2021年6月27日、丸善インテックアリーナにて開催される「RIZIN.29」のセミファイナル=第12試合のバンタム級トーナメント1回戦で、金太郎(パンクラス大阪稲垣組)と対戦する伊藤空也(BRAVE)が21日、公開練習&インタビューに応じた。
RIZIN初参戦となる伊藤は、MMA10勝8敗1分け。2017年12月から6連勝をマークも、2020年3月のグアム「Brawl」で強豪キム・サンウォンに1R TKO負け。しかし、2020年9月の「GRACHAN 45」で獅庵にフルマークの判定勝利で王者に輝いている。
禅道会空手出身。宮田和幸代表率いるBRAVEに所属してから連勝し、GRACHAN王者に登り詰めた伊藤は、公開練習で宮田代表が持つミットにオープンフィンガーグローブで突き・蹴りを打ち込んだ。 打撃からのタックルなど常に試合の流れの中で攻撃ができ、スクランブルにも強い無尽蔵スタミナ型ファイターの伊藤は、バンタム級トーナメント1回戦最終試合で、地元・金太郎を相手にアップセットを起こすことが出来るか。
トライフォース赤坂での出稽古では朝倉海と練習し、パラエストでも出稽古を積んできた。
「金太郎とは相性がいいと思う」「このチャンスは二度とこない、しっかりモノにしたい」「金太郎で警戒しているところは勢いとプレッシャー。そこだけ気を付けて、気持ちとスタミナで上回る」と、伊藤は力強く語った。
今回は本当に、何が何でも勝ちに行く
──現在のコンディションはいかがですか。
「怪我もなく、いつも通り順調ですね、ベストコンディションです」
──先程の公開練習では動きがキレていて力強かったですが、疲労などはいかがですか。
「先週までは息上げで追い上げていたのですが、今週はもう落として怪我をしないように調整って感じですね。あとは減量です」
──体重は順調ですか。
「あと4.5kgぐらいなんで、ちょっと落として、水抜きでしっかり落とせるように調整ですね」
──RIZIN出場が決まった時の率直なお気持ちを教えて下さい。
「嬉しかったですね。チャンスが来たなと。このチャンスは二度とこないかなとも思うので、しっかりモノにしたいですね」
──抽選会の時に相手がいるところに入らなかったと思いますが、それはどういう気持ちだったのですか?
「自分は選べたと思いますが、初出場で逆に余裕を持っていこうと思って空いている席に座ったという感じです。特に深い意味はないです」
──抽選会で先に座って金太郎選手に選ばれました。金太郎選手が伊藤選手を選んだ時、どのように感じましたか。
「抽選会の時に誰と試合したいかなと候補を考えていて、その中に金太郎選手がいたので、なので選ばれたときは嬉しかったです」
──宮田さんは「舐められてるんじゃないか」と言っていました。向こうが勝算を持って臨むことについて、伊藤選手は「そんな風にはさせないぞ」という気持ちはありますか。
「当然、そういう気持ちもありますし、(相手が自分を)知らなくて当然だと思っているので、そこは別に気にしていないですね。そこはしっかり試合で勝てばいいだけなので。それは逆に選んでくれただけでもラッキーかなという感じですね」
──対戦する金太郎選手の印象を教えて下さい。
「身体がデカいし、フィジカルが強くて結構イケイケで、ガンガンくる相手なので、自分とは相性がいいと思います。とにかく知名度もあって有名なんで、勝てば美味しいかなと思います」
──「相性がいい」とは、戦いやすいということですか? それとも盛り上がるということですか。
「“盛り上がる”ですね。そこはプロなのでしっかり見せたいと思います。魅せる試合をするのが一番なので」
──理想とする試合展開はありますか。
「一応、自分は打撃が売りなので、それだけじゃなくて、打・投・極、全部含めて試合で見せて、全局面で盛り上がるような、そういう試合が理想ですね」
──相手の金太郎選手はストライカーで、お互い似ているところもあると思いますが、ご自身が勝っている点、もしくは相手の警戒している点を言える範囲で教えて下さい。
「警戒しているところはとにかく勢い。プレッシャーが凄いので、そこだけ気を付けたいって感じですね。そこだけじゃないんですけど。自分が勝っているところは、気持ちとスタミナですかね。その辺は練習でしっかり作ってきた感じなので」
──リング・ロープでの戦いは対策はしていますか。
「はい、しっかり対策は出来ています」
──同じBRAVEジムの選手から、RIZINの戦い方などのレクチャーなどはされていますか。
「そうですね、RIZINに出ている選手が何人かいるので、アドバイスはもらっています」
──具体的にはどんなアドバイスなどをもらいましたか?
