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2021年6月27日(日)13時30分から、丸善インテックアリーナ大阪にて開催される『Yogibo presents RIZIN.29』のバンタム級トーナメント1回戦(5分3R)で、今成正和(今成柔術)が瀧澤謙太(フリー)が対戦する。
45歳の寝技師・今成と、26歳のストライカー瀧澤──という構図だが、それぞれが勝利するためには、相手のフィールドに近づく必要がある一戦だ。
計量前日のインタビューで両者は何を語ったか。
東京ドームで、バンタム級GPを先に勝ち上がったのは、朝倉海、井上直樹、扇久保博正、元谷友貴の4人。その試合を今成は「面白い試合がいっぱいありましたよね。(勝ち上がりの結果は)うーん、まあ、あんな感じじゃないですかね」と、予想通りという。
今回の対戦相手の瀧澤の印象を「背が高くて、ストライカー」と評する今成は、試合展開について公開練習では、「殴って勝つ」と宣言していたが、今回の質疑応答では、思わず「極めて勝ちます」と語り、その心境の変化を問われると「あっ、殴って勝ちます」と笑顔を見せた。
瀧澤は、昨年からグラップラー岩本健汰と練習しており、今成は2020年11月の「ZST BATTLE HAZARD 08」で、その岩本とハイレベルな激闘を展開。最後は肩固めで敗れている。
岩本を今成対策を練っているという瀧澤について、スペシャリストの動きを習うことで、むしろカウンターも含め、戦いやすくなるのではないか、と問われた今成は、「うーん。どうすかね……」と長考すると、「分かんないです」と煙に巻いた。
寝技のスペシャリストに対し、瀧澤が「攻防」を挑むことは考えにくい。いかに防御で「間違えず」、たとえ組んでも「削る」か。
一方の今成も、様々な極めの展開を想定しているという。海外のグラップリング「WNO」では、米国人初のムンジアル2連覇王者マイキー・ムスメシがノーギ(柔術衣無し)グラップリングで活躍する姿もチェックし、進化する技術も採り入れている。
「(ムスメシの試合も)見ています。本当に凄いですよね。素晴らしい。1日12時間とか練習しているのは異常だなと思いますけど」と苦笑する。
2月に45歳になり、「練習は毎日やってるんですけど、たくさん出来なくなったかなという気はしますね。だいたい集中してやってます。まあ、2部練習はするけど、3部練は出来ないって感じですかね。自然とそんな感じになっていった」という。
しかし、新たに取り組んだことも「結構あります。ナイショです(笑)」。出稽古は行わず、「今成柔術」に打撃のスパーリングパートナーを呼び寄せて練習を行ってきた。
見所を問われたGP随一のベテランは言う。
「動いているところ見てもらえればいいかなあって思っています。自分を見てもらえればいい。格闘技っていうか、違うタイプの動きを見てもらえたらいいかなあって思います。今まで出てた人と違うかなって気はするんで」
“ジョーカー”は一撃必倒の空手王子を極めることができるか。それとも「殴って倒すか」。