジを合わせられるので、むしろ打たずに組みに行くなど距離によって対応の仕方が変わってくるんです。自分の身体に染み付いたものがあるので、そういう近距離での戦いにやり辛さがありましたね。  でも組むとブレイクになるじゃないですか。今はそういうのを直そうと練習しています。前回は反則にならない程度にうまくクリンチワークしていたと思うのですが、レフェリーの視点からはギリギリだったみたいで、今後は更に厳しくすると言われましたね。そういうこともあったので、準決勝の前に近距離でも打ち合えるように意識して練習するのもありなのかなと思います」 7年前のことを何を言ってるんですか? ――次の試合に向けての練習ではパンチに比重を重くもしてるのですか? 「もちろん蹴りもパンチもいっぱいやっていますが、以前よりもパンチの練習は増えていますね。僕は打ち合って盛り上げようという意識は端からありません。ムエタイの試合の時、あまりガンガン打ってこない選手の時にはパンチでいきますし、逆にパンチャータイプの選手にパンチで打ち合いに行ったこともないのでそこのベースは変わりません」 ――以前に打倒ムエタイ路線で実力を証明していく中、2012年10月14日にヒジなしのK-1 GLOBALのリングに参戦、チャンヒョン・リーと対戦し3Rに右フックでダウンを奪われて判定負けを喫しました。その苦い経験を思い出すことはなかったですか? 「K-1 GLOBALに参戦した時は、ダウンを獲らなきゃ、いっぱい攻めなきゃという気持ちで戦ったことで自分の得意ではない距離感で攻撃を出してしまい、カウンターを合わせられてダウンを取られて負けました。今思えば、ムエタイルールでずっとやっていたのに、戦い方をK-1スタイルにする必要もなかったのかなと。持っているものを活かしながら、そのルールに対応するのが一番勝ちにつながると思います」 ――逆にその経験があったからこそ今対応できる部分もあります? 「そうですね。経験していないことは何も言えないですし、負けて苦い想いをしたことでそれを繰り返さないようにするために考えて今のスタイルがあります。あの経験があって良かったかなと思います」 ――そのK-1 GLOBALでのイメージもあって、梅野選手はRISEルールでも対応出来ないのでは? という声もありました。 「パンチでダウンを奪われましたといっても、7年前のことを何を言ってるんですか? と。それからパンチでダウンを奪う試合もありますし、スパーリングでパンチのうまい選手やボクサーにやられることはないですからね。パンチ主体でやっていないだけで、ジャンケンで相手がグーを出してグーを出すわけがありませんし、パーを出せばいいだけです。僕は何でも技は出来るので頭のいい戦い方をしていると思いますし、対戦相手は僕の対策をし辛いでしょう。チャンヒョンもそうですが、いつもパンチとローキックの試合をしていますが、ああいう戦い方だと次の試合でも読まれますからね」 ――次の試合では一回戦とは違う姿を期待してます。 「そうですね。見ている人が楽しめる試合になると思います、僕がパンチが出来るというのをわからせます。そして7月のチャンヒョン戦でも、もしかしたらパンチで勝っちゃうんじゃないの? という期待感を持たせるような試合を見せますよ」  また、梅野の対戦相手であるイ・ギュドンからは「こんにちは、韓国のイ・ギュドンです。ウメノ選手と試合が出来て光栄です。しかし彼はRISEには向いていない感じがします。前回の試合を見ましたがパンチが見えないようです。キックだけだと私は止めることは出来ません、多くは語らず試合内容で見せます。私が勝利したらWORLD SEIRESに出して欲しいです!」とのコメントが届いている。
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