2021年6月13日(日)東京ドーム『Yogibo presents RIZIN.28』にて、MMAデビュー戦で第9代DEEPフェザー級王者・弥益ドミネーター聡志(team SOS)と対戦するRISEウェルター級王者“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館)が、9日(水)所属道場にて公開練習を行った。
公開練習では道衣を着て、オープンフィンガーグローブ(以下OFG)を着用しながらもMMA的な動きは一切なく、通常の空手技でのミット打ちを披露。ミット打ちが終わった後も上段廻し蹴りから後ろ廻し蹴りなどのシャドーを見せた。
「自分は普段通り空手の稽古をやりました。今の時間で自分の全ての動きを出しました」と、MMAの動きを隠していたわけではないと主張するベイノア。MMAはいつから練習を開始したのかと聞かれても「自分は小学4年生、10歳の時に成増道場で極真空手を始めた時から、いつ何時、どのような体勢になっても空手で対戦相手に対抗できる準備をしていますので、事実上10歳の時からMMAの練習はしています」と、空手を始めた時からすでにあらゆる格闘技に対抗できるようにしていたと答えるにとどまった。
「今回自分のMMA初挑戦に対して心配の声であるとか、まだ早いだろうとの声もありますが、ウィリー・ウイリアムス先輩を始め先輩方がいろいろなことに挑んできています。実際、ウィリー先輩は熊という人間ではない生物と戦ってきておりますので、今回自分はこの試合を恐れている場合ではないと思っています」と、ウィリーが熊と戦ったことに比べれば大したことがないとする。
前日には試合順が発表され、ベイノアvs弥益は第1試合に。「18年ぶりの格闘技東京ドーム大会で第1試合ということで、この盛り上がる大会に火をつけらるということで非常に意気込んでます。同時に、会場が自分の試合で爆発してしまうのではないかと。自分以降の華々しい選手たちにご迷惑をかけないかと心配しております」と、最初からクライマックスを迎えてしまうと自信満々。勝利後のマイクパフォーマンスに関しても「自分はいつもマイクパフォーマンスは考えずに、その場で思いついたことを思うがままに喋っているので、変わらず今回もそれで臨みたいと思います。爆笑で東京ドームが破裂しないか心配です」と、こちらにも自信満々だった。
打撃系選手のMMAデビュー戦で、第1試合となるとRENAが思い浮かぶが、「歴代の立ち技選手たちが総合格闘技に挑戦してきた試合を超えないと、今の総合格闘技ファン、RIZINファンに認めてもらえない。その自信はあります」と、ビッグインパクトを残すとする。
東京ドームで試合をすることには「格闘家人生でも東京ドームに上がれるのはなかなかないことです。格闘技の大会も18年ぶりだし、極真空手の歴代の先輩たちを見てもフランシスコ・フィリォ先輩以来の出場ということで気合いが入っております」とした。
弥益については「非常に知的な印象を受けております」とし、一部では芸人でもあるベイノアよりサラリーマンの弥益の方がコメントが面白かったとの声もあったが「さすが人生経験が豊富で普段から営業活動で喋りの方を鍛えてきておられるなと、非常に感心しております」と称えた。強さに関しては「総合格闘技のことはあまり分からないので、偉そうなことは言えないと思うんですけれども、実績から見ても非常に強い選手だと思います。何でもできる素晴らしい選手だと思っております。成績のデータから見てもフィニッシュ率が高く、非常に強い選手だという印象です。語彙力が豊富で知的な印象を持っております」と評する。
記者会見では弥益からの挑発を受け、「全体的に何を言っているのか全く分かりませんでした」と答えたベイノアだが、その後、弥益のコメントをもう一度確認したという。
「確認しましたが、確認してもあまり分からなかった印象があります。ただ思ったのは弥益選手は本業が非常にお忙しいということで、今回サラリーマンvsお笑い芸人というような見られ方もあると思いますが、自分としては毎日本業があって固定給もある弥益選手に比べて全く仕事がなく、何なら副業どころか今年はお笑い芸人としての収入がゼロである私にとってはほぼ専業格闘家ですので、格闘家としての強さを見せなくてはいけない。(格闘技への)かけ方の違いを見せないといけないと思っております」と、芸人としての仕事がなく格闘家としての時間の方が長いため、その差を見せたいと自虐的に語った。
空手の技だけで倒せるのか、との問いには「リングに上がってみなければ結果は分かりませんが、自分自身では空手を信じてここまでやってきました。J-NETWORKのベルトもRISEのベルトも空手を信じて続けてきた結果、付いてきたものなので、総合格闘技でも極真空手が通用すると信じてリングに上がりたいと思います」ときっぱり。
さらには「フィニッシュに一撃パンサーキックを用意しております。試合の流れは、自分は今までも極真空手で1日に6~7回戦うトーナメントで対戦相手が決まっていない中で戦ってきたので、今回も自分を信じて自分を高めることによって一番強い自分を出せると思っています。対戦相手云々やどういう展開になるとは考えることなく、戦いの中でチャンスがあればパンサーキックを狙っていきたいと思っております」と、パンサーキックなる必殺技を用意しているという。
OFGに関しては「自分が挑戦しているキックボクシングよりもOFGはバックボーンである極真空手の素手に近いので、より自分の打撃が発揮できるのではと思っています」と、素手に近い分、空手の技が使いやすいとした。
やはり理想は“一撃必殺”か。ベイノアは「もちろんです。極真空手と言えば“一撃”ですので、それをお見せしたいと思っております」と、フランシスコ・フィリォがK-1のリングで見せた“一撃”で仕留めたいと話した。
今後に関しては「自分のプロとしてのホームグラウンドはRISEです。RIZINに挑戦するのも極真空手とRISEを背負ってするものだと思っています。ですが自分は総合格闘技に転向というつもりではなく、どんなルールでも挑戦していきたい。いわば異種格闘技戦だと思っているので、ヒジがあるとか組みがあるとか寝技あるなしに関わらず、お話がある以上は参戦していきたいと思います。RIZINにもお話があったら参戦していきたいなと思っております」と、異種格闘技戦として様々な戦いをしていきたいとの方向性。
また、幼少の頃から住んでいる板橋区成増について聞かれると「非常に緑が多く子供たちも元気で、何も不自由のない非常に暮らしやすい街になっております。皆さんのお越しをお待ち申しあげております」と、PR大使を狙っているかのようなコメント。地元でも顔と名前が売れてきたのではないかとの質問には「ちらほら気付いていただいているのではないかと思っておりますが、非常に優しい成増の皆様はそっと自分を放っておいてくださり、全く声をかけることなく見届けてくださっております」と、いいように解釈しているようだ。
同じ板橋区成増出身の有名人である、とんねるずの石橋貴明については「実は中学校が同じで。そういう意味でも幼少期の頃から意識していたので、いつかお会いできればと思っています」との目標も語った。
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