「とにかく、今までやってきた会場とは雰囲気が全然違うので、とにかくデカい会場ですし、国内で最大規模の格闘技大会なので、場に飲まれないように、というのが一番なのと、その中でもどう気持ちを作っていくかなどのアドバイスをもらいました」
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GRACHAN、BRAVEジムの看板を背負って勝ちたい
──今回はGRACHANのチャンピオンとして出場し、トーナメントには様々な団体の王者が出場しますが、意気込みを教えて下さい。
「本当に名誉ある大会のトーナメントメンバーに選ばれて光栄です。しっかり自分もベルトを巻かせていただいているGRACHANのチャンピオンなので、負けること自体が考えられないと言うか、王者の強さをしっかり試合で見せていきたいと思います」
──両者の共通する部分として、所属するジムに対する気持ちが強いかとと思います。BRAVEと稲垣組でお互いのジムの看板を背負うことは今回の試合のモチベーションになりますか。
「なります。先輩方が試合をして大きな結果を残しているので、そのなかで自分も選ばれて出場するわけなので、下手な試合はできないですね。看板を背負って勝ちたいし、結果を残します」
──勝った場合、他に戦ってみたい相手はいますか。
「本当は石渡(伸太郎)さんとも試合をしてみたかったのですが、井上直樹選手と試合をして残念な結果に終わったので、そこはあんまり考えていないです。とりあえず次戦しっかり勝って、そこから決めようと思います」
──宮田和幸代表からは今回の試合に向けて、何か言葉はもらいましたか。
「宮田先生からは『とにかく自分の持っているものを全て出さないと絶対に負けるから。場数を踏んでいる相手の方が強いし、練習に対して俺の言っている指示の技を出さないと絶対に負けるよ』ということは、本当に強く言われています。そういうちょっとした細かいところも、すごい指摘されましたね。そういったすべてを打ち込みから全部出さないと、自分に勝機は無いんだなと。そのくらい率直に、ズバッと言われましたね」
──宮田代表に発破をかけられたわけですね。
「はい。逆にその真剣さはめちゃくちゃ伝わりましたね」
──試合でのゲンかつぎはありますか?
「前回のタイトルマッチの時に、宮田先生おすすめのサムゲタン(参鶏湯)屋があって行ったのですが、そこで食べたサムゲタンが身体に染み渡って、すごく回復したので、なのでサムゲタンですね。良いじゃないですか、ああいう韓国料理って。鰻とかおじやというのもありますが、自分はサムゲタンがしっくりきて、今回もサムゲタンを食べようと思います」
──尊敬している・目標としている選手はいますか。
「やはり宮田先生、尊敬する先輩はたくさんいますけど、誰を選ぶかというと正直ないですね。武田さんにしろ芦田(崇宏)さんにしろ学ぶことが多いので、吸収できるものは全部吸収しています」
──肌の色はまだ黒くないですが、これから追い込むのですか。
「これでも1回焼いたのですが、既に背中が痛いので、慣れてないから(苦笑)。でも、もう一回行こうかなと思います。相手選手も黒いので。黒いのが良いことなのか分かってないですが、僕ももう一回、焼きに行きます」
──入場曲などは決まっていますか。
「僕の入場曲はいつもPerfume(「Dream Fighter」)なので、今回もPerfumeをRIZINの会場でも流そうと思います」
──最後にメッセージをお願いします。
「今回は初出場ですが、いろんな方から応援メッセージを頂いていて、地元の方や格闘技関係者の方々から僕に対しての応援メッセージを頂いて、本当に感謝しかないです。そういう感謝の気持ちを試合で勝って、恩返しをしたいので、今回は本当に何が何でも勝ちに、頑張ります」