同じタイ人の挑戦者を迎えて2度目の防衛戦に臨むサムエー「イージーな相手ではない」と警戒(C) ONE Championship
2021年7月30日(金)シンガポール・インドアスタジアムにて開催される『ONE:BATTLEGROUND』のメインイベントで、ONEムエタイ世界ストロー級王座の防衛戦に臨む王者サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)のコメントが、主催者を通じて届いた。
サムエーはルンピニースタジアム認定スーパーバンタム級とスーパーフライ級の2階級、プロムエタイ協会ではスーパーバンタム級・スーパーフライ級・フェザー級の3階級を制覇。2011年にはルンピニー・ファイター・オブ・ザ・イヤーとスポーツライターズ・フレンズ・ファイター・オブ・ザ・イヤーの両方を受賞しているムエタイレジェンド。
ONE最初のムエタイの試合を戦ったサムエーは、ONEフライ級ムエタイ世界王者にもなったが、2019年5月にジョナサン・ハガティに判定負け後、10月にストロー級転向。ダレン・ローランドにKO勝ちすると、12月にはワン・ジュングァンに判定勝ちし、新設されたONEキックボクシング世界ストロー級王者となった。さらに2020年2月、ロッキー・オグデンを破りムエタイ世界同級王座も獲得して二冠王に2020年10月にはジョシュ・トナーに2RでTKO勝ちし、初防衛に成功している。戦績は370勝47敗9分。
今回はプラジャンチャイ・PK・センチャイムエタイジム(タイ)の挑戦を受ける。
プラジャンチャイはかなり危険なファイター、でもONEでの経験は僕の方が上
「調子は良いですね。試合に向けて準備が整いました」
――今回の試合ですが、左の打撃の他に武器になるのはなんでしょうか。
「このムエタイの試合では、自分の全てが武器になると思います。とはいえ、やっぱり僕の左の打撃は、象徴的な武器ですよ」
――対戦相手のプラジャンチャイ選手は、この試合について『自分の方が若くて身体も元気、これが今回の試合で差が出る部分だ 』と話していました。これを聞いてどう思いますか。
「まあ、そうですよね。年齢的には僕の方が歳をとっていて、11歳差がありますから。でも、僕にはONEでの経験があります。ONEでの戦績は7戦6勝1敗。僕はONEのルールを熟知していますが、プラジャンチャイはこの試合がONEデビュー戦ですよね。それにONEのムエタイはオープンフィンガーです。彼にとって、これも初めての経験になりますから」
「タイ出身の選手と戦うときは、いつでもタフな試合になります。他の外国人選手と比べて、プラジャンチャイは僕のファイトスタイルを知っているし、逆に僕も彼のスタイルを知っているので、ノックアウトするのは簡単ではないです。でも、試合でノックアウトできる瞬間があれば、もちろん狙っていきますよ」
――この試合に向けて対策を練ってきたことはどんなことですか。何か特別に注力してきたことはありますか。
「さっきもお話ししたように、タイ出身のファイターと戦うのはイージーではありません。ストロー級では、プラジャンチャイはかなり危険なファイターの一人です。彼はオールラウンドだしスマートな選手ですが、僕はそれ以上を見せつけたいと思っています。スキルもフィジカルも。最後までパワーがある状態で戦いたいです。金曜日は楽しみにしていてください」
――タイのファンは、この試合はプラジャンチャイ選手が有利だと予想しているようです。このことに関してはどう捉えますか。
「タイのファンがプラジャンチャイが有利だって言うのは理解できます。でもやっぱり、ONEでの経験は僕の方が上ですよね。そして、準備期間の面でも僕は彼よりも長かったはずです。なぜなら、僕は防衛戦があることは分かっていたので、3カ月かけて調整をしてきました。周りになんて言われようと、自分のトレーニングに集中してきました」
――あとどのくらいトップレベルで戦い続けられると思いますか。フィジカル面、メンタル面の調子はどうでしょうか。
「フィジカル次第だと思います。現状は自分のフィジカルはまだ戦える状態です。僕はONEストロー級のムエタイとキックボクシングのチャンピオンですから、可能な限りこの2つのベルトを防衛したいですね」
――サムエー選手から見て、プラジャンチャイ選手はどんなファイターでしょうか。強み、弱みはどんな部分だと分析していますか。
「彼は、スピードが武器のオールラウンダーですね。スマートだし、素晴らしいファイターだと思っています。僕がタイにいる時から彼の試合には注目していました。間違いなく才能のあるファイターだと思っています」
――サムエー選手はムエタイのレジェンドの一人です。ONEでムエタイとキックボクシングの2競技でベルトを持っています。レベルの高い選手がたくさんいる中で、2つのベルトを防衛することはプレッシャーに感じますか。
「プレッシャーは特に感じていません。日々、練習を積む中で成長を感じています。とにかく、競技や相手に関わらず、自分の試合に向けていつでも準備万端でいたいと思っています」
――キャリア400戦以上の戦績を持つサムエー選手にとって、今回の相手プラジャンチャイ選手は最高の対戦相手のひとりと言えるでしょうか。
「そうですね。プラジャンチャイがタイで戦ってきたキャリアは僕のキャリアと似ているものがあります」
――4オンスのグローブで戦う点においても、プラジャンチャイ選手より経験豊富なサムエー選手ですが、ディフェンスではどんな差が出てくるでしょうか。
「この試合でのディフェンスについては、先ほどもお話ししたように僕はONEでのオープンフィンガーでの試合に慣れているし、どう使うべきかを熟知しています。プラジャンチャイは、普段よりも小さなグローブで戦うことになるので、僕を相手にどうディフェンスすべきかについて苦戦するのではと思います」
――サムエー選手はONEで6勝していますね。敗戦はジョナサン・ハガディー戦のみですが、彼との再戦を希望していますか。
「もちろんです。今になっても、どうしてあの試合で負けたのか疑問に思っています。プラジャンチャイ戦が終わったら、いつかジョナサン・ハガディーともう一度戦って、ずっと疑問に思っている結果について、答えを出したいですね」