MMA
レポート

【DEEP】住村は2Rアクシデント判定勝利、東陽子がKINGレイナとの激闘制す、伊藤裕樹が逆転勝利、「朝倉未来1年チャレンジ」ヒロヤ&西谷が敗れる

2021/06/20 16:06

▼第7試合 DEEPJEWELS 64kg以下 5分3R
×KINGレイナ(フリー)
[判定0-3] ※28-29×3

〇東 陽子(リバーサルジム新宿Me,We)

 セミファイナルに出場のKINGレイナは、2020年9月20日の前戦「DEEP 97 IMPACT」で熊谷麻理奈(WSRフェアテックス札幌)と63kg以下契約のキックボクシングルールで再戦。

 8月の熊谷との初戦で物議をかもす判定勝ちの不満を払しょくするような完勝を目指したが、前日計量でレイナが初回計量1.9kgオーバー、さらに3時間以内の再計量で1.5kgオーバーと大幅な体重超過。レイナに減点2とイエローカード2枚提示で試合は行われ、熊谷が勝利した場合のみ公式記録に残り、KINGレイナが勝ってもノーコンテストとなることが発表されていた。試合はKINGレイナが判定負け。

 試合後、DEEPの佐伯繁代表は、レイナについて、「最低半年間は試合をさせない。もう(DEEPでは体重超過が)2回目でしかるべき処置をしないといけない」と、今後のレイナの起用について再考することを語っていた。 

 そして臨んだ今回の試合、9カ月ぶりのマット、総合格闘技では1年4カ月ぶりの試合に向け、KINGレイナは無事に計量をパスしてきた。

 今回対戦する東は、KINGレイナ同様に柔道出身ファイター。これまでPANCRASEを主戦場としてきた。柔道で2002年全国高等学校選手権優勝、2003年フランスジュニア国際大会3位などの実績を持ち、MMAでは4勝2敗。2019年10月の「PANCRASE 309」でブラジルのタチアネ・フォンテスと対戦し、得意の払い腰でフォンテスを投げるもスイープされ、スプリット判定で惜敗。2020年3月大会でブラジルのタイナー・ラモニエとの試合が決定していたが、コロナ禍で大会が中止に。2020年最初の試合が12月の年内最終大会となり、東は直DATE(Team DATE)を判定で下し、5勝2敗としている。

 ともに柔道出身ながら、柔道の実績では東が上。しかしMMA12勝3敗の戦績と打撃の経験は、KINGレイナが優っている。PANCRASEからDEEPに参戦する東が、新天地で勝利を掴むか、KINGレイナが再起を果たすか。

 1R、東はPANCRASEのバックプリントラッシュガードで入場。KINGレイナは巨大キャンディを杖がわりに王冠をかぶり入場。ジャブの刺し合いから右ボディを当てる東。KINGレイナは右カーフキック、そこに東は右のカウンター狙い。KINGレイナはさらに右をスイングさせ、東を終盤後退させる。

 2R、ジャブを刺す東。KINGレイナの入りに右も当てるがその指がKINGレイナの目に入り中断。KINGレイナの右ローに東は腿を腫らせるがカウンターの左ジャブを的確に当て、KINGレイナの蹴り足を掴んでテイクダウン。立ち際にパンチをまとめる。

 3R、ジャブの刺し合いで勝る東はKINGレイナの蹴り足を掴んでテイクダウン! 立ち上がるKINGレイナの組みも断ち切りワンツー。しかしKINGレイナも左ストレートをヒット! しかし手数を止めない東のパンチにKINGレイナは口から出血が多くなる。しかし、KINGレイナーも表情を変えずにパンチを振るう。最後に東は右フックを顔面に打ち込んで前へ。

 判定は3者29-28で東が勝利。激闘に勝利した東は、息子とともにケージに上がり、「DEEP関係者の皆さん試合を組んでいただき、ありがとうございました。PANCRASEの坂本(靖・統括本部長)さんも快く送り出してくれてありがとうございます。大きな口を叩いて負けたらどうしよう、チャンスを今度こそモノにしたいと思ってきました。私はシングルマザーで息子と2人で大きなRIZINや海外を目指して頑張っています。応援のおかげで毎日練習や子育てに頑張れます。最後にKINGレイナ選手、体重落としてきてくれてありがとうございました」と語り、最後にマットに両手を着いて挨拶し、DEEPケージを降りた。

 また、試合後の会見で東は「KINGレイナ選手、思ったより強かったです。でも今日、(練習仲間の)村田夏南子選手がドクターに止められるまで戦っていた姿を見て、自分もと奮い立たせ、子供の『頑張れ』という声がすごく近くで聞こえていて、ここでいかなきゃ終わりだな、このままじゃ美味しい肉を食べさせられないと思って頑張りました。

 チームでは、KING選手との試合が決まってから3Rまでやって勝とうと言って練習してきて、それがしっかり試合で出たと思います。セコンドも戻るたびに『いいよ』と言ってくれて。(判定は)押されたなと思いました。壁レスとかもやってきたことが出せました。正直3Rとも押されたなと思いましたが(勝因は)3Rにジャブが当たったのが良かったんだと思います。坂本(靖統括本部長)さんが気持ちよく送り出してくれたので、勝ちを持ち帰らないといけないと思いました。PANCRASEでデビューして、今までずっとPANCRASEで戦ってきました。これに負けたらPANCRASEに帰れない、と。誰も思っていないかもしれないけど勝手にそう思ってました」と勝因を語った。

 また、KINGレイナが出血しながらも表情を変えずに前に出てきたことについて、「試合中にそんなこと思ってはいけないですけど、怖くて」と吐露。それでも「血が出ていたので、そこしかチャンスは無いと思ってジャブを突きました。今後については代表と話し合って戦っていきたいと思います。息子にいい肉を食べさせてやりたいと思います」と、ママを待つ子供に笑顔で語った。

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント