MMA
インタビュー

【修斗】中村未来「“噛ませ犬”は卒業したい。打ち勝つイメージはできています」=7月25日(日)後楽園でSARAMIと挑戦者決定戦

2021/07/23 18:07
【修斗】中村未来「“噛ませ犬”は卒業したい。打ち勝つイメージはできています」=7月25日(日)後楽園でSARAMIと挑戦者決定戦

(C)Miku Nakamura

 2021年7月25日(日)、後楽園ホールにて、プロフェッショナル修斗公式戦が開催される。チケットは完売、ABEMA格闘チャンネルにて生中継される同大会のセミファイナルでは、女子スーパーアトム級戦(5分3R)として、中村未来(同級4位/マルスジム)と、SARAMI(同級2位/パンクラスイズム横浜)が対戦する。

 SARAMIは、DEEP JEWELSからONE Warrior Seriesを経て、2020年11月に修斗に初参戦。インフィニティリーグ優勝者の杉本恵と対戦し、打撃で右ストレートを当てるなど付け入る隙を与えず、1Rに得意の腕十字で一本勝ちしている。その後、2021年3月のQUINTETでも吉田綾子を腕十字に極めるなど、組みの強さを見せている。

 対する“北のストライカー”中村未来は、出入りの鋭い打撃を得意とするサウスポーファイター。2021年は2月に平田樹に2RにTKO負けも、5月に行われた北野きゅう戦ではシャープなパンチで何度も顎を揺らし、2R TKO勝利で再起を遂げている。

 世界王者・黒部三奈への挑戦権をかけた試合で、中村はベテランの強豪SARAMIを相手に、「“噛ませ犬”は卒業したい」と語った。

自分のペースで戦いたい──殴り合いをしたいですね

──22日の夜23時という時間帯にインタビューを受けていただき、ありがとうございます。減量含め、いまジムにいる状況というのは?

「試合3日前ですが、仕事が終わって2時間ほど確認程度に動きました。このスーパーアトム級だったら減量はほとんどないので、あと1kgくらいですね。今回は東京への移動もそれほど減量でナーバスにならずにすみそうですし、移動して試合というのは当たり前なので、慣れています」

──デビュー3戦目の2020年に4試合、コロナの影響もあるなか2021年もすでに2試合を戦ってきている中村選手です。今回で今年3試合目。コンスタントに試合を重ねている理由を教えてください。

「MMAを始めたのが26歳と遅くて、まだ経験が少ないので、とにかくできるだけ試合をしたいという思いでやってきました。試合が決まってる方が練習にも身が入りますし。試合に向かう時間や試合自体が好きなんです。平田戦を経て、仕事と練習する時間のバランスも変えてきました」

──練習時間を増やしたのですね。前戦、2021年5月の北野きゅう戦では、2R TKO勝ちを決めました。

「ただ、1Rでやりたいようなことをやらせてしまって、チョークは極まる感じはしませんでしたが、早く抜けて自分の展開にしなくては、と少し焦りました。でもそれ以降は、練習していたコンビネーションも出せたし、当てられたので自分の距離で戦うことができたかなと思います。最後の方はもう組まれることをあまり考えずに行っていましたけど(苦笑)」

──殴られるリスクもあるなかで打撃で突っ込んでいってしまう。しかし、それがフィニッシュにも繋がっている部分もあると思います。あの試合を経て、取り組んできたことなどもありましたか。

「打撃はパンチ力を増すためのフィジカルトレーニング、ラントレなども増やし、それにコントロールなど細かいところを修正し、組み技は際の部分の甘さがあったので、そこらへんを徹底して取り組んできました」

──そして、今回、SARAMI選手というDEEP JEWELSでも王座戦の経験を持つ強豪との試合が組まれました。率直にどう感じましたか。

「ついにきたな、という感じです。いずれやるかなとは思っていましたが、意外と早かったなと。試合は……即答しました。やらせてくださいと」

──逡巡は無かったのですね。修斗の前戦でSARAMI選手は、中村選手も対戦した杉本恵選手に1R、腕十字で一本勝ちいています。あの試合をどうご覧になりましたか。

「杉本選手との試合は見ましたが、これまでの試合はそんなに追っていなくて、動画を見返してきました。印象としては、柔道出身と聞いていましたが、打撃でも何でもオールマイティにこなす選手だな、と。常に自分のペースで試合ができる。相手に合わせながらも自分のページに持っていくことが上手だなと感じています。私と杉本選手との試合とは展開が異なりますが、しっかりコントロールしていたので、そういった面では技術力が高いのかなと思います」

