2021年6月13日(日)『Yogibo presents RIZIN.28』東京ドーム大会の第5試合・バンタム級トーナメント1回戦で対戦する、扇久保博正(パラエストラ松戸/60.75kg)と、春日井“寒天”たけし(志村道場/60.85kg)が、前日計量をともにパスした。
2020年8月に朝倉海に敗戦後、11月に瀧澤謙太からダウンを奪う勝利で再起を果たした扇久保は、春日井との試合に向け、「似たようなタイプなので、打撃の面で優位に立ちたくパンチを磨いてきた」と明かし、今回のトーナメントを「集大成になる」と語った。
また、今回の試合は、2016年「The Ultimate Fighter」フライ級トーナメントで同じチーム・ベナビデスの同部屋だったブランドン・モレノ(メキシコ)が「UFC263」でフライ級タイトルマッチに臨む同日になるため、扇久保は「あっちば米国、こっちは東京ドームで、ともにでかい大会に出るので、お互いに格闘技を盛り上げられればいいなと思います」と、エールを送った。
対する春日井は、2014年2月「VTJ 4th フライ級トーナメント1回戦」以来の再戦となる扇久保について、「そつなくレベルの高い選手」と評し、名古屋でジムの垣根を越えた練習をしてきた成果を出して、「何が来ても自分らしい戦いができるように」と抱負を語った。
「中部代表だと思ってやっているので、慕ってくれている後輩たちに背中を見せていきたい」と意気込む春日井は、「このトーナメントのダークホースになれるように、なるつもりでいますし、それくらいのレベルを持っていると自分の中で思っている」と自信をのぞかせた。
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扇久保「集大成、だと思っています」
──いよいよ試合に向け、現在の心境はいかがですか?
「ワクワクしています」
──対戦相手の春日井選手の印象は?
「気持ちがすごく強い選手という印象です」
──どんな試合展開になると予想しますか?
「7年前に戦っている(2014年2月「VTJ 4th フライ級トーナメント1回戦」)のですが、その時僕はずっとタックルに行っていましたが、それと違う展開になると思います」
──公開練習で対戦相手についてはおうかがいしたので、その後について。YouTubeで寒天を食べ切ったお味はいかがでしたか?
「ちょっと知覚過敏のところが痛くて、かなり苦戦して食べましたが、しっかり完食できたと思います」
──寒天は健康食ですが、減量用に食べたというわけではないのですよね。
「フフフ、減量ではなく(相手を食べる)リハーサルじゃないですけど、そういうイメージでやりました」
──「塩抜き」をキーワードにカリウム定食をSSNSにアップされていましたね。これは彼女さんが?
「そうですね、食事面ぜんぶサポートしてくれています」
──愛の力ですね。それにジャイアン貴裕選手の鹿肉も。
「そうですね、鹿肉はずっと1カ月前から毎日食べています」
──ファイターにとって、高タンパクで低カロリーなジビエはやはりいいのでしょうか。
「減量にもすごいいいし、気分的に獣になったようになれるので、いつも自分は食べています」
──獣になって試合に臨む、と。
「そうです」
──ボクシングのパーソナルトレーニングもされているそうですね。
「以前からやっていましたが、今年に入ってからまたしっかりやるようになった感じです」
──組み技強者同士の戦いの中で、打撃が勝負のポイントとなるということですか?
「似たようなタイプなので、打撃の面で優位に立ちたく、パンチを磨きました」
──ところで同日の13日に、扇久保選手が準優勝だったTUFで、同部屋だったブランドン・モレノがUFC世界フライ級タイトルマッチに臨みます。
「TUFのとき、二段ベッドでブランドンが下で僕が上で寝泊まりしました。今回、あっちば米国、こっちは東京ドームででかい大会(アリゾナ州グレンデールのヒラ・リバー・アリーナで有観客大会)に出るので、すごいなあと思っています。いつも『頑張ろう』ってメッセージ送ると返してくれたりするので、お互いに、場所は違いますけど、格闘技を盛り上げられればいいなと思います」
──前回はデイブソン・フィゲイレードがドロー防衛でした。今回の予想は?
「ブランドンが4ラウンド、右アッパーでKO勝ちじゃないですか。なんだろう、きっとやってくれると思います」
──岩手県のご出身で、大谷翔平選手と同郷ということで刺激も受けますか。
「そうですね。岩手から、あとは菊池雄星とかもいて、かなり刺激を受けます。自分もそれに続いて頑張ろうと」
──試合次第では地上波テレビ放送もあるかと思いますが、YouTubeのチャンネルの登録数をどれくらいに伸ばしたいでしょうか。
「いま1万7千人なので、終わった後、5万人くらいに増えたらいいなと思います」
──今回のバンタム級トーナメントをどういう位置づけで臨みますか。
「集大成、だと思っています。それぐらいの位置にはなるんじゃないかと思っています」
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春日井「志村道場に恩返しがやっとできる」
──東京ドーム大会まであとわずかです。現在の心境は?
「すごく楽しみな気持ちです。わくわくしてます。扇久保選手はそつなく、レベルの高い選手。どういう展開になるかは分からないけど、何が来ても自分らしい戦いができるようになると思います」
──扇久保選手とは、2014年2月の「VTJ 4th フライ級トーナメント1回戦」以来の再戦となります。
「7年前と立場は変わっていないので、7年前も僕は下馬評では下ですし、今回も立場は変わっていないので、このトーナメントで優勝候補のひとりの扇久保選手と1回戦目にあたることは、すごい光栄なことで、この試合で必ずいい結果を残し、このトーナメントのダークホースになれるように、なるつもりでいますし、それくらいのレベルを持っていると自分の中で思っています。自分だったらいけると思うので、ただそれだけです」
──この試合に向け、練習環境や何かテーマを持って臨んだことはありましたか。
「試合が決まってから大きく変わったことは別にありませんが、名古屋は地方なので、練習相手のニーズが少ないので、今年に入ってから、自分主宰で朝みんなで集まって、中部の若手選手たちと練習を積んできたのを、週2回に増やしてやってきました。志村道場でのスパーリング、ALIVEさんでの練習にも参加させてもらって練習してきました」
──名古屋、そしてHEATチャンピオンとして、このバンタム級トーナメントに出ることについて、どんな気持ちでしょうか。
「HEATチャンピオンであることと、僕は志村道場に拾っていただいた存在なので、拾ってもらった立場なので、志村道場に恩返しがやっとできるという思いです。地元の寒天をリングネームにしていて、恩を返すというか、山奥の子供たちが、なんていうんだろ、頑張って田舎からでも、こういう舞台に立てると思ってほしいし、中部代表だと勝手に思ってやっているので、慕ってくれている後輩たちに、やはり背中を見せていきたいという気持ちも大きくて、いろんなものを背負っているので、すごい特別な思いでこのトーナメントに参加させていただいています」