ポスターを改ざんした中村。遠くてよく見えない…(C)RIZIN FF
2021年6月27日、丸善インテックアリーナにて開催される「RIZIN.29」の第6試合(57.0kg 5分3R ※ヒジあり)で、北方大地(パンクラス大阪稲垣組)と対戦する中村優作(フリー)が25日、リモート共同インタビューに応じた。
2019年12月の神龍誠戦、2020年8月の竿本樹生戦のRIZIN2連敗で、試合後は引退を示唆したが、その原因となった腰痛が快方に向かい、今回、再起戦に臨む中村は、「通天閣アッパー」あらため、標高4.5mの「天保山アッパーで倒す!」と息巻いた。
前歯だけは狙ってほしくない……
──試合まであと2日です。現在の心境を教えてください。
「めっちゃ楽しみです」
──対戦相手の北方大地選手の印象は?
「何でもホンマにできる選手やなっていうのはあるんですけど、まあ、うん。いけるかなっていう、はい」
──前回の試合後は引退を考えていたと思いますが、どのような心境の変化がありましたか。
「そうすね。その1年前くらいからずっと腰が痛すぎて、ずっと病院行ったりとか、いろんな治療を受けたんですけど全然良くならなくて、あの試合もずっと朝起きるのも辛い状態が続いていて、『これ治れへんのちゃうかなあ』と思って、で、ちょっと考えようかなというのがあったんですけど、休養して、まあいい治療にも巡り合って、かなり腰の状態も良くなったんでまだちょっと行けるかなと思っています」
──どんな展開をイメージしてますか?
「まあ、僕の一方的な打撃の展開にしたろかなと思ってるんですけど」
──必殺技はありますか?
「必殺技ですか? こないだ“通天閣アッパー”で、ちょっと空を斬ってしまって、通天閣はちょっと高過ぎたんかな? 思たんですよ。今回は『天保山アッパー』ということで。天保山って知ってます? 天保山って、大阪で一番低い山なんですけど。ちょうどほらあの、今回の試合会場から近いんですよ、天保山が。調べてもらったらわかるんですけど、山どころか、こんなんです(※低い山を作る)。低めのアッパーで倒してやろうかなと思ってんですけど……スベりました? 大丈夫ですか?(苦笑)」
──……。
「一個、僕いいすか。RIZINさんのほうにね、こないだ僕誕生日(1986年6月21日生まれの35歳)やったんですけど、『お祝いにポスター変えろ』と言ったんですけど、『僕、切り替えてくれ』言ったんですけど、どうなってます?」
──皇治選手の顔が……。
「まあ、僕がメイン(のポスター)ということで。どないすか?」
──……検討します。
「検討してくれるんすか? 明後日ですけどね、いけます?(苦笑)」
──北方大地選手は大阪ですが、これまで接点は?
「練習したことないんですよ。なんか周りから聞いてたら組技が強くて、普段からなんか、体重も重たいみたいで、それでフライ級に上てきたのかなと」
──その北方戦に向けて、今はどのような今は練習環境ですか?
「今回は組技を重視して、大阪で強い選手たちのところに出稽古に行かしていただいて、組技の対策をいっぱいやってきました」
──差し支えない範囲で、出稽古先の選手を教えてください。
「手塚(基伸)君、永井美自戒、この二人、あと、もう引退されたんですけど、角田さんていう人がいてて、その人にずっとやっていただいて、かなり上達しました」
──がっちりグラップリングを強化してきたようですね。
「はい」
──さきほど引退の発言の経緯を知りました。前戦の竿本戦では、テイクダウンを混ぜてくるなかでの頭を下げた左フックを受けたかと思います。ステップも後半減っていたかと思いますが、それは腰による影響が大きかった?
「そうですね。やっぱりちょっと動きも悪かったし。で、上体も凄く浮いてたと思うんです。僕も試合を見直したけど、結局そのダッキングとかそういう動きすらできないくらい痛かったんで、そん中で無理して練習し続けて、結果、やっぱり、ああいう展開になっちゃったんで考えましたね。これ、どーしよ、って。腰が治らんかったら、さすがにプロとして今後やっていかれへんとちゃうかなと。そういうのがずっとあって、で、そっからまたいろんな治療法とかをいっぱい調べて、良くなったんで」
──標高4.5mの天保山アッパーも含め、体が動くようになったんですね。
「そう(笑)、低くいけるということっすね」
──那須川天心選手ともスパーしてアドバイスは? 刺激は受けました?
「はい、もうやっぱり世界最高峰の打撃っていうのはすごいなって。改めて思いましたね」
──強化した組みと体が治って打撃も新しい優作選手が見れると?
「そうですね。もう、期待しといてください」
──日本拳法は今は頻度はどのくらいでやっていますか?
「道場は緊急事態宣言で休みになっていて、今年入って、全く出来てないんですよね」
──こういう影響は今までにもありました?
「初めてですね、こんななんか、試合決まって拳法の練習が出来ない状態での試合は初めてなんで……まあ、でもずっと、言うても3歳からやってきたことなんで、そんなに変わらないんかなとは思てます」
──これまではどのくらい行かれてたんですか?
「週に1回だけがっちりのスパーリングなんで。週に1回は行ってましたね」
──試合前にコールされる時のポーズは、スペル・デルフィンの物真似ですか?
「いや、違います。あれは僕のオリジナルポーズです。誰がそんなパクったみたいになってるんすか!(笑)似てるっていうだけで、僕は違う、ボディビルダーの試合に出てる友達から教えてもらって、これを試合でやれと言われてやってるんで、RIZINの前からやってるんで」
──デルフィンさん、もっと早くからやってますよね。
「いや、それはちょっと分かんないです。デルフィンさんとも面識ないから僕も分かんないですけど、完全に僕のポージングとして、もう、世に広めてるんで」
──オリジナルだと?
「はい」
──前歯の調子はどうですか?
「前歯っすか? 前歯また調子悪くなってきて、あの、入れてるんですけど」
──仮歯ですか?
「いえ本歯で、留めちゃってるんですけど、ちょっとやっぱりその折れたところの、奥深くでちょっと若干膿んできてて、試合前になんか(治療)しよか、ってなったんですけど、めっちゃ腫れるんですよ。なので、試合後にもう1回ちょっと、歯を治療せなあかんと思います。大変なんすよ。めっちゃ大変で。一本脱臼して、それはもとどおりに挿し直しました。二本は折れてました」
──まだ完治してないと?
「そうすね、また最近ちょっと膿み出してきて、ほんまに歯だけは大事にしてください。格闘家の皆さんに対してもそうなんですけど、歯だけは大事にしてください」
──歯は高いですもんね。
「ほんまそうなんですよ、RIZINさん、お願いします!」
──腰とか歯とか、ウィークポイントをばんばん喋ってるのは、むしろ自信の現れですか?
「(笑)や。もう、強みですよ。これウィークポイントちゃいますよ」
──歯も腰も大丈夫?
「ぜんっぜん問題ないです」
──狙われても問題ないと?
「あっ、もう全然、大丈……いや、歯はちょっと止めてほしいかな。やめてほしいっすね。歯はもう大変なんすよ、ホンマに。ホンマに大変で。もう地獄やったんで、ちょっと。歯だけは狙ってほしくないですね。腰は問題ないです」
──狙われちゃいますね。
「それは、もうやめてください、お願いします」
──北方選手の漢気に期待したいと。
「そうですね、歯じゃなくてちゃんと、アゴ狙ってほしいっすね。狙うんだったら。……何の質問なんすかこれ(苦笑)」