──試合はスタンドから始まります。打撃を得意とする中村選手にとっては、そこでペースを握りたいところでしょうか。

「そうですね。打撃の部分でもSARAMI選手を想定して練習をやってきました。打ち勝つイメージはできています」

──剣道出身で右足前の右利きサウスポー構えで、前手の右のパンチが強いのと、前戦では左ストレートがクリーンヒットではなかったものの、エルボーも鋭さを増しているように感じました。

「以前は左ストレートが得意ではなかったのですが、修正して、前戦から少しづつ精度が上がり上手くいったなと感じています。練習してきた動きでした。あの左ストレートだけでなく、蹴りも含めていろいろなコンビネーションも練習してきたので、それも今回、出したいと思っています」

──組みの部分では前戦のバックから寝技を狙う北野選手と比べ、SARAMI選手は投げてコントロール、トップからの攻めに強さを発揮しています。その組みをどう見ていますか。

「凌ぐこともそうですが、テイクダウンされることも想定して練習してきました。その辺は上手いのでコントロールされてしまうことはあると思います。ただ、平田選手とやったことも指針に考えて、そこから練り上げたものもあります。その後の試合も、ずっと打撃でKOをしたいと考えていて、前戦で1Rの寝技を凌いで、2Rに打撃でフィニッシュできたことは、すごく自信になりました」

──平田樹戦では、倒されても何度か立ち上がることは出来ていました。その組み技の耐性が、受け以外にも発揮できれば、よりペースを握りやすいでしょうか。

「組み技・寝技も好きなんです。どうしても打撃の展開になりやすいく、まだ組み技や寝技を試合では出せてないので、その寝技の展開を相手が油断している分、驚かせることができればと思います」

──勝負のポイントは?

「スピードで負けないこと、下がりませんし、相手を下がらせるくらいプレッシャーをかけられれば、勝機が出てくると考えています」

──3R戦を戦い抜く準備も?

「これまで2R戦が多く、まだ試合で3Rを戦い切ったことが無いので未知数ですが、練習では3Rを戦い抜けるようにやっています。相手のペースに持っていかさない。自分のペースで戦いたい──殴り合いをしたいですね。理想としては、1、2RでKOしたいと思っています」

──女子スーパーアトム級王者・黒部三奈選手への挑戦権をかけた試合となります。ベルトが視野に入ってきたことに関して、どのように感じていますか。

「嬉しいですね。今までももらってきたチャンスを掴めないでいたので、しっかりこのチャンスを掴んでベルトを獲りに行きたいなと思います」

──中村選手の北海道での練習環境も変化はありますか。

「女子選手が私のほかに3選手がプロを目指してやっています。うち1人はプロシューターとなり、マルスジムからソルト選手が女子ストロー級で2022年プロ修斗新人王にエントリーしています」

──確実に女子選手が増えていますね。

「みんなでガチャガチャやれる環境になりつつあります。それにほかのジムからも出稽古に来てくれています。これまでの試合を見て、一緒に練習をしたいと言ってもらえるのは嬉しいですね」

──プロ9戦目で、SARAMI選手と王座挑戦に繋がる試合に臨む意味をどうとらえていますか。

「今まではただただ試合をしたくて組んでもらって、勝った・負けたというだけで終わりだったんですけど、今回は勝ったら次があって、その次勝てばベルトを手にして自分がトップに立てるので、欲しいなと思っています。試合を重ねる毎に、試合の重要さが増していくと思うんですね。そこにたどり着くためにも、苦しい展開でもやりぬく覚悟をしっかり持って戦うつもりです」

──覚悟、ですか。

「いま戦いたいと思っている人はたくさんいるなかで、自分は戦えて、自分自身も戦いたい人がいっぱいいるんです。そこにどうしてもたどり着きたい。だから試合をやっていきたい。試合に向かう日々が無かったら……何をしたらいいんだろうって思うくらい、私も人生を賭けて取り組んでいます。これで勝って“噛ませ犬”は卒業したいと思っています」

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント