「ONE: FULL BLAST II」2021年6月11日(金)ABEMAにて配信シンガポール・インドアスタジアム
▼キャッチウェイト (62.8kg契約) ムエタイ 3分3R〇モンコルペット・ペッティンディーアカデミー(タイ)判定2-0×エリアス・マムーディ(フランス)
モンコルペットは元ルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級王者(2017年)で、100勝以上をあげてきたというベテラン。2017年チャンネル7スタジアムファイトオブザイヤー獲得、2018年トヨタムエマラソントーナメント・スーパーライト級優勝の実績もあり、2017年6月にはスアキムからも勝利を収めている。ONEでは2019年1月にアレクシィ・セレピソス(ニュージーランド)に完封勝利、同年9月にもジョセフ・ラシリ(イタリア)から判定2-0で連勝を飾っている。2020年8月にはソク・ティー(カンボジア)にも判定勝ち。前戦はペッティンディー興行にてチョーファー・センティアンノーイに敗れた。
マムーディは2016年11月のK-1 WORLD GP初代フェザー級王座決定トーナメントに初来日し、準決勝に進出も小澤海斗に判定負け。2017年4月のKrushでは西京春馬に判定負け。2018年6月のK-1 WORLD GP第2代フェザー級王座決定トーナメントでは村越優汰と延長戦まで戦ったが判定2-1で1回戦敗退。しかし、2019年1月のONEでは小笠原裕典に勝利し、2月にはWBCムエタイ・インターナショナル・スーパーフェザー級王座に就いた。5月、ONEフライ級キックボクシングタイトルマッチでペッダム・ペッティンディーアカデミーに挑戦したが、マムーディが急所攻撃を受けて試合続行不可能となり、負傷判定で敗れ王座奪取ならず。
1R、序盤から積極的に攻めていくのはマムーディ。前蹴りからパンチ、ヒジと攻めていく。しかし、モンコルペットは強烈な右ローを返す。一発一発が強力なモンコルペットはローでマムーディを揺るがせる。明らかにリーチが長いマムーディだが、モンコルペットは空振りさせて逆にワンツーをヒットさせた。さらに右フックをかわして右ボディを入れ、右ローを蹴る。しかし、左フックをもらって大きくグラつくモンコルペット。ガードの甘さを露呈するが、右ボディストレート、ワンツーを強打して逆襲。
2Rが始まってすぐ、マムーディが打ち下ろしの右ストレート。モンコルペットが潜り込んでボディを打ってくるところにストレートを合わせに行く。ならばと組んでヒジを打つモンコルペット。左右ロー、ボディへのパンチでゆさぶりを懸けるモンコルペットは、マムーディの右ヒザ蹴りを蹴った直後の右ストレートでダウンを奪う。以後、モンコルペットは下がって様子を見る。
3R、モンコルペットは組み付いてのヒジを多用。マムーディは逆転を狙って右ストレート、左フック、ヒジも繰り出すがモンコルペットに組み付かれる。前に出てくるマムーディには右ボディストレートを入れて組み付くモンコルペット。そしてマムーディをコカす。顔面前蹴り、ヒジで前に出るマムーディだが、モンコルペットは組み付いて投げての時間稼ぎ。3Rはモンコルペットがフルに流して終えた。
▼第1試合 フライ級キックボクシング 3分3R×ワン・ウェンフェン(中国/同級4位)判定0-3〇内藤大樹(BELL WOOD FIGHT TEAM)
内藤は元シュートボクシング日本スーパーバンタム級(55kg)王者で、2019年9月の『ONE JAPAN SERIES -Road to CENTURY-』で渡辺優太に1R1分22秒、右ハイキックでKO勝ちしONE本戦デビューを決めると、10月25日のジャカルタ大会でアレクシ・セレピソフに右フック、アッパーなどのラッシュで3R TKO勝ち。12月のクアラルンプール大会でもルイ・ボテーリョを得意の蹴り技で制し判定勝利。さらに2020年2月大会でもサバス・マイケルに判定勝利し、ONE本戦3連勝を飾ったが、2020年12月に元ONEムエタイ世界フライ級王者ジョナサン・ハガティーに判定で敗れた。
ONEでの初黒星を喫してからの再起戦。これまでONEでの4試合を全てオープンフィンガーグローブ着用のムエタイルールで戦ってきた内藤だが、今回はボクシンググローブ着用のキックボクシングルールで行う。
ワンは散打出身。中国のキックボクシング大会『Kunlun Fight』で活躍し、2016年10月にはチャンヒョン・リーにも勝利。2018年の61.5kg世界トーナメントで優勝すると、2019年11月にONE初参戦。イリアス・エナッシのONEフライ級キックボクシング世界王座に挑戦したが、判定2-1で惜敗した。2020年10月の再起戦ではアズワン・チェウィルに判定勝ちし、再起を飾っている。今回がONEでの3戦目。戦績は41勝8敗1分。
1R、まずは右ローの蹴り合い。内藤は右カーフキックも織り交ぜる。ワンが前に出てくるところへ左ミドルも合わせる。ワンはサイドキックを繰り出すが、内藤はコツコツと右カーフを蹴り、左インローも蹴る。ワンの飛び込んでの右フックには左フックを合わせる内藤。
2R、ワンツーで前に出るワンに内藤は左インロー。そして右カーフキック。ワンが入って来るとその攻撃をかわし、蹴りを2発返す内藤。左インローが次々と決まり、ワンは左フックを振るが内藤は蹴ったらすぐに離れてもらわない。
3Rも左インローと右カーフを蹴る内藤。しかし、内藤の左インローがローブローとなり、試合中断。再開後も内藤は右カーフを蹴り、左ハイも見せる。ワンは右カーフを蹴られるとサウスポーに構える。それでも内藤は右カーフ、左ローを蹴っては離れるを繰り返し、最後には右ハイのフェイントからのバックハンドブローを繰り出して試合終了。
判定3-0で内藤が圧勝の内容・結果となった。内藤は「今回ワン選手がランカーですし、世界タイトルにも挑戦している選手なので対策をしっかりやってきたのでこの勝利は嬉しいですね。本当はパンチで最後は仕留めたかったんですが、下の崩しが思ったより効果を出していたのでしっかり削って、今回は勝ちが欲しかったので途中で作戦は変更しましたね。でも本当の武器はパンチなので次回にとっておきたいと思います」と勝利者インタビューに答えた。